misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ『THE BRIDGE/ブリッジ』シーズン4 そしてオーレンス橋

前の日記に書いたんですが、先月娘とデンマークスウェーデンフィンランドの3カ国をめぐる北欧旅行に行ってきました。旅行2日目、コペンハーゲンからスェーデンに渡り、その帰り道に『THE BRIDGE』の舞台になっているオーレンス橋をバスで渡ってきました。この橋はデンマークの首都コペンハーゲンスウェーデンのマルメを結んでいるんですが、どうしてもマルメからコペンハーゲンへ渡りたくて、ぐるっとまわってマルメからバスに乗りました。旅行記に書いたので、よかったら見てください。
mina66.hatenablog.com


さて、ドラマはついにファイナルシーズンが終了しました。旅行から帰ってから、最終エピソードを見ました。以下、ネタバレ含みます。
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Bron | SVT.se
サーガは制限された環境に対処していましたね。なんとなく想像はしていたものの、その姿は痛々しいものでした。ちょうどその頃、政治的な問題に直結しそうな儀式的な殺人事件が起きます。犠牲者は、デンマーク入国管理局の局長マーガレテ・トアモウ。イラン人の追放訴訟で勝利したことをシャンパンで祝っている映像が流れたあとスキャンダルに巻き込まれます。

そのひどい殺人はほんの始まりでした。イランの反体制派のタリリックが、コペンハーゲンのゲイバー・ネットワークの助けを借りてマーガレテの追放命令をなんとか回避しようとしたり、スウェーデンの左派勢力グループ、レッドオクトーバーによるネガティブ・キャンペーン、薬物中毒で残忍なタクシー運転手の妻と息子の失踪など、事件はいくつものイベントが交錯し、複雑になってゆきます。

サーガは刑務所内で襲撃されましたが、どうにか生き残りましたね。まさかここで死んでしまうとは私も思っていませんでしたが。その後、刑事に復帰できるかどうかの評価テストを受けて、彼女は復職します。サーガはヘンリックの依頼で、コペンハーゲンでマーガレテ殺人捜査に参加することに。

彼女はチームに入ってすぐに、壁にあるすべての写真と情報を自分好みに並べ替えます。サーガが唯一困惑したのは、コペンハーゲン警察署のフリーアドレス制のようでした。数日後にサーガは自分専用の机を持ち込みます。

サーガが自分のアパートを借りるまで、ヘンリックはサーガに自宅の鍵を渡します。彼らの距離がさらに縮まったことで、サーガは行方不明になっているヘンリックの妻子について再び関心を寄せ、彼女は自分で調査を開始します。


10代の姉妹が通行人のバッグから銀のスマホを盗むのを私たちは目撃します。彼女たちの盗んだスマホはマーガレテ殺人に関連して使われていたことがわかりました。二人は尋問のためコペンハーゲン警察に連行されます。はい、私はストリードチルドレンのジュリアとイーダを見て、これはもしかしたらヘンリックの娘たちでは?と思ったのですが、実際は違いました。ヘンリックは後に、もし自分の子だったら見た瞬間にわかると言っていました。

施設に預けられなかった彼女たちを一晩だけヘンリックの自宅に泊めたエピソードは、心温まるものでした。けれども、彼女たちがその後にしたことはヘンリックを落胆させます。

今シリーズで最も驚いたのは車中でサーガがヘンリックに放った一言です。まるで今朝何を食べたかを話すくらいの感じで妊娠していることを告げました。そのときのヘンリックの顔といったら。ショックから立ち直り、まず確認したのは、自分が父親なのかどうかということでした。サーガの返答は「この2年間はあなたとしかしていない」。

サーガは子育てには向いていないけれど、ヘンリックが育てればいいじゃない?サーガは母性はないかもしれないけど、母親としてやっていけるんじゃない?とか私は思うわけです。期待してしまいましたけれど、そうはなりませんでした。なぜなら、サーガがヘンリックに恋をしてしまったから。「恋をしている」というサーガに、ヘンリックは「そんなはずはない」と反論します。ヘンリックは冷たいように思うかもしれませんが、サーガがしたことへの怒りと喪失感はよく理解できます。


シリーズの最終エピソードはハラハラさせられました。最後に橋の上でふっきれたようなサーガの横顔が印象的でした。また10年後とかに再開してくれないかなぁと思います。


ほかの北欧ドラマをいくつか紹介します。
『ボーダータウン 犯罪が眠る街』Netflix
フィンランドとロシアの国境付近の田舎町ラッペーンラッタという町が舞台です。ひょろっとした中年刑事が主人公。途中まで見ました。
『DEADWIND: 刑事ソフィア・カルピ』Netflix
女刑事ソフィア・カルピは、ヘルシンキにあるゼネコンと関わりを持つ女性が殺された事件の捜査にあたります。1話のみ鑑賞済み。
『BELOW THE SURFACE 深層の8日間』スーパー!ドラマTV
先週から始まったコペンハーゲンのドラマ、面白くなるでしょうか。

海外ドラマ Hulu『トンネル -復讐の執行人』

この「トンネル」は、世界的にヒットしたデンマーク&スウェーデンのドラマ「THE BRIDGE/ブリッジ」(現在スパドラでS4を放送中)を英仏でリメイクしたものです。リメイクはアメリカ&メキシコでもされています。 

さて、こちら「復讐の執行人」はシリーズ第3弾でもあり最終章でもあります。このシリーズを未見のわたしは、先にS1とS2を見たいと思ったんですが、Huluでは放送が終了していました。ちなみにS1のサブタイトルは「国境に落ちた血」、S2は「サボタージュ」で、各エピソード数は10、8、6となっています。

以下、犯人には触れていませんが、ストーリのネタバレはあります。

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トンネル -復讐の執行人| Hulu(フールー)

S1ではオリジナル版の"橋"が英仏をつなぐドーバー海峡"トンネル"に替わっただけで、ストーリーラインはコピーされていたようです。そして、コンビを組むのはイギリスのベテラン刑事カール(スティーヴン・ディレイン)とフランスの女刑事エリーズ (クレマンス・ポエジー)。

前シーズンを見ていなくても、二人の関係がどんなものなのかが想像できてしまうのは、「ブリッジ」を知っているからでしょうか。

 

イギリス海峡沖でフランスの漁師船で火災が発生し、そこには子どもがいた痕跡が残されていました。同じ頃、英仏海峡トンネルでは、何者かによって大量のネズミが故意に放出され、フランス人のメンテ作業員が襲われます。 

さらに、英国の中産階級の家から3人の子どもが消える事件が起きます。その後、3人は帰ってきたと思われましたが、行方不明の子どもたちのベッドで眠っていたのは、全く知らない難民の子らでした。

 

今シーズンは他のヨーロピアン・ドラマで定番になりつつある難民・移民問題がテーマの一つになっています。まだ先は長いと思って見ていたら、いきなり危機的状況になり、カールは到底不可能な選択を強いられることになります。ちょっと驚きの結末です。

 

最近、アマゾンでたまたま見たフランス映画『あしたは最高のはじまり』でクレマンス・ポエジーを見つけました。可愛らしい女性ですが、このドラマではそれを封印し、人間付き合いが苦手で不器用な役をこなしていました。「ブリッジ」のサーガほど変わった人というイメージはありませんでしたが、それがまた良かったように思います。 

そもそも、このドラマを見ようと思ったのは、英ドラマという以外にスティーヴン・ディレインを見たかったから。彼は『ゲーム・オブ・スローンズ』でスタニス・バラシオン役を演じていた人です。良くも悪くも、強く印象に残るキャラでした。後のインタビューで、彼はスタニス役を演じたことを後悔したと言っているんですね。まぁ、わかるような気もしますが、海外での知名度はあがったのではないでしょうか。

 

来月はまた娘と旅行に行く予定を立てているので、今はそちらの下調べをしなくちゃと思っています。とは言っても、たいしたことはしないんですけれどもね。9月に休みをとるため、8月は休まず仕事です。お盆は通勤電車がすいていて良いですね。

 

BBC 料理コンテスト『ブリティッシュ ベイクオフ / The Great British Bake Off』シリーズ4

ブリティッシュ ベイクオフ(ブリベイ)は2010年の放送開始以来、イギリスで絶大な人気を誇るテレビシリーズです。イギリス人なら知らない人はいないのではないでしょうか?

日本でも見れると知り、わたしが検索したときはすでに放送が終了していました。その後ツイッターで、シリーズ4の再放送を知り、さっそくDlifeで見てみることに。

そして毎週この番組を見るのが楽しみになりました。お菓子作りにまったく興味のない、私と娘を夢中にさせたシリーズです。

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ブリティッシュ ベイクオフ|【全国無料のBSテレビ局】Dlife/ディーライフ公式

 

ブリベイとはイギリス全土からケーキやパンなどのベイキングに自信のある一般から選ばれた参加者(ベイカー)が腕を競い合う、笑いあり涙ありの料理コンテストの番組です。

司会進行はコメディアンのスー・パーキンスとメル・ギエドロイクの女性二人です。彼女たちは、ベイカーたちが料理をしている間、彼らを励まし、緊張をほぐすための笑いを提供します。審査員は料理研究家メアリー・ベリー(おばあちゃん)とシェフのポール・ハリウッドが担当します。

各エピソードで、ベイカーは3つの課題に挑戦します。

(1)オリジナルチャレンジ
この課題は、ベイカーが友人や家族のために作ったレシピを使います。それぞれが前もって予習をしてきているようです。

(2)テクニカルチャレンジ
事前に何を作るのは知らされておらず、会場で与えられた簡単なレシピ(温度や焼く時間などが省かれています)と材料で作成します。

(3)マスターピースチャレンジ
事前に用意したレシピで、各ベイカーがスキルと個性を競います。優れた見た目と味が求められます。

これらのチャレンジは、2日間にわたって行われます。毎週、ベイカーは審査されて、その週で最も優秀だった人が「スターベーカー」の称号を得、最も評価が低かった1~2名が脱落していきます。最後のラウンドでは、3名のベーカーが残り、その中から優勝者が決まります。

 

今までに見たことも聞いたこともないようなケーキやパイ、菓子パンなど、その作成工程を見るのは思いのほか、楽しいです。また、ベイカーたちの様々な顔を見れるのも魅力です。イギリスで絶大な人気がある理由がわかります。

 

続けて、シリーズ5が7月2日(月)20:00からスタートします。ぜひお見逃しなく。#途中から見ても楽しめますよ!

ブリティッシュ ベイクオフ シーズン5|情報・バラエティ・その他|Dlife/ディーライフ公式

夏に向けて、少し痩せなくちゃね、と思っているのに、これを見ると無性に小麦粉のお菓子が食べたくなってしまうんですよね。 わたしは作らず、もっぱら買って食べるだけなんですが。

海外ドラマ『ホームランド』シーズン7

ワールドカップ、日本チームは頑張っていますねー。私はあまりサッカーには詳しくはないんですが、応援しています!

さて、『ホームランド』ですが、FOXで毎週見ていました。シーズン8で終了らしいので、これが最後から1つ前のシリーズになります。毎週録画して見ていたんですが、最終話は違う番組(リゾーリ&アイルズ)に変更されていたので少々焦りました。でも大丈夫、Huluで見れました。

以下、少々ネタバレ含みます。

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HOMELAND シーズン7|FOX|FOX ネットワークス

昨シーズンの終わりに、キーン大統領(エリザベス・マーヴェル)は、ソール(マンディ・パティンキン)を含む諜報機関のメンバー200人を、クーデターに関与したとして投獄しました。

シーズン7では、キャリー(クレア・デインズ)はホワイトハウスの仕事を辞め、姉マギー(エイミー・ハーグリーブス)の家に、娘と住んでいます。キャリーは得意のスパイ活動(テロリストにではなく、自国の政府に対してですが)をしています。

 

以下、感想です。

①フラニ

姉のマギーと喧嘩し、興奮してフラニーを連れて家を飛び出したキャリーはモーテルに行くんですが、カードが利用できず部屋を借りれませんでした。そんな路頭に迷った親子を救ったのはダンテでした。

ダンテの家に入れてもらい一安心するも束の間、キャリーはダンテと言い争い(何が原因だったか、もはや覚えていないんですが)を始めます。キャリーはいつもの剣幕でダンテに詰め寄りますが、それを見ていたフラニーは可愛いらしい声で母親を呼び、ダンテから引き離します。そしてキャリーにきっぱり言います。

"Don't !"

母親よりも自分たちが置かれている状況をきちんと理解しているフラニー。不遇な環境に置かれることが多かったのにエライ!

②キーン大統領

今シーズンの脚本を書いていた時点で、アメリカの次期大統領がクリントンになることを想定していたのかしら、なんて想像して見ていました。女性大統領としてのキーンは感情的・自己中心的で、魅力に欠けていました。わたしとしては、ジェンダーステレオタイプを覆すような描き方にしてほしかったなぁと思います。

③ダンテ

ダンテが逮捕される絶妙なタイミングは、まさに『ホームランド』らしいと感じました。これを見ていたら、シーズン3でブロディが捕まったときのことを思いだしました。わたしは、こういうプロットがどうも好きになれません。

ダンテは確かにアメリカを裏切りましたが、その代償は大きかったですね。彼が最後にキャリーに電話で告げたことは、良心から来るものだったと思います。

④キャリー

キャリーの双極性障害に関するスレッドは今までに何度も繰り返されているので、つい「またか」と思ってしまいます。そして、クレア・デインズの演技が少々過度に見えるのはわたしだけでしょうか。

彼女しかできない「重要な」仕事のせいで、娘や姪を危険にさらしたり、PCをハッキングされたり、ミスも目立つようになってきました。

また、ダンテの尋問中にしかけた罠に対しても、ほとんど責任を感じていないようでした。大儀のためには犠牲をも厭わないというのもわかりますが、どんどんエスカレートしてきているように感じます。

 

とかいいつつも、わりと楽しんで見ていたんですが、終わってみると、結局何の話しだったんだっけ?という感じ(単に集中力の欠如かもしれません)になってしまいました。最終シーズンまで見届けたいと思います。

関連記事:

海外ドラマ Showtime『ホームランド』シーズン6

海外ドラマ Netflix『女刑事マーチェラ / Marcella』シーズン2

ロンドン旅行のあとに書いた日記で、『マーチェラ』のシーズン2が本国で放送されていると書いたんですが、ついに日本でも見れるようになりました。まぁまぁ早いのではないでしょうか。

シーズン1が2016年の夏ころだったので、約2年ぶりです。前シーズンの日記にも書いたのですが、北欧ドラマ『THE BRIDGE』のクリエーターであるハンス・ローセンフェルトが、脚本・監督をしています。ですので、イギリスドラマにもかかわらず、北欧ノワールっぽいシリーズになっています。

 

ちょっと脱線しますが、『THE BRIDGE』は7月下旬に最終シーズンがスパドラで放送されるようです。いよいよ最後と思うと寂しいですね。

THE BRIDGE/ブリッジ シーズン4:スーパー!ドラマTV

 

以下、犯人には触れていませんが、ストーリーのことは書いています。

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女刑事マーチェラ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト 

マーチェラ(アナ・フリエル)はイギリスの刑事です。このシリーズでは、マーチェラの警察の仕事と私生活が描かれ、それらがツイストします。

ビルの屋上のオープニングシーンで、マーチェラは暗い場所にいることがわかります。彼女がなぜそこにいるのかを見るために、物語は2週間前に巻き戻ります。そして、彼女の身に起きたことを知れば、想像したよりもっと暗い場所にマーチェラがいたことがわかります。

 

彼女には、2人の子ども、エマ(姉)とエドワード(弟)がいます。彼らの父親ジェイソン(ニコラス・ピノック)とは既に離婚をしています。マーチェラは、元夫に暴力を振るうことがありますが、彼女はまったく覚えていません。シーズン2では、そのことを最終的にジェイソンに認めます。そして、彼女は催眠術師と治療を開始し、ブラックアウト中に失った記憶を回復しようと試みます。そもそも、ブラックアウトするきっかけとなったのは、3人目の子ども、娘がまだ赤ちゃんだったときに亡くしたことでした。

シーズン2になると、ジェイソンはベッキー(ヨランダ・ケトル)という若くて美しい女性と付き合っています。彼は子どもたちの単一親権を求めており、子どもを連れて、ベッキーと共に転勤先のシンガポールに行きたいと考えています。

#ジェイソンにどんな魅力があるかわからないんですが、前シーズンでもそうだったけど、すぐに美しい女性と付き合えるという・・、いいんですけれどね。

 

そして仕事のほうでは、少年の殺人事件を捜査することになります。殺人事件を解決するまでには、何人かの容疑者、多くの手がかりを得ますが、それはときに誤った捜査、間違った推理をもたらします。それでも、エピソードごとに新しい事実が発覚し、いくつかのサブプロットによって何が起こっているか興味深いヒントを与えられます。

容疑者には、小児性愛者、金持ちの男性、往年のロックスター、社会に順応できない兄妹などが含まれていました。

#わたしは最後まで犯人がわからなかったです。でも振り返ってみると、確かに伏線はあったなぁと思います。

 

催眠術の治療の過程で、マーチェラはいくつかの手がかりを得ます。そして、最終的には、シーズン1で描かれていたことの答えを見つけることができます。また、記憶をロックした原因になった、娘の死についても明らかになります。それはむしろ知らなかったほうが良いことだったのかもしれません。

 

シーズン3があるのを期待しています。あるとしたら、マーチェラの上司で、個人的にも付き合っていたティム(ジェイミー・バンバー)についての言及も含めてほしいです。そして、何よりもマーチェラの今後が気になります。次シーズンで彼女が何になるかは想像できますが、どういった展開になるんでしょう。

 

#今回、ポニーテールの結ぶ位置が一段と上がってきたなぁと思っていたら、最終エピソードのあのシーンのためだったんでしょうか。それにしても、最後に彼女がしたことはどういった心理だったんでしょう。コワイ!

 

関連記事:

海外ドラマ Netflix『女刑事マーチェラ/Marcella』

海外ドラマ Netflix『エイリアニスト / The Alienist 』

このシリーズは豪華キャストが共演していることで、公開される前から話題になっていました。なので、公開と同時に見始めたんですが、最後まで見るのに時間がかかってしまいました。なぜなら、このドラマを見始めると必ずといっていいほど、寝落ちしてしまったからです。それで1話を何日もかけて見たりしていたんですが、しばらくは見るのをやめていました。

物語としては昨年の『マインドハンター』と少し似ているかもしれません。マインドハンターは1970年代でしたが、こちらは更に1896年にまで遡り、現代の犯罪学の起源を探ります。ゴージャスでゴシック様式のコスチュームは『リッパー・ストリート 』のよう、そして街の雰囲気は『The Knick』のようです。

また、『マインドハンター』でもそうでしたが、実在の人物と架空のキャラクタが混在して出てきます。たとえば、セオドア・ルーズベルト(大統領になる前の警察本部長として)、J.P.モルガン(モルガン財閥の創始者)やビフ・エリソン(ギャングのボスらしい)など。さらに『リッパー・ストリート 』(1889年)のアメリカ人外科医ホーマーが試みたように、ここでも革命的な新技術として指紋法などを取り入れる姿が描かれています。

ね?もろ好みって感じがするでしょう?でも、見ていると寝てしまうんですよねー。疲れているだけでしょうか。

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エイリアニスト | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

シリーズは、ウィリアムズバーグ橋の建設現場で、まだ少年の女装した男娼の遺体が発見されたことから始まります。殺人事件のニュースを聞きつけると、精神科医ラズロ・クライズラー(ドイツ出身のダニエル・ ブリュール)は、友人でニューヨークタイムズイラストレーター、ジョン・ムーアルーク・エヴァンスを現場に出向かせます。

ムーアは夜間活動(売春婦とのロールプレイング!)から引き離され、殺人事件へ向かいます。ムーアから入手したイラストを見たクライズラーは、自分の患者であった少年とその妹が殺された事件を思い出し、同一犯の仕業だと確信します。

 

新たに警察本部長に任命されたセオドア・ルーズベルト(ブライアン・ジェラティ)は、当時の腐敗した警察体質の改革を望んでいる唯一の公務員です。殺人犯が再び凶行に及ぶ可能性が高いと考えた彼は、クライズラーたちに秘密裏に調査することを許可します。ルーズベルトとクライズラー、それにムーアはハーバード大学時代からの友人でもありました。

#シャーロックホームズのように警察外部への捜査協力はフィクションではよくあることです。シカゴPDで降板したブライアンがルーズベルトをしていて嬉しくなりました。PDのときにはすごく若いと思っていたのですが43歳なんですね。

 

クライズラーはチームを組み立て、本格的な捜査に乗り出します。チームに参加するのはハンサムな友人ムーアとサラ・ハワードダコタ・ファニング、大人になりましたね)。サラは、初のNYPDの女性職員で、ルーズベルトの秘書をしています。彼女はタイプライターで書類を作成するよりも、刑事のように事件を追うほうが合っているようです。当時のこれ見よがしの女性ハラスメントにも動じず、自宅でコルセットをはずした後、優雅にタバコを吸っているような女性です。そして双子だけれども全く似ていない捜査官、アイザックソン兄弟(ダグラス・スミスとマシュー・シアー)によって、最先端の法医学専門知識が提供されます。 

#チームメンバー、一人ひとりを見れば、かなり魅力的です。こんなチームで仕事がしたいものです。

素敵なんだけれど、キャラクタの魅力が最大限に引き出せていない気もします(ってかなり上から目線です、すみません)。自分を知ることが大事なのはわかりましたが、それぞれが辛かった過去に向き合うために時間を費やします。#それってそんなに必要なことだったんでしょうか?

私は、どこかミステリアスで静かなメイドのメアリー・パーマークオリアンカ・キルヒャーが好きでした。彼女は話せないので誰とも対話はしませんが、他のキャラクタがする散文的なスピーチや独白よりも、彼女の表情のほうがずっと奥深い情感が伝わってきました。#皮肉ですねー!

 

関連記事:

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海外ドラマ『リッパー・ストリート』シーズン3まで
海外ドラマ Hulu『The Knick/ザ・ニック』

 

海外ドラマ Hulu『ヒューマンズ』

このドラマ『ヒューマンズ』が、アンドロイドを描いたものということくらいは知っていました。それで、SFが少々苦手の私は避けていたんですが、ついに見たいクライムドラマがなくなり、Huluのポータル画面のスライドショーにあった(新しくシーズン2が配信となったから)『ヒューマンズ』を見てみることにしました。

いつもながら、何も知らずに見たわけですが、アメドラと思い込んでいたら、舞台はロンドンでした。それで俄然興味が湧いてきました。私のイギリスドラマに対する信頼は高まっているようです。実際、見始めたら、ほんとうに途中でやめられなくなりました。このドラマに入り込んでしまうと、思いがけず泣いてしまうことがあるかもしれません。

 

調べてみると、これはスウェーデンドラマ『Real Humans』をリメイクしたものだということがわかりました。そして、ハラハラ緊迫するシーンはまるで『MI-5 英国機密諜報部』みたいだなぁと思っていたら、脚本がMI5を担当していた人と同じなんですね。

 

ドラマの中心は 「シンス」と呼ばれるアンドロイドで、これが素晴らしく良く出来ています。何人かの人間とシンスが同じフレームに収まっているシーンでも、どれがシンスなのかは一目瞭然です。

スェーデン版のトレーラーをYouTubeで見たのですが、オリジナルのほうがアンドロイドの見た目が作り込まれていて、よりSFっぽく感じました。こちらの英国版は、シンスが絶妙に人間らしく作られています。

これは、可能な限り人間に近づけた近未来ロボットというコンセプトなのかもしれません。さらには、シンスの言動もさもありなんと思えるのだから、いかによくできているか想像がつくでしょう?私はSFを見ている気がしませんでした。

以下、少々ネタバレ含みます。 

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Humans - All 4

弁護士のローラ(キャサリン・パーキンソン)が仕事で家を空けている間、夫のジョー・ホーキンス(トム・グッドマン・ヒルは、家事の手伝いと3人の子どもの世話のため、人間型AIロボット"シンス"を購入します。ローラが常々「シンスは子どもの教育によくない」と口にしていたにもかかわらず、です。

ローラが出張から戻ると、シンス(ジェミマ・チャン、魅力的です)がいて、家の中がきれいになっていることに驚きます。そればかりか、末っ子の娘ソフィー(ピクシー・デイビスが自分の知らないシンスに懐いていることにショックを受けます。ティーンエイジャーの長女マティー(ルーシー・カーレスはローラとは別の理由で、シンスに対して良い印象を持っていませんが、マティの弟トビー(テオ・スティーブンソン)は、一緒に暮らす魅力的な女性を持つことに興奮します。

その後、家族で話し合った結果、とりあえず使ってみて、ダメなら返品しようということになります。そして、シンスの名前をアニータと決めました。

 

謎の青年レオ(コリン・モーガン『魔術師マーリン』いい味出してます)とマックス(アイヴァン・ジェレマイア)は離ればなれになった仲間を探しています。マックスはシンスなんですが、どこかシンスらしくありません。

フラッシュバックシーンでは、レオたちが森の中にいたとき、いくつかのシンスが何者かに拉致されてしまいます。その後フレッド(シンス)は、シンスが人間的な性質を持つことを恐れている科学者グループによって検査されます。そして、アニータ(そのときの名前はミア)はリサイクルされたようです。

 

一方、ロンドンの別の場所では、かつてはシンス開発に携わっていた元科学者ジョージ・ミリカンウィリアム・ハート、役にぴったり)が、壊れている旧式シンスのオディ(ウィル・テューダー、素晴らしい!)を大切にしています。なぜなら、オディは、今は亡き妻のことを思い起こさせてくれる唯一の存在だからです。確かにオディは妻との思い出を記憶領域に保存しています。

しかし、地元の保健機関は古いシンスを回収し、無料でアップグレードするといいます。ジョージは新型モデルの介護用シンスレベッカ・フロント『ルイス警部』)を受け入れたものの、オディが廃棄されないよう彼を隠します。

 

私は、今シーズンの最初と最後とで、中産階級のごく普通の家族ホーキンス一家に寄せる印象が変わりました。それは、はい、より良いほうに。いくつか謎や疑問が残っていますが、それは次シーズンで解消されるでしょうか。

現在、シーズン2がHuluで週1配信されています。引き続き、私も見るつもりです。