海外ドラマ Netflix『女刑事マーチェラ/Marcella』
Netflixで『リバー』を観た人におすすめ(リコメンド機能 )と出てきたので、見てみました。こちらも面白かったです。『リバー』はかなり変わった刑事が主人公でしたが、こちらも負けてはいません。
この物語は、スウェーデンのハンス・ローセンフェルトによって書かれています。彼はドラマ『THE BRIDGE』の脚本家であり、小説『犯罪心理捜査官セバスチャン』シリーズ(ここにも書いています)で人気の作家でもあります。と知ると、一筋縄ではいなかい犯罪ドラマという気がしてくるでしょう?以下ネタバレ含みます。
http://www.missiondigital.co.uk/marcella/
未解決の連続殺人事件に似た、新たな殺人が発生します。このことがきっかけで、当時の担当刑事マーチェラ(アンナ・フリエル)は、復職を決意することにします。彼女は、自分のもとから去った夫のことで苦しんでいました。
彼女は『THE BRIDGE』のサーガのように、芯が強くて孤独で複雑です。そして精神的に深刻な問題を抱えていました。コントロールできない怒りが引き起こされるとき、彼女はブラックアウトしてしまいます。本人はある一定時間記憶が欠落するため、意識がなかったという自覚があり、そのことで怯えています。
事件そのものは非常に残忍で充分恐ろしいです。けれども、マーチェラの空白の時間を想像すると、もっと怖くなってしまいます。スレッドはいくつも重なり、捻じれます。視聴者はいくつも用意された「燻製ニシンの虚偽」に惑わされずに、犯人を見つけることができるしょうか。
海外ドラマファンには嬉しいキャスティングがあります。『Law & Order: UK 』の1stシーズンのマット役のジェイミー・バンバーがこちらも刑事役で、また『ダウントン・アビー』の伯爵家の次女イーディス役のローラ・カーマイケルが、犯罪者を研究する学生で出演しているので、それも楽しめます。
このドラマを面白く、興味深く見ましたが、登場人物に共感できる人は一人もいませんでした。これってなかなか珍しいことです。
シーズン2が制作されるという記事に、マーチェラ役のアンナ・フリエルの写真が載っていました。実際、美しい女優さんですが、このドラマではその美しさを封印しているように思いました。
関連日記:
海外ドラマ『THE BRIDGE/ブリッジ』シーズン3
小説『犯罪心理捜査官セバスチャン』M・ヨート&H・ローセンフェルト
海外ドラマ Netflix『女刑事マーチェラ / Marcella』シーズン2
海外ドラマ『サウスランド』
ドキュメンタリー風にLAPDの警官と刑事たちの群像劇を描いた『サウスランド』を、AXNで見ていました。といっても、終了したのは6月くらいなので、ずいぶん時間が経ってしまいました。でも、ここに残したくて書いています。
NBCはこのドラマを「あまりに暗い」として、すぐに打ち切りにしたんだそうです。その後TNTで継続したものの、シーズン5で終了になりました。「暗くて何が悪いの」と個人的には思いますが、視聴率が伸びなかったのでしょうね。
ハンディカメラを使った映像に酔ってしまいそうになりながら、それでも毎週楽しみに見ていました。AXNがシーズンをまたいで連続放送してくれたのも良かったです。以下ネタバレ含みます。
http://axn.co.jp/programs/southland
このドラマでは、バッジと銃を持つ彼らを、しばしば誇大視される英雄として、そして心に傷を持つ個人として描写していました。確かに映像もストーリーも暗いかもしれませんが、お気に入りのドラマでした。
最終シーズンでは、ベン・シャーマン巡査(ベン・マッケンジー)の道徳観は浸食されているようでした。彼は最初のシーズンでは新人警官でしたが、次第に利己的で非情な警官へと変わってゆきました。
#ベンはドラマ『The O.C.』のライアン役として有名になりました。私は見ていないのですけれど、この『サウスランド』では、ライアンとは違う役どころで、俳優としても成熟したのではないでしょうか。彼はこの後『ゴッサム』で主演を獲得します。
最初の頃のシーズンでは、指導警官ジョン・クーパー(マイケル・カドリッツ)のもと、先輩との間に多少の確執はあったけれど真面目でまっすぐな警官として働いていました。なので、彼の変化は意外でした。
クーパーはずっと腰痛(薬物中毒)と闘っていました。彼はこのショーを通して変わらない人でした。偏屈で気難しいけれど、道徳的指標になっていたと思います。ショーを牽引した控えめなパフォーマンスは素晴らしかったです。
#マイケル・カドリッツは、このドラマの後『ウォーキング・デッド』にエイブラハムとしてメンバーに加わります。わたしはTWDの方を先に見ていたので、(赤毛でない)ブロンドの彼が新鮮でした。
ベンがクーパーのパートナーを卒業したあとは、クーパーは何人かの警官と組むことになります。S4ではルーシー・リューが巡査として彼のパートナーを務め、存在感を発揮していました。癖のある役どころが似合います。
#ルーシー・リューは、現在『エレメンタリー』のワトソン役でブレイク中。ワトソンが女性ということで、一時話題になりました。私はS1のみ視聴しました。
私生活で不幸続きのサミー・ブライアント(ショーン・ハトシー)は、元々は刑事でしたが、懇親のパートナーが殉職すると、自らの希望で警官になり、ベンとパトロールするようになります。彼の不幸の始まりは、ガールフレンドがタミーだったということです。
#わたしはこのショーが終わったあと、ショーン・ハトシーが『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』や『ボッシュ』に出ているのを見ました。現在はリメイクドラマ『アニマル・キングダム』に出演しているようです。
リディア・アダムズ刑事(レジナ・キング)は、独身ですが、悩んだ末に母親になる決心をしました。彼女は刑事としては有能でしたが、私生活では(特に女性としては)そうとはいえませんでした。わたしはキングの筋肉質の身体が放つしなやかな感じが好きでした。
アダムズの仕事のパートナーが、頻繁に変わるので、最初の頃は「この脚本大丈夫?」と要らぬ心配までしました。S4からは、冷静沈着なルーベン・ロビンソン刑事(ドリアン・ミシック)がアダムズのベスト・パートナーとなりました。今考えてみると、彼こそが私たちが考える理想の刑事だったように思えます。
アダムズの最初のパートナーについては、ぜひ書かかなくてはなりません。その人はクラーク刑事(トム・エヴェレット・スコット)で、後に刑事を辞めるのですが、この人がなんとも不思議なキャラで、私は注目していました。最初の頃は熱血捜査をするアダムズの横で、被害にあった女性をひたすら慰めるような人でした。
彼が警察を辞めた後、アダムズとロマンスのような関係になったのにはびっくりしました。そんな伏線がどこかにありましたか。またまた「この脚本どうなってるの?」と思ってしまいました。
けれども、彼はアダムズのお腹の子の父親ではありません(そもそもフィジカルな関係はなかったような)でした。クラークは見た目もそうなんですが、掴みどころがなくてまるでまさに風来坊のような人です。何に逆らうこともなく、吹かれるまま存在しているようでした。
#ゾンビドラマ『Zネーション』でトム・エヴェレット・スコットを見ました。こちらは風のようなキャラクタではありませんでした。ちょっと残念。
もう一人のサブキャラで、印象的なのはデューイ・デューデック刑事(C・トーマス・ハウエル)です。警官としては問題だらけなんですが、私生活では美しい妻子がいて、温かい家庭を築いているようでした。周囲を引っ掻き回す彼は『サウスランド』には欠かせない存在でした。
#以前、ここに書いたんですけれど、トーマス・ハウエルは『クリマイ』や『グリム』での悪役でもお馴染みです。両ドラマでは既に殺されてしまっていますが。
このドラマではLAPDのプロの仕事と私生活に焦点が当たり、登場人物たちはその2つを区別しようともがいているようでした。が、実際には、その境界線上でグレーです。職務の延長戦上に個人の仇討ちがあったり、独りよがりの先入観による意思決定が間違いだったりします。
まぁ、確かに深くて暗いドラマです。でも、私はこのドラマを見ずにはいられませんでした。
海外ドラマ Netflix 『リバー/River』
今年5月くらいにWOWOWで放送していた『埋もれる殺意~39年目の真実~』で、久しぶりにニコラ・ウォーカーを見ました。『MI:5』のルース役のイメージが強いウォーカーですが、今でもイギリスのテレビシリーズの第一線で活躍しています。個性的でチャーミングな女優さんです。
英ドラマ『埋もれる殺意』は、確かITVの放送だったと思います。ロンドンが舞台で39年前の未解決事件を捜査するという『コールドケース』のようなストーリーでそれなりに楽しめました。
二コラ・ウォーカーが昨年『埋もれる殺意』で刑事役をこなしたあと、立て続けに刑事として出演しているのがこの『リバー』です。こちらはBBCの放送のあと、Netflixで公開されました。この1話目を見たら、もう止められなり、週末に続けて視聴してしまいました。全6話のショーです。他の刑事ドラマとは一線を画した内容になっています。以下ネタバレ含みます。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b06jkk8f
主人公リバーを演じるのはステラン・スカルスガルド(読みが難しいのは、スウェーデン出身だからでしょうか)で、私はこのショーで初めて彼を知りました。190㎝を超える大きな身体で、心に秘めた喪失感を見事に演じていました。
リバーはシックスセンスを持つ熟年刑事です。彼は死んだ人々と話すことができます(といっても、ファンタジーではありませんよ)。そんな彼の仕事の元パートナーのスティービー(これが二コラ・ウォーカー)が何者かに殺されたことを、私たちは早々に知ることになります。
リバーは古めかしくて暗く、複雑な性格ですが、スティービーは天真爛漫でいつでも明るく、ディスコミュージックのような人です。彼女はそのひょうきんさと率直さで、彼を気難しいセカイから外へと導びきます。
彼にとって、彼女の存在がいかに大きかったか、彼女なしの世界がどれほど虚しいものなのかは、想像に難くありません。
捜査の過程で、リバーが知らなかったスティービーの別の側面が明るみになります。リバーは、どんなときも一緒だった彼女との思い出と、彼女の秘密の生活を一致させることに苦労します。
彼とスティービーとのやりとりは、彼には見えていても、周りの人には見えないので、相当痛いです。その痛々しさが、胸を打ちます。夜中に一人で見ていて、私まで孤独に包まれてしまうようでした。
アディール・アクターはリバーの新しいパートナーとして素晴らしかったです。控えめで、根気よく彼をサポートしようとします。リバーの奇抜さをうまく吸収するスポンジのような役割だったと思います。
なんだか、不思議なクライム・ドラマでした。英国ドラマが好きな人にはおすすめです。
海外ドラマ『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』シーズン17
ドラマ『Law&Order』はスピンオフを含め、ほとんど見ていたんですが、SVUだけは見ていませんでした。私が見始めたのはシーズン13くらいから。スピンオフを含め、シリーズが継続しているのは、SVUだけです(たぶん)。
シーズン17をFOXクラシックでベルト放送されていたのを見ていました。S13から見ていて、今回が最も面白かったという印象です。以下ネタバレ含みます。
http://www.nbc.com/law-and-order-special-victims-unit
私は、スピンオフ含めて多々あるL&Oのファンですが、このSVUだけは、どちらかというとあまり注視していませんでした。録画をして見ているんですが、正直言えば、あまり集中もせず時間潰しのような感覚で見ていました(ひどいですね)。けれども今シーズンは、かなり集中して楽しみました。
途中追加されてきたメンバーもまとまってきたように感じますし、今シーズンに追加されたドッズの長男のマイク・ドッズも良かったです。親子ということで、ドッズと雰囲気が似ていて良いキャスティングでした。でも今シーズン限りなんですよね。気に入っていたのに残念です。
ロリンズは、今シーズンの撮影中はリアルに妊娠中だったんですね。なので、ショーの中でも妊娠したという設定になっていました。これは『クリミナル・マインド』のJJも同じように出演していました。こんな風に仕事を継続できるのはいいと思うし、同じ女性として応援したくなります。
しかし、私以上に応援満々の人がいました。妊娠中も、そして出産してからも、ロリンズを気遣うカリシ。子どもの父親でもないのに、優し過ぎでは?などと突っ込みながら見ていました。素敵です。
ロリンズ絡みのエピソードでは、ハンニバル・レクターとしてのグレゴリー・イェーツのストーリーが良かったです。刑務所での二人のシーンはクラリス・スターリングを連想させました。
オリビアがまた(!)人質になったり、カリシやロリンズがおとり捜査をしたり、ドラマ的なエピソードが多かったですが、私が最も印象に残っているのが、エピソード15です。
ネット捜査で網にかかったのは予想外の人でした。コックス検事補の夫ハンクが児童ポルノにアクセスしていたことがわかります。長年連れ添った夫であり、子どもたちの父親であるハンクが犯罪者と知ったときの妻としてのジェシカ・フィリップスの演技が実に痛々しかったです。ハンク役は『レイ・ドノヴァン』でも、かなり個性的な役どころのジョッシュ・ペイズでした。
それから、もちろん最終エピソードも忘れられません。まさか、あんな形でマイク・ドッズと別れることになるとは思っていませんでした。悲しいエピソードでしたが、最期まで、マイクらしかったです。
最後の場面はオリビアとエド・タッカーがノアを挟んで散歩しているシーンでした。彼は内務監査部から別の部署へ移動するようです。そして彼らは3人でパリ旅行へ行くのでしょう。今後の二人の関係の展開が楽しみです。
それと、カリシはついに司法試験に合格しました。今後はどちらの道に進むのかとバーバがたずねるシーンがありました。カリシはこのまま刑事として捜査を続けるようです。
本国ではシーズン18が放送されています。日本でもじきに見れるでしょう。楽しみ。
映画『エクス・マキナ』
日本では公開されないのかと諦めていたのですが、無事にロードショーになりました。上映している劇場は少ないです。以下ネタバレ含みます。
http://www.exmachina-movie.jp/
同作の主人公は、世界最大のインターネット会社「ブルーブック」でプログラマーとして働くケイレブ(ドーナル・グリーソン)。めったに姿を現さないCEOネイサン(オスカー・アイザック)が所有する人里離れた別荘に1週間滞在することになります。そこで、女性の姿をしたロボット「エヴァ」(アリシア・ヴィキャンデル)に搭載された人工知能のテストに協力することを求められるというお話しです。
ケイレブは社内のくじ引きに当たり、喜んで別荘に向かいますが、実際にはチューリング・テストをするための人員として、ネイサンによって注意深く選ばれています。アラン・チューリングの映画『イミテーション・ゲーム』がまだ記憶に新しいですね。
彼女(AI)が複雑な知性を示すかどうか見るために、ケイレブはセットされたわけです。彼を困難にさせる1番の要因となったのは、エヴァが美しく設計されているということです。確かに彼女は完璧なまでに美しく神秘的です。ケイレブとエヴァとのやりとり(駆け引き)はかなり興味深いです。
ぼさぼさのブルックリンスタイルのひげを生やしたネイサンは、通常は体を鍛えているか、ビールをがぶ飲みしているかしていて、その天才ぶりを隠ぺいしています。
彼の別荘はは金メッキした檻です。完璧に設計されていて、ケイレブが渡されたキーカードは、彼を部屋の半分から締め出しておくよう操作されます。
ネイサンはケイレブを歓迎し、一見心を開いているように見えます。しかし、より暗い何かが彼の表面下で泡立っています。アイザックは肉体主義と気味の悪い脅威をネイサンに与えます。
前にも書いたかもしれませんが、不思議な世界に迷い込んでしまう人はドーナル・グリーソンをおいて他にはいないでしょう。そう確信した映画でもありました。彼とオスカー・アイザックは、どちらもこの後『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に出演しています。そして、この映画とは全く異なるキャラクターを演じているんですよね。
参考Wiki:
青色本・茶色本 - Wikipedia
チューリング・テスト - Wikipedia
海外ドラマ『クリミナル・マインド10 FBI行動分析課』
WOWOWのベルト放送を見ていました。クリミナル・マインドはもうシーズン10なんですね。2桁までいくとは思っていませんでした。こんなに長く続いたとは素晴らしいです。以下ネタバレ含みます。
http://www.cbs.com/shows/criminal_minds/
今シーズンから、新しく配属されたのはケイト(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)。彼女はクリマイと同じCBS系列のドラマ『ゴースト』で主人公を演じていた人です。そのときはとても華奢なイメージだったんですが、久しぶりに見たら、かなり貫禄がついたようでした。実際、彼女は妊娠していたんですね。
ファースト・エピソードを通して彼女はタフで優秀な刑事ということがわかりました。が、BAUに入るには、もっと専門知識が必要なのかと思っていました。とはいえ、ホッチの面接に受かればOKなのでしょう。
彼女はすぐに他のメンバーに溶け込んだようでした。BAUのメンバーになったからといって、急に心理学や犯罪学の権威のようにはならず、自然体で捜査に参加していたのが好印象でした。
事件そのものは、あまり記憶に残るようなものはなかったんですけれど、今シーズンは誘拐が多かったような気がします。ドラマ『FBI失踪者を追え』(これもCBS)かと思ってしまったくらいです。また、テロ犯罪のような事件を担当したときには、BAUの守備範囲の広さ(とも言います)に驚かされました。
特筆するとしたら、ギデオンが亡くなるエピソードでしょうか。といっても、マンディ・パティンキンは登場するはずもなく、ロッシとギデオンの若かりし日のフラッシュ・バックのシーンがあっただけなんですが。ロッシの若いときが、少々イケメン過ぎです。そして、パティンキンはこの放送を見ていない方に一票。
それから、クリマイのスピンオフ『Beyond Borders』とコラボするエピソードもありました。このへんは『特命捜査班レッドセル』と同じで、まずは本家にご挨拶がてら、登場するという感じでしょうか。
フィナーレのメインは、今シーズンだけでいなくなるラヴ・ヒューイットです。彼女の姪メグに焦点が当たります。ここにくるまで2,3の伏線がありました。扇情的な流れでしたが、私にはうまく働きませんでした。
捜査官であるケイトは常日頃から、危険にさらされたときの対処をメグに言い聞かせていたという設定です。そんな彼女の教訓が功を奏し、メグは無事に逃げ延びることができます。が、それ以前に「ネット上のウソ」や「知らない人のクルマには乗らない」という基本事項は教えなかったのか、突っ込みを入れたくなります。
クリマイは、リアルな犯罪ドラマですが、ガルシアのハッキングだけはSFだなと思って見ています。電源さえ入れればどんなPCでもリモート接続できるし、あらゆるデータベースに簡単にアクセスできてしまうんですもの。キャラクタとしては、好きですけれど。
ネガティブな感想も書いてしまいましたが、私はれっきとしたクリマイ・ファンなので、期待度が高いのだと思います。最後にJJの妊娠(リアルで)もわかりましたし、次シーズンでは重要なメンバーについてのスポイラーアラートも聞いてしまっています。どうなるんでしょう?なんとこの秋にWOWOWで放送予定です。
関連日記:
海外ドラマ『クリミナル・マインド9 FBI行動分析課』
海外ドラマ『クリミナル・マインド8 FBI行動分析課』
ナショナル・シアター・ライヴ『ハムレット』
ナショナル・シアター・ライヴ(NTL)をずっと見たいと思っていました。Bunkamura ル・シネマ(渋谷)でカンバーバッチ主演の『ハムレット』をアンコール上映したのを機に、やっと観ることが出来ました。
NTLでは、イギリスの国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアターが名舞台をデジタルシネマ化し、世界各国の映画館で上映しています。今回観た『ハムレット』は、2015年8~10月にロンドンで上演され、ベネディクト・カンバーバッチが主演したことで大きな話題(確か、チケットを取るのも大変だったと記憶してます)となりました。
もちろん、本来は劇場で見たいところです。その方が臨場感をより楽しめるでしょう。けれども、映画のメリットもあります。まず日本で鑑賞できるのが一番ですが、字幕はありますし、役者のアップも見れるので、彼らの細かな感情表現を見ることができます。
わたしは、NTLもシェイクスピアも初めてで、ハムレットがどういうストーリーなのかも知らずに鑑賞しました。シェイクピアということで、古めかしい難解なストーリーかもしれないと思い、昼寝をし体力を温存して行ったんですけれど、そんな心配は無用でした。3.5時間(途中20分の休憩あり)全く飽くことなく楽しめました。
まず感激したのが、その舞台セットの素晴らしさ。劇場だと舞台を変えるときが大変だと思うのですが、それも様々な工夫をしていました。後半からは奥行きを感じられる立体的な空間が演出されていました。
主演のカンバーバッチは、水を得た魚のように生き生きとしていました。舞台で映える人ですね。彼の良さを引き出すような脚本だったのかもしれません。
俳優たちの軽い身のこなしも驚きました。階段を下りるシーン1つをとっても、滑るように駆け降ります。あんなに運動しながら、台詞を言うのは、並大抵ではないように思います。
それから、いろんな意味でのミックスアップ。まず、衣装なんですが、時代衣装の人もいれば、現代風の人も。ハムレットの親友ホレイショは、現代の若者風で、普通のカジュアルウェアにバッグパック、首にも腕にもタトゥがありました(劇場では見えないかも)。小道具もしかりです。
また、ハムレットの恋人オフィーリアの兄レアティーズ役は黒人の俳優が演じています。今年のトニー賞で最多受賞した『ハミルトン』も、実在する白人の登場人物を黒人やラテン系の俳優が演じていて話題になりました。私はこのレアディーズがとても良かったです。
今、考えてみると、台詞も、時代を感じるものがあると思うと、現代らしいものもありました。一見統一感がなくバラバラになりそうなものを1つに融合させたこのハムレットは、スタンダードではないかもしれなけれど、私にとっては魅力的でした。
おじいさんたちも元気で可愛らしくて、素敵でした。女性キャストも負けていません。オフィーリアもハムレットの母親も、そのパフォーマンスは素晴らしかったです。
また、機会を見つけて観にいこうと思います。