海外ドラマ Showtime『ホームランド』シーズン6
9月に娘とドイツ旅行に行ったことを書きたいと思っていたんですが、旅行から帰るや否や仕事が多忙になり、自宅でPCに向き合う時間が取れません。今週末やっと2日間休むことができました。時間は作るものといいますが、これがなかなか難しいです。
さて、FOXテレビで『ホームランド』シーズン6を放送していたのは、春頃でしょうか?見終わってからずいぶん経ってしまったんですが、ちょっと振り返ってみたいと思います。
シーズン5はベルリンでサリン被害にあったクインのベッドサイドにいるキャリー・マシソン(クレア・デインズ)のシーンで終わりました。
YouTubeにそのときのシーンがあります。このラストは少々感傷的です。クインは世界を、キャリーを少なくとも何度救ったでしょうか。
Quinn & Carrie - Yours for Always (5x12) - YouTube
シーズン6では舞台をNYに戻します。キャリーは今までの経験を生かし、不当な扱いを受けるムスリムを助けるプロボノの法律事務所に勤めています。 優秀な人は場所を変えてもすぐに自分が活かせる有益な仕事が見つかるものなんですねー。
クインはというと、NYの病院で理学療法を受けていました。言葉は鈍り、動きを損なわれた彼は、周囲の誰にでも怒りを覚え、うつ病に陥ったようでした。看護師はキャリーに彼女の訪問が特に彼を怒らせると言い、医師は頻繁に病院に来ないよう伝えます。そして、キャリーがクインを見舞うと 「私を逝かせてくれ」と頼むのです。
キャリーはクインに責任を感じています。彼がこうなってしまった一因は彼女にもあるでしょう?しかし、キャリーの存在感は、クインの退院後、キャリーのアパートの地下に彼を置いた後でさえ、彼を自己破壊的な螺旋へと向わせます。
私は、クインを助けようとした旧友(というか元GF)ドイツ連邦情報局のアストリッド(ニーナ・ホス)の身に起こったことで、彼の行く末がわかってしまったんですよね。きっとクインは自分を許すことができないだろうと。
各シーズンでキャリーの立場が変わるたびに、テロリストの描画も変わってきますねー。今回は、アメリカで生まれ、アパートで母と妹と一緒に住んでいるナイジェリア人移住者のセコウ(ジャマル・マロリー・マクリー)がウェブサイトでテロを誘発した疑いで逮捕されるところから話しはスタートします。
ときどき、このドラマの主旨を忘れてしまうんですが、本来は『24』のようにテロと闘うという壮大な(!)テーマを持っていたはずです。が、それを目的にこのドラマを見ると肩透かしにあうかもしれないです。
キャリーは今やCIAにはおらず、ソールとの関係も希薄です。彼らが同じ時間を共有したシーンはどれだけあったでしょう。ソール&ダールのおじさんたちは、勝手なことをしていますが、それはかなり退屈だったと思うのは私だけでしょうか。
シーズン8まで続くそうなので、残す2シーズンは、キャリーにはCIAにカムバックしてソールとタッグを組んでほしいなと思います。
アストリッド役のドイツ人ニーナ・ホスは、日本でも主演映画が公開されているのをご存知ですか。非常に存在感のある女優さんです。
『東ベルリンから来た女』
1980年、当時社会主義国家だった旧東ドイツの田舎町を舞台に、国外脱出を計画する女性医師の姿をサスペンスフルに描いた人間ドラマです。
『あの日のように抱きしめて』
「東ベルリンから来た女」のクリスティアン・ペッツォルト監督と主演のニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルトの3人が再び顔を合わせた映画です。
第二次世界大戦終戦後のベルリンを舞台に、強制収容所から生還した元歌手のユダヤ人女性と、容貌の変わった彼女に気付かない夫の関係を描いています。
どちらの映画も、派手なBGMはなく物語は淡々と進みます。そしてラストはほろ苦いです。ニーナ・ホスの表情が変わってゆくのをぜひ見てみてください。