海外ドラマ『MR. ROBOT / ミスター・ロボット』シーズン1

Amazonプライムビデオで毎週水曜日に配信されていたアメリカンドラマです。現在はシーズン1の全話を見ることができます。今までのドラマとは一線を画したストーリーで映像も音楽もかなりいけています。原題では各エピソード・タイトルに拡張子 ".mov"とか".avi"とかついていて、最初のエピソードは、エピソード1でなく、エピソード0(プログラマにとって数字の底は0)になっています。

その最初のエピソードでは、エリオット・オルダーソン(ラミ・マレク)が紹介されます。彼は夜な夜な他人のソーシャルメディアをストーキングし、自警団員よろしく不正と戦う(幼児ポルノ作家を警察に引き渡し、不貞の夫を露出させます)ハッカーです。仮面はありませんが、黒いフードをかぶっています。

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http://www.usanetwork.com/mrrobot

 

日中は大企業を自分のような人から保護するサイバーセキュリティ会社で働いています。彼はリアルな世界で友人を作れず(と彼自身思っていますが、実際には彼のことを心配する幼馴染のアンジェラやセラピストのクリスタなどがいます)、モルヒネを注意深く服用し、時折寂しさに負けて部屋の片隅で途方もなく泣いていたりします。

エリオットは時に冷ややかなナレーターでもあります。抑揚のないロボットのような語り口は、大胆で且つ率直です。エリオットは、アンジェラのボーイフレンドでいまどきの軽いノリのオリーに対し「こいつのパスワードは "123456seven"、そんなに悪い奴じゃない、ただバカなだけだ」などと言い放ちます(もちろん心の声です)。

 

ある日、エリオットはアングラなハッカーグループfsocietyを率いるMr.Robot(クリスチャン・スレーター)という不可解な人物に出会います。fsocietyは消費者の負債をデータベースから全て消し去り「富を再分配する」ことを目的にしていました。そのターゲットがEコープなんですが、そのロゴは実在した大企業エンロンとそっくりで、エリオットは"Evil Corp"(悪魔コープ)と呼んでいます。

エリオット曰く唯一話しができたという父親は、既に亡くなっています。父親はもともとEコープのエンジニアでしたが、解雇され、その後白血病に倒れたというのです。これはエリオット目線の話しなので、詳細についてはシーズン1では知り得ませんでしたが、ただエリオットにとってEコープは特別な会社だということがわかります。個人の仇討ちはイデオロギーのものより説得力があります。

ラミ・マレクはエリオットに脆弱さと世界への切望を吹き込んでいました。私はラミ・マレクが画面に現れるだけでもう釘付けになりました。彼のパフォーマンスなしでは、このドラマは成立しないでしょう。

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本国での評価は高く、シーズン2の製作も決まっています。もちろん私も楽しみにしています。海外ドラマ、何を見ようかと迷ったら、この作品をおすすめします。めちゃくちゃ面白いです。