スェーデン小説『三秒間の死角』が面白い
『三秒間の死角』上下 アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム 角川文庫
スェーデンの小説です。翻訳小説で何を読もうかと迷ったらこれです!とにかく面白いです!文庫の裏表紙に書いてあるあらすじの通り、潜入捜査員パウラが麻薬組織を潰すために刑務所の入るのですが、別の理由で切り捨てられてしまうという内容です。
読んでいるときは、刑務所内での麻薬の常用や殺人など、よく考えられたフィクションね、と感心していたのですが、作家コンビの一人ヘルストレムは元服役囚(と巻末に書いてあった)と知り、それで急にリアリティが迫ってきました。いやはやこれがリアルなら、すごいセカイですね。日本では考えられないと思うのでけれど。
もう一人の主人公、くたびれているけれど頑固であきらめないストックホルム市警の警部エーヴェルト・グレーンス。私はデンマークとスウェーデンの合作ドラマ『THE BRIDGE/ブリッジ』に出てくるデンマークの刑事をイメージして読んでいました。前半は彼の哀愁がこれでもかというくらい描かれていて少々もたもたするのですが、後半パウラが刑務所に入ってからは話が怒涛のごとく進んでいきます。
下巻に入ってからは、通勤途中と昼休みでほとんど読んでしまいました。なるほど、この題名の由来はこれなのね!と興奮しました。最後の終わり方も好感持てましたし、次回作を楽しみにしたいです。
・・とはいえ、北欧の人の名前は難しいですね、、、なかなか登場人物の名前が覚えられません。ちなみに作家コンビの名前を声に出して読んでみてください。ね、大変でしょう?