misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ Netflix 『Happy Valley』シーズン1

英国BBC1で製作されたドラマでNetflixで見ました。映画『ファーゴ』を連想させるようなストーリーでした。全部で6エピソードというコンパクトさも良かったです。

米国のドラマは1シーズンが長いものが多かったです。長いものだと24エピソードもあります。最近は有料動画サービスなどで、エピソード数が10くらいのドラマが出てきましたけれど。

長いクライムドラマは、物語があまり早く進まないように、これ見よがしにぐずぐずして、その結果、怪我をしてしまうことも(といって、『ザ・フォロイング』を思い浮かべてしまうんですが・・)。それに比べて、このドラマは、意外なほど展開が早くてストレスが溜まりませんでした。こういうアプローチ、すごく良いと思います。

以下ネタバレ含みます。 

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http://www.bbc.co.uk/programmes/b042r1dj

タイトルは皮肉ですねー。このドラマはイングランド北部の厳しい町でセットされます。ヨークシャーの谷はハッピーどころか、かなり暗いです。 

 

主人公は、女性警官のキャサリン・ケイウッド(サラ・ランカシア)。中年で離婚しており、自殺した娘の子どもを育てています。そしてヘロイン中毒から回復途中の妹と同居しています。

ショーの始めで、娘を自殺に追い込んだ(とキャサリンが思っている)トミー・リー・ロイス(ジェームス・ノートン)が刑務所から解き放たれことで、キャサリンの強迫観念は、若い女性の誘拐事件と絡み合い、一層強まります。

キャサリンは、トラウマに苦悶しながらも頑なまでに自分の仕事を全うしようとするんですが、その苦悩が画面を通してひしひしと伝わってきます。まるで復讐の鬼です。

が、ショーはキャサリンを強い正義感にあふれた優秀な女性としてのみ描いたわけではありませんでした。キャサリンに共感したり同情したりするのには、彼女はあまりに複雑でした。それは、彼女のただ一人の息子が、母に対して苦しんでいたことからも伝わってきます。

 

キャサリンの妹役は『ダウントン・アビー』の前髪を縦ロールしていたオブライエンさん。こちらでは、自分を抑えた優しい人柄で、気性の激しい姉と一緒に暮らす女性を演じていました。

それから、自己中心的で、サイコなロイスを演じているのは、AXNミステリーで放送していた『グランチェスター 牧師探偵シドニー・チェンバース』で育ちが良くて人のいい、そして女の子といちゃいちゃしていた牧師役と同じ人です。同時期に全く異なる役をこなしているんですね。個人的にはこちらの悪いやつが好きです。

 

最近見た刑事ものでは、かなり面白かったです。シーズン2の視聴者数は1のそれよりも多かったとか・・。楽しみに待っています。