misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ Netflix『ゴッドレス -神の消えた町- Godless』

Netflixのオリジナルドラマがすごく増えましたね。『マインド・ハンター』も良かったですが、こちらも面白かったです。犯罪ものばかり見ている私にとって、西部劇のドラマは新鮮でインパクトがありました。

あとから知ったのですが、この作品は映画監督のスコット・フランク(『誘拐の掟』)が脚本、監督した作品なんですね。彼の映画も好きです。

 

広々とした平野でのショット、銃撃戦と疾走する馬たち、砂埃の多いメインストリートでの対決・・、これぞ西部劇と感じられるシーンが満載です。人間ドラマあり、アクションあり、サスペンスありとエンタメがギュギュッと詰まっています。 以下ネタバレ含みます。

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https://www.netflix.com/title/80097141

追っ手から逃れてきたガンマンのロイ・グッド(映画『マネーモンスター』の犯人役ジャック・オコンエル)は、未亡人のアリス・フレッチャ(『ダウントン・アビー』の ミシェル・ドッカリー)の牧場で一夜を過ごすことにします。

予期せぬ訪問者を見つけたアリスは、ためらうことなく弾丸を打ち込みます。けれども彼は死んではいませんでした。アリスの先住アメリカ人の義母の助けを借りて回復し、その後すぐにアリスの息子(サミュエル・マーティ)と交情を結びます。

しかし、そうしている間にも、何年も前にロイを息子として迎え入れていた盗賊のリーダー、グリフィン(HBO『ニュースルーム』のジェフ・ダニエルズは、ロイを執拗に追っていました。それは、ロイがグリフィンを裏切り、盗んだ金を横取りし、挙句の果てに彼の左腕を撃っていたからでした。

アリスの住んでいる場所からほど程遠くないところにラ・ベルという町があります。そこは鉱業事故のためにほとんどの男性を失い、女性たちで成り立っている町でした。メス・アグネス(『ウォーキング・デッド』の医師デニース役のメリット・ウィーバー、上の写真の向って左)は、ラ・ベルの前町長の未亡人で、今では夫に代わりツイードとズボン姿で事実上の町長として働いています。

彼女の兄であるビル・マクニュースクート・マクネイリーは、町の保安官で妻亡き後二人の子どもを育て、最近は視力が衰えてきています。保安官助手のホワイティー・ウィン(トーマス・サングスター)や、彼が恋しているアフリカ系アメリカ人のルイーズ、グリフィンの動向を記事にしたい一風変わった記者A.T.(ジェレミー・ボブ)など、どれひとつをとってもその描き方に無駄がありません。グリフィン一味を追う連邦保安官としてサム・ウォーターストンも登場しています。

グリフィンは獰猛で悪人である一方、彼には魂があり、聖書の言葉を信じています。グリフィンは、最初はただただイヤなヤツだったんですが、後に牧師のような慈悲深いふるまいやリーダーとしての資質を知ることで、ジェフ・ダニエルズのパフォーマンスと相俟って、見方が変わってきます。ロイを追ったのも、息子のような存在に裏切られたからで、そこには悲哀さえ感じました。

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舞台は19世紀なんですけれど、このドラマが持つテーマは現代風です。特定な人種やジェンダー、階級に縛られることなく、選択できるし行動できるというメッセージがあるように思います。