海外ドラマ『ウォーキング・デッド6』(ネタバレ)
今シーズンは熱狂(悲鳴)と共に終了。個人的には、前半はかなり面白く楽しみました。後半はイライラすることもありましたが、トータルで見ると、かなりエキサイトしたシーズンだったと言えます。以下ネタバレ含みます。
大量ゾンビとの闘いに盛上がり、そしてグレンが死んでしまったのかどうかについて、不安に駆られたのは前半のエピソードでした。
私は前半終了後、シーズン1を全部見ていないという娘に付き合って、Amazonで視聴(私もヒマですね)したのですが、改めて良くできた脚本だったなとしみじみと思いました。TWDはただのゾンビ・ショーではなく、人間ドラマだと言われる所以がここにありました。ゾンビそのものの描き方は、多少ぶれがあるように感じましたが、気にしないことにしましょう。そして何よりも、幼いカールの可愛いことといったら。
キャロルとモーガン
今シーズンはキャロルとモーガンの信条(哲学)対決のようなものが描かれていました。ショーを見ている人のほとんどが、モーガンに向かって何を叫んでいたのかは想像できそうです。理想主義ともとれるモーガンの考えが邪魔に感じられたシーズンでした。私自身はモーガンの一貫性は尊敬に値すると思っているんですけれど。
それに対し、キャロルの世界観は、ぐらぐらと揺れて不安定です。彼女の子どものような抵抗は、ある期間を置いて繰り返されるようでした。明確な原因は想像するしかないんですが、そもそもPTSDとはそういうものなのかもねと思ったり。でもですよ、その言動は矛盾だらけです。でももういいです。
結局、モーガンはキャロルを救うために、人を殺してしまいます。が、これはセルフディフェンスであって、キャロルの哲学を肯定するものではないでしょうし、彼がこれをきっかけに大きく変わってしまうことはないと思っています。
この一件だけではなくて、より大きな利益のために、ときには信条を曲げなくてはならないということを、シーズンを通して、ショーは訴え続けます。
リック
自己制御できなくなったリックを見るのは珍しいことです。彼がひどく侮っていた敵によって完全に出し抜かれた後、次シーズンで、わたしたちはどんな状態の彼に会うことになるのでしょう。リーダーとしての信頼は完全に失墜してしまったのでしょうか。
また、後半に始まったミショーンとの新たな関係は必要でしたか?あまりに唐突すぎて、何の意味があるのかさっぱりわからず。もちろん二人を応援したい気持ちがないわけではないですが、前半でリックが好きだったあの人の存在は何だったのか、変わり身の早さに驚いたのは私だけでしょうか。
ニーガン
今シーズンは最終エピソードにつなげるための伏線でいっぱいでした。デニースの死も必須だったわけです。やっとのことでニーガンが、コミック的(読んでいないけれど、そんな風に想像してしまうのに十分な)スタイルで登場しました。彼にカリスマ性を感じましたか?ジェフリー・ディーン・モーガンは素晴らしい役者だと思いますが、彼の長い演説は私の心には届きませんでした。
とはいえ、次シーズン、ニーガンはアイコン的存在になることはまず間違いないでしょう。TWDはもはや、シリアル・キラーのエース争い(イヤミです)になってしまったようです。もはや、リックチームが善で、ニーガンチームが悪などという方程式は存在しません。後半でリックたちがとった行動を思い起こしてみてください。
誰がターゲットに?
最後のPOVは、視聴者には推測不可能な描写になっていました。クリフハンガーは予想していましたが、まさかこんな終わり方とは。ニーガンの標的になったのは誰なのか、既にネットでは投票も始まっています。
まず、リックはあり得ないでしょう?リックやダリルはこのドラマで決して殺していけないキャラクターというのもありますが、本来なら最後のシーンで、リックはリーダーらしく「自分を選べ」と発言することもできたはず。けれどもそうはしませんでしたね。
また、邪魔をしたらカールを傷つけるというニーガンの発言から、カールも除外できるのでは?後半になって、エイブラハムとサーシャの距離が縮まるシーンが何度かありましたが、これは悲劇を迎える前の伏線だったのかも、などど、つい深読みしたくなってしまいます。私としては二人とも好きなキャラクターなんですが。
次シーズンに向けて
最終話でキャロルとモーガンが出会った、甲冑をつけた(またもや、コミックから飛び出したような)男性二人組が登場。初見の人に対して無防備で、いかにも親切そうな人を久しぶりに見た気がします。今後、彼らの活躍を否が応でも期待してしまいます。キャロルによるランボーの再現は、まさか、ないでしょうね。
それと、ジーザスを忘れていました。もっと登場するかと思っていたら、そうでもなかったですね。次シーズンはどんな感じでしょう。なんだかんだいいながら、シーズン7を楽しみにしています!