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小説『猟犬』ヨルン リーエル ホルスト

翻訳小説

北欧ミステリの最高峰「ガラスの鍵」賞、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の3冠を達成した本です。ポケミスではノルウェー作家の作品は過去1960年にあり、本書が2作目となるそうです。


オスロの南のラルヴィックという小さな街の警察署に勤務するベテラン捜査官、ヴィリアム・ヴィスティング。ある日、ノルウェー最大のタブロイド紙で事件記者をしている娘リーネから電話がかかってきます。「セシリア」事件で証拠としたDNA鑑定は警察の捏造で、それがスクープとして翌日の朝刊に父親の写真付きで大きく報じされるというのです。

当時事件捜査の責任者だったヴィリアムは上司に謹慎を言い渡されてしまい、独自に事件を見直すことにします。過去の膨大な捜査資料をめくり、記憶を手繰りながら、丹念に検証を進めてゆきます。

その捜査資料は理路整然と詳細に記述されているように見えます。その中に埋もれているほころびを探し、文章の行間を読もうとするヴィリアム。刑事としての本能では犯人が少女たちを殺したと言っているのですが・・。


凝ったエンタメ的な出来事はなく、どこまでもリアル(これを書いたとき著者は現役の警察官だったというのですから納得です)で、堅牢な本格ミステリという感じ。父をサポートする娘の行動力もあっぱれです。読み出したら面白くて、通勤の電車でもランチでも本が手放せませんでした。

舞台は先日ここに書いた『瘢痕』に続くオスロ、今回は地名がたくさん出てきたので、ストリートビューで散策してみました。これが思った以上に楽しい。

本作は、ヴィリアム・ヴィスティング捜査官シリーズの8作目ということなんですが、他の作品もぜひ読んでみたいです。

 

猟犬 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

猟犬 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)