『巨大訴訟』ジョン・グリシャム

ジョン・グリシャムといえば、リーガル・サスペンスの巨匠と言っていいと思います。今まで数々の作品が映画化されてきました。

有名なのはトム・クルーズの『ザ・ファーム 法律事務所』、ジュリア・ロバーツの『ペリカン文書』、マシュー・マコノヒーの『評決のとき』でしょうか。マット・デイモンの『レインメーカー』もありました。『ザ・ファーム』はドラマ化もされて、映画のエンディングの10年後を描いた作品でした。本国では視聴率が伸びなかったのかシーズン1で終わってしまいました。 

グリシャムの作品は主人公が裁判を通して成長するという話しが多く、この作品も主人公デイヴィッドの成長物語になっています。ただ今までの作品と違うのはこのデイヴィッドはハーバード・ロースクール出で家柄も代々法曹家というエリート弁護士なんです。超大手の法律事務所に所属していましたが、ある朝通勤途中で「心が折れて」、会社から逃亡、1日中バーで飲んだくれて、小さな弁護士事務所にたどり着き、そこで薬害を巡る巨大訴訟の法廷に立つことになる、という話しです。

ここまで書くとなんとなく結末が想像できてしまいそうですが、そうはなりません。薬害裁判の被告たちの描き方は結構シニカルだし、弱小事務所のオスカー、ウォリーは弁護士であること以前にいろいろ問題ありなんですが、そこもグリシャムならではの表現かもしれません。その中でも原告側弁護士ナディーン・キャロスやデイヴィッドの妻ヘレンといった女性たちはどちらも素敵に描かれていて良かったです。

 

本を読んでいると「さては映画化を狙ったわね」という箇所が随所に出てきて、映画になったら誰をキャスティングすべきかと真剣に考えました。その後ネットで調べてみると、映画化されるとか、されないとか。もちろん公開されたら映画館に足を運ぶつもりです。楽しみです。

巨大訴訟(上) (新潮文庫)

巨大訴訟(上) (新潮文庫)

 
巨大訴訟(下) (新潮文庫)

巨大訴訟(下) (新潮文庫)