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ゴシック小説(2) 『ドリアン・グレイの肖像 』オスカー・ワイルド

海外ドラマを見て、ゴシック小説に興味が涌いたことを先に書きました。
ゴシック小説(1) 『フランケンシュタイン』メアリー シェリー
次に読んだのがこの小説です。この作品もいくつかの出版社から邦訳が出ていますが、私が読んだのは以下です。 

ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)

ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)

 

美貌の青年ドリアンと彼に魅了される画家バジル。そしてドリアンを自分の色に染めようとする快楽主義者のヘンリー卿。卿に感化され、快楽に耽り堕落していくドリアンは、その肖像画だけが醜く変貌し、本人は美貌と若さを失うことはありませんでした。

読んでみると、なんとも耽美的な小説でした。これもゴシック小説なんですね。うーん、これでもかというドリアンの美しさの描画に圧倒されました。背徳と芸術至上主義の物語なんですかね。共感できる登場人物は一人もいないのに、つい読みふけってしまう、そんな本でした。

 

これは映像で見てみなくては、とDVDも鑑賞しました。かなり昔のものかと思ったら4年前の映画です。

ドリアン・グレイ [DVD]

ドリアン・グレイ [DVD]

 

ドリアンを演じているのはベン・バーンズ、映画『ナルニア国物語』シリーズのカスピアン王子の人です。そして快楽主義者のヘンリー卿はコリン・ファースが演じています。

一般受けを狙ったのか、古典小説の奥深さみたいなものはあまり感じられませんでした。せっかくのベン・バーンズなので、もっとドリアンの内省的な部分を深く掘り下げて描いも良かったかな、と思います。

 

オスカー・ワイルドの本にはこんな懐かしいものもありました。

幸せな王子

幸せな王子

 

ある町に王子の像がありました。その像は金でおおわれ、瞳は青いサファイア、剣には赤いルビーが輝いています。ある冬の晩、この王子の足もとにとまったつばめは王子の悲しみを知り、その願いをきくことにします。

小さい頃に読んだのを覚えています。というか何十年かぶりに思い出したのに、意外に鮮明に覚えていてびっくり。サファイアの目を持つ王子の絵まで浮かびます。娘に確認したら、彼女は読んだことがないそう。私は小さい頃、世界名作集なるものを買ってもらったのですが、うちの子どもたちの親はそうはしてくれなかったようです。

 

ワイルドの生涯について書かれた本も読んでみました。

アイルランドに生まれ、オックスフォード大学在学中から頭角を現した青年期、同性愛裁判に敗北し保守的なイギリス社会から追放される晩年まで起伏と魅力に富んだその生涯をたどります。

同性愛のイメージが強いワイルドですが、結婚をして子どももいたんですね。彼のことを何も知りませんでしたが、この本には興味深いエピソードもたくさん載っています。ドリアンよりも、面白いかもしれません。