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『ザ・ドロップ』デニス・レへイン

翻訳小説

今まで読んだポケミスで最もページ数が少ない本です。この作者の小説は今までは厚かったと思うんですけれど。ところで今になって気付いたことがありました。私はこれまでずっと「デニス・ヘイレン」だと思っていたんですね。刷り込みされたものってなかなか訂正がきかないものですね。


主人公ボブは、従兄のマーヴが経営する「カズン・マーヴの店」でバーテンダーをしています。表向きは普通のバーでも、裏では犯罪組織がらみの金をドロップ(裏社会で儲けたお金を警察の手入れなどで没収されないようにするため一夜だけ預ける)する場所でした。このドロップでマーヴとボブはその手間賃を稼いでいました。

マーヴは「ボブはあののんびりした脳みその変なスイッチを押されると、かなり怖くなるのだ。一方でいたわってやらなければならないところもあるので、壁にひどく押しつけられたときに相手を叩きのめせる部分は、完全に見すごされる」などと鋭く分析しています。

見た目もパッとしないボブは自分のことを負け犬とし、孤独感に苛まれていたのですが、ある晩帰宅途中に傷つきゴミ容器に棄てられた子犬を拾います。その子犬を飼うことにしたボブは、今までに感じたことのない幸福感に包まれていました。

そんな矢先にバーが二人組の強盗に襲われたことから始まり、新しい登場人物も入り乱れ、思わぬ結末へと向っていきます。


読み終わって巻末のあとがきを読んだ知ったのですが、本作は映画化もされたそうです。なるほど、レヘインの作品は今までも映画化(『ミスティック・リバー』や『シャッター アイランド』)されてきたものね。でも日本では未公開だそうで。なるほど。主人公ボブを演じたのはトム・ハーディ。思わず二度見しました。なんですって。ハンサム過ぎでしょう。そこまではリアリティを追及しなかったということか。まぁそんなものでしょうよ。

ザ・ドロップ (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
 

 

『解剖迷宮』マシュー グイン

サウスカロライナ州の医大の改修工事中に、地下から大量の人骨を発見したことから物語は始まります。解剖用献体の確保が困難な時代に、医大は奴隷ニーモに墓から死体を盗掘するよう命じます。

小説は現代と南北戦争の時代が平行に描かれる章立てになっていて、読み進むうちに過去から現在へ繋がり、まるでノンフィクションを読んでいるような感じでした。

解剖迷宮 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

解剖迷宮 (ハヤカワ・ミステリ文庫)