misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ『刑事ジョン・ルーサー』シーズン5

AXNミステリーで見ました。シーズン4からもう3年以上が経っているので、シーズン5があるとは思っていませんでした。ファースト・シーズンは2010年で、もうかれこれ10年が経とうとしています。

以下、ネタバレ含みます。
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刑事ジョン・ルーサー | AXNミステリー

心臓外科医のレイクは何年もの間、虐待を受け、それが原因で精神にダメージを受けてきました。妻で精神科医のヴィヴィアンは夫の犯罪を知りながら、尻拭いに奔走します。しかし、レイクは倒錯した無慈悲な殺害を止めることができません。

ルーサーは新しい相棒キャサリン・ハリデーと共に捜査に乗り出します。DSハリデーは、頭の回転が良く、勘が働き、不在がちなボスに代わって仕事を進めることができる優秀な捜査官です。

一方、S4から継続して登場するのは、ジョージ・コーネリアス。ジョージの息子が誘拐されると、彼は宿敵であるルーサーの仕業であると確信し、拉致します。彼は007よろしく、その場から逃れますが、真の誘拐犯が誰なのかはすぐに知ることになります。


アリス・モーガン(Ruth Wilson)
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13歳でオックスフォード大学進学、18歳で天文物理学の博士号を取得した才女で、カリスマ的、予測不可能なサイコパス。アリスはジョンに出会い、彼に特別な興味を寄せるようになります。以後、アリスはルーサーに対し、異常なまでに執着するようになります。S1の頃、アリスはジョンに言っていました。「私は世界の誰よりもあなたを裏切らない」。

アリスがいつでも彼のために犠牲を払うつもりでいることに、ジョンは気づいていました。そして実際、彼はアリスを頼り、結果的に彼女を危険にさらしたことも一度ではありませんでした。

アリスはジョンと一緒に海外に行くことを望み計画していましたが、ルーサーは拒否します。アリスがどれほど懸命に誘惑しようとしても、彼は(S2でジャスティンを刑事に戻したら警察を辞めると言っていたにも関わらず)犯罪者がいる限りロンドンから離れることができません。

今シーズンのフラッシュバック・シーンで明らかになったのはS3のあと?二人はロマンチックな関係を持ったことがあったということです。しかし、二人の関係は一度きりだったのかもしれません。なぜなら、非常に高いIQを持つアリスですが、ことEQとなると悲しいくらいに貧弱なので、ジョンであっても彼女を相手にするのは困難であっただろうと思うからです。結局のところ、アリスはソシオパスです。

その後、アリスはギャングのジョージ・コーネリアスとビジネスをすることに決めたようでした。今シーズン、アリスはジョージに復讐することに躍起になっていました。そして、ジョンと久しぶりに再会したアリスは、彼の仕事上の新パートナー、DSハリディに対しあからさまに嫉妬するようになります。ハリデイ個人に対してというよりも、相変わらず仕事に没頭するルーサーと共に仕事ができることに対してだったように思います。


ベニー・シルバー(Michael Smiley)
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ITの専門家として、ルーサーの部署に呼ばれてから、ずっと彼の友人として同僚として、なくてはならない存在でした。

このシリーズの常といえば、メイン(仕事)とサブ(私生活)の事件が同時進行し、それをルーサーが解決してゆくというところなんですけれども、職務をはるかに超えるサブ案件についても、手助けをしてきたのがベニーでした。

彼はこれまで、現場に出たことはほとんどありませんでしたが、ジョンへのエサとしてコーネリアスの一味に拉致されてしまいます。ルーサーはアリスと共にベニーを救い出すと、アリスとベニーを隠れ家に残し、自分は現在追っている事件の捜査に向かいます。ルーサー不在時にジョージが寄越したヒットマンが現れると、ベニーはマークを庇い、自ら犠牲になってしまいます。あぁぁ。


マーク・ノース(Paul McGann)
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マークはルーサーの元妻ゾーイの恋人でした。人権弁護士のマークとルーサーは正反対で、ゾーイの愛情を競い合い、お互いを憎みました。

S1の終わりにゾーイがルーサーの同僚イアン・リードによって誤って殺害されると、マークとルーサーは同じ悲しみを抱えた者同士として歩み寄ります。ルーサーはマークとアリスの協力を経て、リードを逮捕しようとしますが、彼らの見ている前でアリスはイアンを殺してしまいます。

S2で、ある少女ジェニーを匿うために使ったのはマークの家でした。突然ジョンが現れて少女を預けられたマーク。マークとジェニーはおしゃべりをし、彼はゾーイが死んだこと、彼女と結婚しようとしていたことを打ち明けます。ジェニーはマークに、父親が売春婦を殺害したこと、ルーサーに捕まり、その後刑務所で自殺したことを伝えます。

逃げないように拘束されているジェニーのそばに座って本を読んでいるマーク。見知らぬ同士が本音を語り合うシーンは、束の間だけれど、厳しい現実を忘れられそうな気がしました。

そして、今シーズン、ルーサーがアリスとベニーをコーネリアスから守るために使った安全な家は、やはりマークの自宅でした。ここでまたマークを見れるのは嬉しいことです。


マーティン・シェンク警視(Dermot Crowley)

S1では、監察担当としてルーサーの調査を行い、S2から凶悪な連続殺人犯を追う捜査チームを率いたシェンク警視。彼は、その捜査チームにルーサーを引き入れるために「必死に戦った、汚い手も使った」らしい。

S5の最後、ルーサーはシェンクによって逮捕されます。ルーサーのツイードコートを脱がせ、手錠の上にそれをかけたシェンクは悲しそうでした。けれども、ジョンにかけられた嫌疑はいずれ晴れることでしょう。


ルーサーがコーネリアスについて真実を語ってくれなかったこと、自分よりも仕事を優先させたことで、アリスは誰にも止められないほど、まさに怒り狂っていました。そうであっても、ジョンを殺すことはできませんでした。ルーサーが亡くなった妻をいつまでも愛したように、アリスは死ぬことで、ジョンに再び愛されることを望んだのでしょうか。

それとも、自分のことを十分に気にかけてくれなかったジョンに対する罰だったのでしょうか。もしかしたら、ジョンが逮捕されることを見越して、彼ではなくすべては自分がやったことだとわからせるためにしかけたことなのでしょうか。

今回のアリスの最期のシーンは、まさにファーストシーズンのオープニングを思い出すものでした。それだけで、このシリーズも遂におしまいなのではと、思ってしまいます。もし次があるのなら、3年も待たせないでほしいです。とはいえ、ルーサーの相棒になる命知らずの人はいるのでしょうか。