misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

小説『血のない殺人』

ここ3ヶ月くらい仕事が多忙でなかなか自分の時間がとれませんでした。なので、最初の頃は、通勤の車中で読む本が唯一の楽しみだったんですが、12月に入ってからはそれもままならず、車中ではぼんやりしていることが多くなりました。心はカラカラに乾き、トマス・H・クックの本を読み、思い切り絶望感という闇に包まれたい、感傷の渦に飲み込まれたいと思うように。この気持ちはどこから来るものなのか、自分でもよくわかりません。
とはいえ、年末の休みに入って実際に買ったのは、ジェフリー ディーヴァー の『スティール・キス 』なんですけれどもね。


『血のない殺人』フェイ ケラーマン

血のない殺人 上 (ハーパーBOOKS)

血のない殺人 上 (ハーパーBOOKS)

1993年に邦訳が出てから、長く続いているリナ&デッカーシリーズ。全て翻訳されているわけではないですが、現在24作あるようです。ロサンゼルス市警のデッカー刑事とユダヤ教徒の女性リナを主人公とした警察小説で、地味ですが、好きなシリーズです。私はユダヤ教のことをこの本で学びました。
今回は『正義の裁き』のクリスのその後が描かれます。全話を読んでいる私ですが、クリスのことはすっかり忘れてまーす!でも大丈夫、本作だけでもわかるようになっています。
犯罪者の息子として生きることに、どこか達観したクリスの息子ゲイブ。そうは言ってもまだ14歳、リナとデッカーにほだされて変わってゆく姿にホロリときます。


『怒り』ジグムント ミウォシェフスキ

怒り 上 (小学館文庫)

怒り 上 (小学館文庫)

作者はポーランドルメートルと絶賛され、本国でベストセラーになった小説。
ポーランド北部オルシュティン市の工事現場で、白骨死体が見つかります。検察官テオドル・シャツキは最初は戦時中の遺体だと思っていたのですが、実際には10日前まで生きていたことが判明します。やがて、この男は生きたまま大量の配水管洗浄剤で溶かされて死んだことわかるのですが・・。
シャツキの心の声に共感しまくり(#私も壊れかけているのか)すっかりはまりました。しかし、結末は読めず。かなり意外な展開が待っています。


『われらの独立を記念し』スミス・ヘンダースン

われらの独立を記念し (ハヤカワ・ミステリ)

われらの独立を記念し (ハヤカワ・ミステリ)

1980年のアメリカのモンタナ州テンマイル。家庭福祉局に勤めるピート・スノウは、ソーシャル・ワーカーとして虐待やネグレストなど問題を抱えた家庭を巡回し援助を行っています。
ある日、テンマイルの小学校から連絡を受けたピートは校庭にふらりと現れた不衛生な姿をした少年、ベンジャミン・パールと面会します。話しによれば、ベンジャミンは家族とともに山中で世間から隔離した生活を送っているらしい。
この本、ミステリなのか何のジャンルなのか途中でわからなくなりました。ポケミスなんですけれど。
ピートがダメ男過ぎて感情移入できないし、娘レイチェルの堕ちっぷりにもうんざり。パール親子の行く末だけが気になって最後まで読みました。


『失踪人特捜部 忘れられた少女たち』サラ・ブレーデル

失踪人特捜部 忘れられた少女たち (角川文庫)

失踪人特捜部 忘れられた少女たち (角川文庫)

サラ・ブレーデルはデンマークで人気の作家で、2012年の『見えない傷痕』の女性刑事ルイース・リックの続編です。このときは殺人捜査課に所属していましたが、本作では新設の失踪人特捜部に配属され、問題刑事アイクと組み、事件を追ってゆく姿が描かれます。
アウンスー湖ほとりの森の中で転落死した女性の身元を調べはじめます。その女性は30年前に知的障害者施設で死んだと思われていました。
読んでいる途中、どういう筋書きなのかわかってしまったんですが、最後まで見届けることに。


『湖の男』アーナルデュル インドリダソン

湖の男

湖の男

アーナルデュル インドリダソンは、アイスランドの作家で、日本でも『湿地』『緑衣の女』『声』と順調に翻訳されているので、知っている人も多いと思います。
ある日、干上がった湖の底で白骨された遺体が見つかります。死体が旧ソ連製の通信機にくくりつけられていたことから、事件は冷戦時代まで遡ります。
過去のエピソードは、知らないことばかりで興味深かったですし、歴史に翻弄される若者たちの悲劇に心揺さぶられました。


ノクターナル・アニマルズ オースティンライト

ノクターナル・アニマルズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ノクターナル・アニマルズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

1993年の小説。なんで今ごろ出版されたのかと思いながら読みました。
これを2016年にトム・フォードが映画化していたんですね。それを2017年11月に日本公開するのに合わせて、出版されたということでしょうか。
ある日、20年以上前に別れた夫から謎の小説原稿が送られてきます。その小説のタイトルが『夜の獣たち』(ノクターナル・アニマルズ)。これがとにかく怖い。読み始めたら止められなくなります。
元夫と『夜の獣たち』の主人公をジェイク・ギレンホールが演じていたんですね。見たかった!


『キリング・ゲーム』 ジャック・カーリイ

キリング・ゲーム (文春文庫 カ 10-7)

キリング・ゲーム (文春文庫 カ 10-7)

カーソン・ライダーシリーズです。テンポ良く読めますし、エンタメ性もありいつものように楽しめます。
が、毎回カーソンに恋人ができるのはいかがなものかと。ハンサムで素敵なんだろうと思いますよ、はい。けれど毎回だとさすがに飽きませんか。恋人よりお兄さんの登場を増やしてほしいと思うのは私だけでしょうか。