misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ WOWOW『ザ・ミッシング~囚われた少女~』

WOWOWプレミアで放送されたばかりです。土日に4話ずつ、計8話のドラマを一気に見ました。昨年放送された『ザ・ミッシング~消えた少年 ~』に続くシリーズです。以前、シーズン2が制作されると聞き、どんな展開になるのか気になっていました。

といっても、こちらは、その「消えた少年」の行方を追うものではなく、全く別の家族の話です。前シーズンから引き続き登場したのは、フランス人の元警部ジュリアン・バティストと妻セリアのみ。セリアが前作で起きたことについて、少しだけ触れるシーンがありました。(が、前作を知らなくても楽しめます。)

行方不明になった娘アリスの父親をデヴィッド・モリッシー(『ウォーキング・デッド』のガバナー)、母親をキーリー・ホーズ(『MI-5 英国機密諜報部』)が演じています。どちらもさすがベテランという貫禄で、そのパフォーマンスは高いです。以下ネタバレ含みます。

 

f:id:misasa104:20170206173511p:plain
http://www.bbc.co.uk/programmes/b07zhfsb

ストーリーはかなり複雑です。 まずロケーションなんですが、BBC制作ということで、イギリスが舞台かと思いきや、主人公の夫妻が住んでいるのは、ドイツ・エックハウゼンにある英国軍駐留基地なんですね。そういえば、前作もイギリスが舞台ではありませんでした。そして、今回はさらに、ロケ地がイラク、スイスへと広がります。

 

ドラマの冒頭に、行方不明になる直前のアリスが描かれます。それが2003年。そして、アリスが誘拐犯から逃亡し、瀕死の状態で発見されるのが2014年です。このとき既に11年が経過していました。

アリスが見つかった2014年とその翌年の2015年、そして現在と時間軸が交錯して物語は進みます。ですので、視聴者が過去シーンなのか現在なのかすぐにわかるよう、主要人物たちに変化を持たせています。(これがなかったら、混乱したことでしょうね。)

まず犯人を追うジュリアンは、白髪と髭を生やした2014年から、現在は髭を剃り、頭もスキンヘッドに。アリスの父は、2014年にアリスを救うために負った火傷が顔の半分に残っています。そして母のヘアスタイルはロングから、ボブへと変化します。

  

各話、少しずつ新事実が浮かび上がります。次に続く伏線の張り方が良くできていて、次回まで待ちきれなくなることでしょう。(なので、連続で見てしまったんですけれどもね。)

私はこのドラマに集中するあまり、実際に鳥肌が立った瞬間が2回ありました。それは、事件を捜査しているストーン准将(これが『新米刑事モース』のサーズディ役のロジャー・アラムなんです、声優は同じ方?)がアリスに童話を例にとって聞かせるシーンがあるのですが、その話しがどこに向っているのか、何を示唆しているのかがわかったとき、そしてもう一つは、犯人が逃走中に買ったシンバルモンキー(シンバルを叩くサルのぬいぐるみ)が、誰のためのものだったかを知ったときです。

正確には、そのぬいぐるみは購入したものではなさそうです。彼は店に入る直前、財布を忘れたことに気付きます。ポケットを叩いて確認しているところで、そのシーンは終了するのですが、さて、どうやってぬいぐるみを手に入れたのでしょう。彼はモンスター・ドリルですよ。彼が店主にしたことは明白でしょう。

 

前シーズンは、視聴者が期待した結果にはならず、父親の声にならない悲痛な叫びだけが残りました。 リアリティのある終わり方ともとれますが、どこか不完全燃焼でいつまでも尾を引きました。

が、今作は最終エピソードでカタルシスを感じることができました。それもリアリティを持って。ずっと謎だったものが、やがて一本の線へと繋がって、胸にストンと落ちました。

最後はジュリアンのオペシーンでした。手術が成功し、再び彼を見れる日が来るかもしれません。 シーズン3、あると思いますか?

 

関連日記:

海外ドラマ『ノー・セカンドチャンス~身代金の罠~』 - misasa104の日記

海外ドラマ Hulu『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン6

実はシーズン5を見終わったとき、もう次を見るのはやめようと思っていたのですが、今年に入って気がかわり、ゲーム・オブ・スローンズ(以下GOT)の視聴をHuluで再開することにしました。

自分の中でGOT熱が冷めたと思っていたのですが、見始めたら、やっぱり面白くて、あっという間に見てしまいました。ただ、シーズン5から時間が空いていたので、途中でしばしば「あなた、どちらさま?」という状態に。登場人物が多いので思い出すのに一苦労です。以下ネタバレ含みます。

 

復活

まずは、これでしょうね。もうこのことについては、ほとんどの人が知っていると思うから、書いていいでしょう。

GOTでは過去、主役級の人物でも次々に殺されていきました。素敵!かっこいい!なんて思っているのも束の間、彼らはあっけなく逝ってしまうのです。そのたびに呆然とするのですが、そんな私も、シーズンを重ね、GOTのやり方にだいぶ慣れてきたところでした。

が、しかし、シーズン5の最後でジョン・スノーが殺されたときは、やはりショックでした。「マジか」とウチの子らが使うような台詞が飛び出したくらいですから(それがシーズン6の視聴をやめようかと思った原因の1つです)。

でもですよ、ジョン・スノーまで失ったら、スターク家はどうなってしまうのでしょう。やきもきしていたら、やっとエピソード2(2まで、待たねばならなかったんですよね)で、彼はばっちり息を吹き返しました。あー、安心しました。(ま、見る前からちらほらと噂は耳にしていたんですけれどもね)

f:id:misasa104:20170203134349p:plain

 

それからもう一つ、これは私にとって何よりも嬉しかったことです。それはサンダー・クレゲイン(ハウンド)の復活でした。彼のことは、以前の記事にも書きましたけれど、ジョフリーの護衛をしていた最初の頃こそ、冷酷無比なイメージでしたが、その後、サンサやアリアに対してとった行動で、多くの視聴者が彼の生い立ちに同情し、彼を好きになりました(と思ってます)。

前シーズンでアリアがハウンドを見捨てたとき、私は彼女を非難したい気持ちになりましたが、こんなサプライズが待っていたとはー。嬉しい限りです。

f:id:misasa104:20170203134359p:plain

 

チーム

女性でブライエニーが好き、という人は多いのではないでしょうか。何を隠そう、私もその一人です。何が素敵って、その心身の強さと一点の曇りもない忠誠心です。サンサとシオンが絶体絶命のときに現れたブライエニーに、私は実際、拍手喝采を送りましたよ。これでドリーム・チームの結成となったわけです。

ブライエニーといえば、ジェイミー・ラニスターの絡みが前シーズンに続き描かれていましたね。彼らの距離感がとてもいいです。今後、敵となって戦わなくてはならない状況になったとしても、二人の間にできた個人的な絆は壊れることはないのだろうと思います。

また、ブライエニーとトアマンド(髭がボーボーの野人)が、視線を交わしてイチャイチャしているシーンも良かったです。戦いで忙しく異性を意識する暇なんてなかったであろう二人がカップルになったら楽しいのにね、と思いますが、まぁ、無理でしょうか。

 

今シーズン、ティリオン・ラニスターは猛獣使い、もとい、ドラゴン使いになりました。彼が2匹のドラゴンを解放したとき、ファンは大喜びしたことでしょう。もちろん、私もです。

小さな身体で、国を渡り歩き、幾度となくピンチを乗り越えてきた彼は、誰よりも処世術に長けていると言っていいでしょう。それが今度の相手は人間ではなくドラゴンなんですから超人的です。そんなティリオンとデナーリス・ターガリエンがタッグを組めば、もう怖いものなしという気がします。次シーズンで大きく飛躍しそうなチームに間違いありません。

f:id:misasa104:20170203135001p:plain

 

再会

ジョン・スノーとサンサとの再会シーンは、今シーズン最も感動的なシーンではなかったでしょうか。考えてみれば、スターク家の子どもたちは離散し、これまでに再会を果たしたことはありませんでした。かつて、スターク家次男のブランとジョン・スノーがニアミスしたことはありましたけれど。

今でこそ納得できますが、これまでだったら、誰がナイツ・ウォッチのジョン・スノーとサンサが再会できると思ったでしょうか。

f:id:misasa104:20170203134418p:plain

 

そして、シオンと姉ヤーラの再会もありました。かつて、ラムジーに囚われていた弟シオンを救うために、遠征したヤーラでしたが、既に心身が崩壊していたシオンに拒絶されるという苦い過去がありました。なので、こちらの再会は諸手を挙げて喜ぶというものにはなりませんでした。

シオンは裏切り者の存在でしたが、その後彼が置かれた悲惨な境遇を考えると、その代償を払ったといえるのではないでしょうか。今後は精力的に姉をサポートしていってほしいです。

 

それと、今シーズンで最も個人的に驚いたのが、ベンジェン・スタークの登場です。彼はエダー・スタークの弟で、ナイツ・ウォッチの隊長でしたが、長いこと行方不明になっていました。ブランがホワイト・ウォーカーに追いかけられて危機一髪になったときに救ってくれたのが彼でした。

これはブランというよりは視聴者とベンジェンの再会といった方が正しいでしょう。シーズン1でちらっと登場して以来ですもの。今回も1シーンのみでしたが、今後、彼を慕っていたジョン・スノーと再会する日は来るのでしょうか?

f:id:misasa104:20170203135416p:plain

 

嫌われキャラの顛末

これでもか、いうほどイヤなキャラだったボルトン家の落とし子ラムジー。あなたは、ジョフリーとラムジーのどちらが嫌いですか。この二人を夫に持ったサンサはつくづく運がないとしかいいようがありません。

私は、ジョフリーは姉弟の近親交配で生まれた子どもであることから、先天的に問題があったのでは?などと分析し、ラムジーの性格のゆがみは後天的(と勝手に推測)という点から、ラムジーの方が1枚も2枚も上手の嫌われキャラと思っています。

なので、サンサがラムジーに最終的にとった行為は残酷ではありましたけれど、これまでの仕打ちを考えると仕方がなかった(と言ってしまいましょう)かもしれません。

 

しかし、私は彼らよりも嫌いなキャラがいました。それはハイスパローです。彼は〈雀〉として知られる狂信家の指導者なんですが、もうこれは何というか、生理的にダメでした。彼が何を言っても、耳をふさぎたくなるから困ります。このおじいさん、自分が信じた神の元へ行けたのでしょうか。

 

それから(結構いますね)、こちらは嫌われキャラという枠組みがふさわしいかどうかわかりませんが、メリサンドル(紅の女)について。彼女はこれまでスタニスを翻弄してきました。前シーズンで最も悲痛だった、スタニスの娘シリーンが火あぶりにされるシーンは見るに堪えませんでした。メリサンドルを筆頭に、スタニスとその妻セリーヌにも激しい憤りを感じました。

シリーンを娘のように可愛がっていたダヴォス・シーワース(スタニスの元側近)は、彼女の身に降りかかった災難を知って、メリサンドルを責めましたね。よくぞ、気付いてくれました(少しだけ溜飲が下がりました)。そして、そのことを知ったジョン・スノーは、彼女に自分たちの前に二度と姿を現さないように告げるのです。えらい!

それにしても、今シーズン、紅の女の本当の姿には驚きました。まるでディズニーのアニメ映画に出てくる魔女のおばあさんのようではありませんか。よく撮れていました。

 

関連日記:

海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シーズン4まで - misasa104の日記

 

海外ミステリ小説2016 秋から冬まとめて

秋から最近までに読んだ本を一気に紹介します。少々ネタバレ含みます。

 

<フランス>

『傷だらけのカミーユ』ピエール・ルメートル 

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

 

カミーユ・ヴェルーベン警部シリーズは、『悲しみのイレーヌ』『その女アレックス」そして本作『傷だらけのカミーユ』と3部作になっています。つまり、これで終了なんですね。寂しいです。

今作品を読みながら、ヴェルーベン班の発足当時のメンバーを思い出しました。どのメンバーも個性的でしたね。そして時間の経過とともに様々な変化をとげていました。私のお気に入りのハンサムはルイはあまり変わってはいないようでしたが。

どこまでも幸せにはなれないカミーユ。心中お察しするも、私がどう思おうがおかいなく彼はどこまでも突っ走ります。タイトルの「傷だらけ」は、実際に暴行を受けたカミーユの恋人アンヌではなく、カミーユなのです。

私はルメートルのキャラクタの描写がどこか文学的でとても気に入っていました。別のシリーズが出たら、必ず読みたいです。

 

<アメリカ>

『煽動者』ジェフリー・ディーバー

煽動者

煽動者

 

私自身はディーバーといえば、リンカーン・ライム派なんですけれど、今回のキャサリンダンスシリーズのこの本は読みやすくて面白かったです。彼女が女性としてやり過ごさなくてはいけないことや、女性だからこそ奮闘する姿に、思わず応援したくなりました。ディーバーという人はつくづく女性の心理が良くわかっているなぁと感心しきり。

ディーバーには珍しくハーレクイン風のロマンス(とってもベタベタではありませんよ)も楽しめるというおまけもあります。それなのに、この邦題、少し硬いような気がしませんか。


『転落の街 上下』マイクル・コナリー

ハリー・ボッシュ・シリーズの前作『ナイトドラゴン』には、がっかりさせられたので、あまり期待せずに読みました。しかし、これが久々(!)のヒット。ボッシュらしさが復活しています。いつまでも現役で頑張ってほしいと思えた一冊です。

Amazonドラマ『BOSH』を見ているので、以来、私はこのシリーズを読むときはタイタス・ウェリヴァーを思い浮かべながら読んでいます。来年にはシーズン3が、配信される予定です。そしてもうシーズン4の製作も決まっているんですね。こちらも楽しみ。

 

『生か、死か』マイケル・ロボサム 

生か、死か (ハヤカワ・ミステリ)

生か、死か (ハヤカワ・ミステリ)

 

舞台がアメリカなので、こちらのカテゴリに入れましたが、マイケル・ロボサムはオーストラリア出身の小説家です。これは、英国ゴールド・ダガー賞を受賞し、米国エドガー賞の最終候補になった作品で、スティーヴン・キングが絶賛したらしい。

現金輸送車襲撃事件の共犯として刑に服していたオーディ・パーマー。出所日前夜になってオーディは突如脱獄を果たします。後述する『ザ・サン』を先に読んでいた私は、また脱獄して復讐か、と思いつつ読み進めました。が、そこには意外な展開が待っていました。

登場するサブキャラたちがいいです。デジレー刑事の続編があったら面白そう。

  

ノルウェー

『その雪と血を』ジョー・ネスボ

40年近く前のオスロを舞台にしたパルプノワール作品。パルプノワールというのは「ザラ紙に書きなぐられた暴力と犯罪とイメージさせる”パルプ”という言葉の持つイメージを、孤独と愛憎とトラウマから屈折していく精神を描いた暗黒の文字に重ねたもの」なんだそうです。

そういわれてみれば、そうかもね、などと思います。いつものネスボとは一味違い、殺し屋の恋物語です。ハヤカワ・ポケット・ミステリとしては、例をみない薄さなので、あっという間に読めてしまいます。

帯にレオナルド・ディカプリオ主演で映画化と書いてありましたが、本当でしょうか?

 

ザ・サン 罪の息子』 ジョー・ネスボ

ザ・サン 上 罪の息子 (集英社文庫)

ザ・サン 上 罪の息子 (集英社文庫)

 

こちらはネスボらしいストーリーになっています。父親汚職警官として自殺して以来、生きる意味を見失った息子のサニー。ある日、父の死の真相を知った息子は脱獄し、父の汚名を返上するために動き出すといった、サニーの再生ストーリーです。

こちらもジェイク・ギレンホール主演で映画になるようです。ネスボは、映画界でも人気なんですねー。来年公開予定。これは見るしかないでしょう。


『湖のほとりで』カリン・フォッスム 

湖のほとりで (PHP文芸文庫)

湖のほとりで (PHP文芸文庫)

 

カリン・フォッスムはノルウェーの作家で、私は初めて読みました。この作品は、セイエル警部シリーズの2作目。リヴァートン賞、ガラスの鍵賞などの北欧圏における名誉ある賞を獲得しています。私は観ていませんが、イタリアで映画化もされています。

村の誰もが知る女子高校生アニーが小さな村で死体となって発見されます。死体には争った形跡がないことから、自殺か、あるいは顔見知りの犯行ではないかと推測され、早期解決すると思われたのですがー。

派手さはなく、地味な作品なんですけれども、丁寧な描写が好きです。セイエル警部の真摯な姿勢で臨む淡々とした捜査に引き込まれます。

 

『晴れた日の森に死す』カリン・フォッスム

晴れた日の森に死す (創元推理文庫)

晴れた日の森に死す (創元推理文庫)

 

こちらがセイエル警部シリーズの3作目です。この秋に刊行。実はこちらを先に読んで、面白かったので、前作品になる『湖のほとりで』を読みました。

ノルウェーの森の奥でおきた殺人事件の現場で精神病院に入院中の青年エリケが目撃されます。そんな折、銀行強盗が発生し、エリケは逃走する強盗犯モルガンの人質になってしまいます。

私は単細胞で素直なモルガンの言動、心の声に、何度も笑いました。彼が他人と交流するのが難しいエリケと心を通わせてゆく過程が微笑ましかったです。フォッスムの登場人物一人ひとりに寄せる眼差しが温かいです。

 

<イタリア>

『パードレはそこにいる』サンドローネ ダツィエーリ

パードレはそこにいる (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

パードレはそこにいる (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 ローマで起きた児童失踪事件。その裏には、幼い自分を誘拐・監禁した犯人「パードレ」が存在すると信じる失踪人コンサルタントダンテと、過去の捜査事件で心身のダメージを受けた女性刑事コロンバの二人の捜査が始まります。

なかなか他にはないプロットで楽しみました。ただ、コロンバの粗削りさにはちょっと引いてしまうことも。

 

海外ドラマ2016 秋から冬まとめて

2016年もあと少し、あっという間ですね。今年の秋から冬にかけて見ていたドラマです。ネタバレ含みます。

 

『シカゴ・ファイア』AXN

f:id:misasa104:20161224190113p:plain
http://www.nbc.com/chicago-fire

シカゴ・ファイヤはシカゴ消防局51分署に所属する消防隊員と救命士たちによる救助作業や葛藤を描く人間ドラマです。

日本での放送をずっと待っていました。アメドラ『Low & Order』ファンの私としましては、ディック・ウルフの作品を見ないわけにはいきません。これは以前に書いた『サウスランド』よろしく、シーズンを続けて放送してくれるようで、ありがたいです。今は、シーズン2が始まっています。

1つだけ疑問なんですけれど、この消防署は夜勤ってないのかしら。チーム交代制でシフト勤務しているのかと思いきや、いつも同じメンバーが署にいます。しかも、夜になると皆さまそれぞれのプライベートを楽しんでいる様子。メンバーのうち、3人はバーを経営していますしね。

アメドラに見られる日本に対する雑な描き方は慣れていますが、マウチの日本語がでたらめ過ぎます。そして、日本人のペンパル(だったかな)のマリの登場シーンに唖然。どうみても日本人には見えませーん。

スピンオフの『Chicago P.D.』の放送も決まっています。この主役の刑事がまさか、あの人だと、誰も思わなかったことでしょう。そのうち、『Chicago Med』や『Chicago Justice』も日本で見れるのを楽しみにしています。

 

ブラインドスポット タトゥーの女』WOWOW

f:id:misasa104:20161224190959p:plain
http://www.nbc.com/blindspot

放送が始まる前から派手なCMで注目していました。 全裸で全身にタトゥーのある記憶喪失の女性が、マンハッタンの中心タイムズ・スクエアに置かれたバッグの中から現れるというものです。その身元不明の女性はFBIニューヨーク支局に保護されます。タトゥーの中にFBI特別捜査官カート・ウェラーの氏名が記されていたことから、カートは彼女に関する捜査の指揮を執るという設定です。

そして彼女のタトゥーをヒントに事件を予測し、解決へと導きます。タトゥを入れる段階でこれから先に起こる事件を知り得たのか謎ではありますが。しかもそれを伝える方法がかなり手の込んだパズルのようなタトゥとは。そしてそれがかなりアートとしても完成度が高いのです。

私はどちらかというと、彼女とカートの恋仲に注目して見ていました。お互い好きで気になるのだれど、それぞれが別の人と付き合うという、よくあるパターンに落ち着きます。それでも気になってしまうのはカートが素敵だから?このドラマの出ている男性陣って、こぞってハンサムだと思いませんか。

 

『GRIMM/グリム』シーズン4 スパドラ

f:id:misasa104:20161224191748p:plain
http://www.nbc.com/grimm/episodes/season-4

今シーズンは、思い切った方向転換をしたグリム。私はブルクハルトの恋人、ジュリエットが好きだっただけに、その変身ぶりには驚きました。人は力を持つとこんな風になるものでしょうか。少々行き過ぎな気もしますが。

アダリンドの妊娠はシーズン3で推測した通りに。ジュリエットが超絶イヤな女になってしまったので、そのバランスをとってか、アダリンドは力を失い普通の女性になってしまいました。なんだか一皮むけてすっかり可愛い感じになっています。

もういっそのこと、ブルクハルトとアダリンドで仲良くしちゃえば、と思ったりもしますが、そうもいかない気もします。次シーズンがファイナルらしいのですが、今後の行方が気になるところです。

 

『ヒンターランド』シーズン2 AXNミステリー

f:id:misasa104:20161224193039p:plain
http://www.bbc.co.uk/programmes/b03sgfbz

英国ウェールズ地方を舞台にしたシリーズです。シーズン1を見ていない人は、Netflixで鑑賞できます。本国では英語とウェールズ語バイリンガルで放送されているらしいです。

私は主人公マサイアスの眉間と額に刻まれた皺に、なんともいいようのない哀愁を感じてしまうのですが、同じように思っている人は他にもいるに違いありません。今シーズンは、彼の妻が登場することで、マサイアスの過去を知ることになります。想像はしていたけれど、それは痛ましいものでした。

このドラマは犯人捜しのほかに、ウェールズという見慣れない地方の手つかずの自然を堪能できるのもいいです。これは同じ英国の『シェトランド』も同じことが言えます。

エピソード中に登場する部屋も、赴きがあって素敵です。ローソクだけの部屋がありましたが、無造作の中にもセンスが光っていました。そういえば、マサイアスが住んでいるのは、人里離れた海辺(というかビーチの上)の手作り風の家。次シーズンは引っ越し、または立て直しを余儀なくされることになりますが。

 

『新米刑事モース』シーズン3後半 WOWOW

f:id:misasa104:20161224211529p:plain
https://itvstudios.com/programmes/endeavour

シーズン3の前半の放送は思いがけず早かったのですが、後半はなかなか放送されませんでした。待ちくたびれました。

今シーズン、女性の新人巡査が加わりました(とここにも書きました)。前半が終了したところで、きっとモースとの絡みがあるのでは、と想像していましたが、彼女は自分が美しいことを何かに使う気はなさそうです(今のところ)。

 

海外ドラマ Netflix『ナルコス』シーズン2

やっと、やっと終わったーという感じです。ストーリーをシーズン2まで引っ張ったことでつまらなくなるのでは?と心配していたのですが、そうはなりませんでした。充分エキサイティングな内容だったと思います。

以下、少々ネタバレ含みます。 

f:id:misasa104:20161108123222p:plain
https://www.netflix.com/jp/title/80025172

今シーズンもまた、スティーヴ・マーフィー(ボイド・ホルブルック)の冷めたナレーションは続きます。


マーフィーと仕事のパートナー、ハビエル(ペドロ・パスカル)は、固い結束がありましたが、少しずつずれが生じてきているようでした。長い間耐えてきたマーフィーの妻コニーは、アメリカへ戻っています。

マーフィーから離れていったのは、コニーだけではありませんでした。ハビエルは、エスコパールがなかなか捕まらないことに業を煮やし、LosPepes(エスコパールの追い落としを目的とした闇グループ)に協力したいという欲求が強くなってゆきます。そして密かに一人行動に移すことに。

このことは後に道徳的なジレンマを生み出すことになるのですがー。もともと、ハビエルの放蕩的ライフスタイルは、マーフィーとは一線を画していたようにも思います。


そして、ヴァグネル・モウラの演じるエスコパールは、プレッピー風のセーターに身を包み、優しい夫や父親の顔を見せるその一方で、偽善的で傲慢なシニシズムを持ち、残忍な行いを繰り返します。それは情け容赦のないものでした。

 

実はあまり期待しないで見ていたのですが、結局シーズン1同様、嵌ってしまいました。ドラマとしては非常に面白かったです。しかし、エピソード中に散在する色褪せたリアルなニュース映像が、これは完全なフィクションではないと訴えます。


冒頭、やっと終わった、と書いたんですけれど、シーズン3と4が制作されるらしいですね。次はカリ・カルテルを追うことになるのでしょうか。

 

http://www.tvgroove.com/special/article/ctg/225/tid/829.html

主演の二人ペドロ・パスカルとボイド・ホルブルックのインタビューが掲載されています。かれらは、自分たちが演じている人物たちと実際に会い、今でも連絡を取り合っていると書いてあります。彼らの俳優としての真摯な姿勢がうかがえます。

 

関連日記:

海外ドラマ Netflix 『ナルコス』

 

海外ドラマ『セカンド・チャンス』

FOXテレビで放送していたのを、毎週見ていました。楽しく見ていたんですけれど、シーズン1で終了のようです。以下ネタバレ含みます。

 

f:id:misasa104:20161016135059p:plain
http://www.fox.com/second-chance

主人公はジミー・プリチャード。彼は年老いた元保安官で、スキャンダルで失脚し、現在は酒や女性に明け暮れています。

彼がFBI捜査官の息子デュバル(ティム・ディケイ)宅で不注意にも強盗を目撃したことから、彼らの手にかかって殺されてしまいます。しかし、彼はオットー・グッドウィン(アダー・カリヤン)と双子の姉メアリー(ディルシャッド・ヴァザリア)によって復活します。

ジミーを生き返らせた姉弟は、ソーシャルメディア・プラットフォーム「ルッキンググラス」の共同創設者で、最新テクノロジーを使い、ジミーを遺伝子上のベストバージョンの肉体を持つ若者(ロバート・カジンスキー)へと戻します。なぜなら、末期がんのメアリーを救うのに、ジミーの血が必要だったからです。

 

彼の生き返りは先端技術によるもの(という設定)だったので、ファンタジー感はあまりなく、受け入れやすかったです。キャスティングも『ホワイト・カラー』のディム・ディケイ以外は馴染みのある役者は見つからず、それがかえって新鮮に思えました。

ジミーは息子と事件の捜査をすることになり、父子の交流を深めていくことになります。けれども、一方で家族愛を描き、その一方では悪者を退治するというスクリプトは、うまく働いていないようでした。多くを詰め込み過ぎて、中途半端になってしまったという感じです。

私は双子が創ったAIのオーサー(author)が好きでした。ロボットのような機械的な声ではないアバターが可愛いかったです。だから、ここに貼る写真もオーサーにしておきます。

  

映画『スター・トレック BEYOND』

大好きなシリーズです。とは言っても、このシリーズの歴史は長いですが、私が本格的に見たのは、J・J・エイブラムスの『スタートレック』からです。

私が若い時、同僚にスタートレックファンの斎藤さんという人がいて、彼はこのシリーズが大好きで、大変リスペクトしていました。今、彼がどうしているかはわからないのですが、この新シリーズを見て喜んでいることは間違いないと思います。

 

f:id:misasa104:20161030095646p:plain

http://www.startrek-movie.jp/

今回の作品は、リブート版の第3弾です。クリス・パインのカーク船長、ザカリー・クイントのスポックがすっかり板についたという感じです。

 

今回は、かなり最初のほうから、クライマックのような迫力とめまぐるしい危機感で、私は強張って見ていました。なので、そのあとのスコット(サイモン・ペッグ)のコミカルなシーンに癒されことは言うまでもありません。

 

悪役を誰が演じているのか、最初はわかりませんでした。いかにも悪役という姿で登場します。顔はわからないけれど、どこか聞き覚えのある声、誰かしらと思っていたら、この1つ前に書いた『ルーサー』のイドリス・エルバだったんですね。悪役の持つ哀愁の表現が彼らしい。悪役ながら素晴らしかったです。

今回はアクションだけでなく、ドラマチックな脚本になっていました。信頼や友情といったものが色濃く描かれていて、クルーが家族になったようでした。

 

最初のスポックであるレナード・ニモイ、若くして事故で亡くなったアントン・イェルチンへの追悼で感傷的になりました。特にニモイを悼む演出には誰もが心打たれたのではないでしょうか。スタトレ新参者の私でさえ、ウルッときました。

また、アントン演じるチェコフにずいぶんとスポットが当たっていました。これはあとから編集し直したんでしょうか。作品の中では、元気で活躍していて感慨深かったです。