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『他人の墓の中に立ち』イアン ランキン

本書はリーバス警部シリーズの19作目なんだそうです。スコットランドエディンバラを舞台に活躍するリーバス警部の小説で、調べてみると本国では2000年~2007年の間シリーズ4までドラマ化もされていました。そんなシリーズものとは知らず、図書館の新作リストから選んだのがこの本でした。シリーズの最新刊です。

題名は著者と同郷で友人だった歌手ジャッキー・レヴィン(Jackie Leven)の曲からとっていて、本書自体も2011年に逝去した彼に捧げられているのだそうです。

長く続いていることからも想像できる通り、リーバスは定年になっていますが、今は捜査員として過去の迷宮入りした事件を調査しています。そんな彼の前に1999年に失踪した娘を諦められない母親に会うことをきっかけに、連続女性失踪事件にのめり込んでいきます。

読み始めてすぐ、私ものめり込みました。シリーズのほかの作品を読んでいなくても大丈夫です。ミステリー小説を読んでいて時折出会う、何かにつき動かされるように真相解明に情熱を注ぐ刑事がここにもいました。上司の言うことをきかず、人間関係で摩擦が起きようとも、寝る間も惜しんで彼は行動を起こします。

人物描写も細かく、それでいてわざとらしくなく、本当にいそうな人ばかり。彼に協力する元同僚(だと思う)で現役の刑事シボーンとの交流、会話も素敵です。

  • アヴィモア(Aviemore)
  • インヴァネス(Inverness)
  • ケソッック橋(Kessock Bridge)
  • マンロッキー(Munlochy)
  • オッホ(Avock)
  • フォートローズ(Fortrose)

本に登場する場所に行ってみました。もちろんストリードビューですが。本当に行きたくなりました。

 

・『模倣犯』M・ヨート
スウェーデンで人気の脚本家コンビが放つ『犯罪心理捜査官セバスチャン』シリーズの2作目です。前作で判明したことによって、セバスチャンの意外にも可愛らしい一面や素直なところが描かれていて好感度が上がりました。いつも空回りするハラルドソンも登場し、期待を裏切りません。北欧ミステリにしては暗過ぎず、軽妙で楽しめます。次シーズンも楽しみです。

 

・『漆黒の森』ペトラ・ブッシュ
今度はドイツの小説です。ドイツ推理作家協会賞新人賞を受賞した作品です。取材で黒い森を訪れた女性編集者ハンナが死体を発見するところから事件の捜査が始まります。閉鎖的な村、人間関係を背景に堅物の刑事モーリッツがひょんなことからハンナと協力し連続殺人の謎を解き明かしてゆきます。

 

・『悪意の波紋』エルヴェ コメール
こちらはフランス・ミステリー、最近ではやはりフランスの『その女アレックス』が人気を博しましたね。著者エルヴェ・コメールは本国で期待される新人の一人なんだそうです。100万ドル強奪事件から40年たち、その犯人の1人ジャックの「俺」と失恋から立ち直れない青年イヴァンの「僕」の物語が平行して進みます。まったく関連のないこの二人がどこで交差するのか、また事件の黒幕は一体誰なのか、ワクワクしながら読みました。


今回たまたまなんですが、ここに挙げた作品はすべてヨーロッパ発のものになりました。翻訳ミステリーの幅が広がってきているのでしょうか?だとすると、嬉しいです。

他人の墓の中に立ち―リーバス警部シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

他人の墓の中に立ち―リーバス警部シリーズ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 
模倣犯〈上〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

模倣犯〈上〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

 
模倣犯〈下〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

模倣犯〈下〉 (犯罪心理捜査官セバスチャン) (創元推理文庫)

 
漆黒の森 (創元推理文庫)

漆黒の森 (創元推理文庫)

 
悪意の波紋 (集英社文庫)

悪意の波紋 (集英社文庫)