海外ドラマ Netflix『運命の7秒 / Seven Seconds』

Huluで配信中の『運命の銃弾』を途中挫折した私は、このドラマを見る気になれませんでした。けれども、アメリカ版『The Killing』のショーランナーが製作したというので、見てみることにしました。

このショーはタイトルは「7秒」ですが、実際には10時間にも及びます。これがとんでもなく長く感じられました。オープニングシーンで事故は瞬く間に起こりますが、それ以降はずっとのろのろとしたペースで動きます。そう、挑発的なスタートを切ったものの、キャラクタ設定はフラット、物語は蛇行し続けます。

以下、ネタバレあります。注意してください。

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Seven Seconds | Netflix Official Site

ルーキー警官ピーター・ヤブロンスキー(ボー・ナップ)は、妊娠中の妻に会うため、車で病院に向かっています。彼女に問題が起きたのではないかと心配し、自ずとスピードも速くなります。そして、自転車で公園を通り抜けようしていた黒人のティーンエイジャー、ブレントン・バトラーを撥ねてしまいます。彼は911には電話せず、麻薬捜査班の仲間を現場に呼び、事故を報告します。最初こそ、ヤブロンスキーは自主するつもりでいました。

しかし、ユニットのリーダー、マイク・ディアンジェロ(デビッド・ライオンズ)は、この事故を隠ぺいすべきだと主張します。そうしなければ、黒人コミュニティとメディアの両方から糾弾されてしまうと言うのです。説得されてヤブロンスキーはしぶしぶディアンジェロに同意することに。

その頃、その場にいた誰もが死んだと疑わなかったブレントンは息をしていたのです。

一人息子が事故に遭い悲しみにくれる母親はラトリス・バトラー(レジーナ・キング)。家族には、勤勉で敬虔な夫イザヤ(ラッセル・ホーンズビー)とイザヤの弟で帰還兵のセスがいます。彼らは、様々な方法で悲しみを抱きしめて戦います。 

地方検事補のKJ ハーパー(クレア=ホープ・アシティ)がこのケースを担当することになります。最初はおざなりに処理するつもりでしたが、途中で何かがおかしいと感じ、ジャージーシティの警官、”フィッシュ” リナルディ(マイケル・モズレー)と事故を深く掘り下げて、真実を明らかにしようとします。

 #私だけかもしれませんが、ラトリスとKJが 似ていて混乱しました。どちらも黒髪、同じくらいの身長、地味な服装で、悲しみに暮れています。

ショーは、子どもを失ったバトラー家、とりわけ母親の悲しみと、ヤブロンスキーの不安やパニックに焦点を当て、時間を費やします。このメリハリのない長いメロドラマにメスを入れるべく登場したのがKJかと思っていたら、彼女も個人的な問題を抱えていました。あぁ、そして彼女はアル中というタグまでついているではありませんか。

暗闇の中でいくつもの傷心スパイラルが長々と続き、演出がこれ見よがしでイライラします。キャストの(たぶん優秀な)パフォーマンスはもはや空回りしているようにかみえず、私の中にあったシンパシーは徐々にしぼんでいきます。

 

とにかく登場人物の一人ひとりが紆余曲折あり過ぎて、時間がとられます。KJはストレスからアルコールやベッドに逃げ出します。そして、それが原因で仕事に支障をきたしても特に反省はないようです。そして、ヤブロンスキーは、あぁ、父親がDV男で悲惨な家庭環境で育ったこと、ブレントンには、あぁ、秘密の生活があったことなどもわかります。

そういえば The Killing の犠牲者も秘密を抱えていたんでしたっけ。そして「7秒」と同じく物語の進行はスローペースでしたね。 唯一の目撃者で薬物中毒の女子高校生ナディーンは、あぁ The Killing のシーズン3に出てきた同じようなキャラの焼き直しでしょうか。

 

事件は早々と解決できたかもしれないですが、主要な人物たちは独りよがりな行動をとり、このショーをなんとか長引かせようと余念がありません。

 

KJの上司にあたる検事は、彼女を愛人にしたことはあったものの、仕事上のサポートはしていないようでした。KJはまたも孤軍奮闘し、ストレスフルに。人種差別の暴動が全国ニュースになり、マスコミの注目を浴びている裁判なんですけれどもね。

また、どうでもいいことかもしれませんが、ヤブロンスキー側に付いた女性弁護士の服装にも違和感があります。偏見が問題視されている裁判で、あの服装はどうなんでしょう。成功している優秀な弁護士なら、もっとTPOに合わせたコンサバの服を着ても良さそうなものですが。

最後の判決については、陪審員の人種が偏っているようにも感じましたが、こんなものだろうと思います。これ以上何を期待しろというのでしょう。大ドンデン返しとか?このショーにそれを求めますか。

 

結局のところ、私にとってこのドラマは目新しいものはなく、どこかで見たことのある手垢がついたスクリプトを繋ぎ合わせたようにしか感じられませんでした。また現代の都心で起きた事件にしては、ずさんな隠ぺい工作と殺人事件で、リアリティに欠けているのではないでしょうか。

 

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