映画『オデッセイ』
マット・デイモンは大好きなんですけれど、この映画を見に行くのは迷いました。露出したCMを見たら、もう映画を見たような気持ちになってしまったからです。
けれども、見てみましたら、これが最高に面白い映画でした。私のように迷っている人がいたら、背中を押したいです。以下ネタバレ含みます。
CMを見た人ならわかると思うんですが、マーク・ワトニー(マット・デイモン)は一人火星に残されてしまいます。
NASAの衛星画像で、基地の周りのものが移動していることから、マークが生きているらしいことがわかります。そのことを知ったNASAの統括責任者のビンセント(キウェテル・イジョフォー)は、独り残された彼の精神状態を慮り心配します。そのとき、当の本人はDisco音楽をガンガンかけてのりのりなんですけれどね。
星にたった一人きり、過酷な状況でのサバイバル生活で、船長ルイス(ジェシカ・チャステイン)が残した、ワトニー曰く「趣味の悪い」音楽は彼を励まし続けます。彼の状況と音楽の歌詞がマッチしていて、そのコラボが本当に素晴らしいです。私はリアルタイムでこれらの音楽を聴いた世代なので、もう最高!踊りたくなりました。
CMで、ワトニーがビデオに向かって「サプラーイズ」と言っているシーンがありますよね。あれはNASAと通信して、地球にいる誰かに対して言っているんじゃありませんよ。彼は火星での生活をことごとくビデオに撮り、ビデオカメラに向かってひたすらしゃべっているのです。音楽とビデオ日記が彼の火星ライフを支える必要不可欠なものとなっていました。
それと、彼には強力なバックグラウンドがありました。彼は楽天家で、その本能は進んで行動することを助け、その才能は行動を補っていました。そしてマット・デイモンは、マット・ワトニーとして傑出していました。この役は彼しか考えられないでしょう。
脇役も素晴らしい。NASA長官のジェフ・ダニエルズ、いつ笑わせてくれるかと思ったら真面目な役でした。船長ルイスのジェシカ・チャステイン、芯の強い女性が似合います。そして、物理学者はアクセル・ヘニー、ノルウェー・オスロ出身で映画「ヘッドハンター」で主演だった人です、ずいぶん変わったのでわかりませんでした。GOTのショーン・ビーンもキウェテル・イジョフォーも素敵でした。
想像していたのとは違い、悲壮感のない、ポジティブで元気になるSF映画でした。サイエンス、バンザイ!という気分になれます。中高生が見ても楽しめると思います。Disco音楽は知らないかもしれないけれど。
映画で使われていたトラックリストです。
‘Songs From The Martian’ Is Largely Comprised Of Disco Classics: See The Full Tracklist | Idolator
Songs From The Martian tracklist:
1. Turn The Beat Around – Vickie Sue Robinson
2. Hot Stuff – Donna Summer
3. Rock The Boat- Hues Corporation
4. Don’t Leave Me This Way – Thelma Houston
5. Starman – David Bowie
6. Waterloo – ABBA
7. Love Train – The O’Jays
8. I Will Survive – Gloria Gaynor
9. The Martian Score Suite – Harry Gregson-Williams
Quotes:台詞もウィットにとんでいます。
The Martian (2015) - Quotes - IMDb
このあとマット・デイモンを見れるのは、待望のボーン・シリーズ最新作です。今度のヒロインは、ここでも何度か書いているスウェーデンの女優のアリシア・ヴィキャンデル。今、ひっぱりだこですね。
ニッキーがどんな風に登場するのかも楽しみ。『ボーン・アルティメイタム』では、ボーンと過去に恋人同士であったことがほのめかすシーンがありましたよね。新たな展開があるか、注目したいです。日本公開予定は10月、もう少し待たねばなりません。