misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ『ベイツ・モーテル』シーズン1

ヒッチコックのサスペンス『サイコ』の前章ドラマとして話題の『ベイツ・モーテル』をDVDで借りて見ました。前章といっても、時代設定は現代(最近このパターンが多い)です。アメリカではすでにシーズン5まで決まっています。

とはいえ、最初の数話を見てダメだったら、そのままやめようと思って見てみたら、これが意外に面白い。このドラマを見ている人で、当時の『サイコ』をリアルタイムで見た人って少ないですよね。というかヒッチコックも知らないかも。さすがの私(年齢のことですけど)も見ていません。白黒のシャワーのシーンだけはどこかで見たことがあるというくらい。それで、ネットでちらっとイメージを見てみたら、『ベイツ・モーテル』のノーマンは、『サイコ』の元祖ノーマンによく似ています。意識したキャスティングでしょうか。

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ノーマン役はフレディ・ハイモア(Alfred Thomas Highmore)。英国の俳優で『チャーリーとチョコレート工場』の子役として有名らしいですが、彼も大人になり、ドラマを撮影している間、ケンブリッジの学生と俳優業を両立させ頑張ったそう。『ベイツ・モーテル』ではその童顔で、あどけない素直な表層の下には抑圧された計り知れない狂気が何層にも張り巡らされているという青年を好演しています。

そして、その母親ノーマ役はヴェラ・ファーミガ(Vera Ann Farmiga)、『マイレージ、マイライフ』でアカデミー助演女優賞にノミネート、最近では『ジャッジ 裁かれる判事』が記憶に新しいです。直情的(過ぎるでしょう)だけど、どこか憎めなくて、可愛いらしい(ともとれる)母親がピッタリ合っています。

父親が急逝し、高校生のノーマン・ベイツは母親ノーマと共にオレゴンの町(架空の町です)に引っ越してきます。ノーマは抵当流れの古いモーテルと隣接する家屋を買い、モーテルを「ベイツ・モーテル」と名付けて再開業しようと奮闘します。このモーテルが『サイコ』の舞台となったところです。

想像していた通り、ノーマとノーマンの親子愛(といえるかどうか)がすごいです。息子を溺愛し、守りたい、独占したい、コントロールしたいノーマに、ただただ呆然なんですけど、それも最初のうちだけ、そのうちノーマの暴走が面白くてひたすら笑いながら見ていました。

ノーマにはもう1人、息子ディランがいる(ノーマンの異父兄)のですが、ノーマたちが引っ越したのをどこかで聞きつけて、彼らのところに転がり込んできます。ディランは長男気質といいましょうか、常に空気を読んで、なんだかんだと結局のところ、母と弟のことを気遣います。この子が健気で涙を誘うんですよね。最初はディランのことを邪魔者扱いしていたノーマがいつしか長男を頼り、心通わせるシーンが良いです。(下の写真がディラン)

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どのエピソードも展開が速く、次が楽しみに。テレビドラマとしてのクォリティも高いと思います。見る前はもっどドロドロしたホラー色の強いストーリーかと思っていた(あの、ドラマのポスターがね、そんな感じなのです)のですが、それほどでもなく、想像していたよりずっと面白かったです。シーズン2も見たいです。

ベイツ・モーテル DVD-BOX

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