misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ Netflix『マインドハンター』

昨年見たドラマの中でかなり面白かったです。1970年代後半、殺人犯の心理を研究して犯罪科学の幅を広げようとするFBI捜査官二人。犯罪心理学とプロファイリングが誕生するまでを描いています。 デヴィッド・フィンチャーが監督・製作総指揮したことでも話題になりました。

以下ネタバレ含みます。

 f:id:misasa104:20171125203632p:plain
https://www.netflix.com/jp/title/80114855

 

もろ好みのドラマです。刑事(ここではFBI捜査官)のバディもの、刑務所でのインタビュー、薄暗いアメリカン・ダイナーでの会話、リアリティのある疲れた刑事たち、、好物なものばかりです。

 

オープニングシーンでは、FBIの行動科学ユニットのホールデン・フォード(ジョナサン・グロフ)が、銃を持った男が何人かを人質に取り立てこもった現場に到着します。ホールデンは、慣習的なメガホンを横に置き、穏やかに犯人と話そうと試みます。その後、予期しないことに、犯人は銃を喉にかけ、引き金を引いて頭を吹き飛ばしてしまいます。そして人質は無事に保護されます。

FBIは、これを勝利とし事件を片付けますが、ホールデンはそうしません。犯罪者の心理を理解しようとすることにほとんど価値がないとする連邦組織のなかで、ホールデンだけはこの結末に納得していませんでした。

ホールデンは有罪判決を受けた殺人者とのインタビューを行うことで、彼らを理解し、最終的には犯罪者の行動を先取りし予測するツールを作れると信じています。所長のシェパード(コッター・スミス)は、この懐疑的な部門を引き受けます。

ホールデンとパートナー、ベテラン捜査官のビル・テンチホルト・マッキャラニーは、地下室から外に出て、米国で最も有名な受刑者たちにインタビューすることに。彼らの最初に向った先には、6フィートもあるエドモンド・ケンパー(キャメロン・ブリットン)がいました。彼は過去に凶悪な事件を犯していました。

 

途中でこのプロジェクトに参加するのは、大学で心理学を教えるウェンディ・カー(アンナ・トーヴ、『フリンジ』でスターになった人です)で、彼女は研究の傍ら二人の男性に助言し、後にクワンティコでフルタイムのポジションを得てプロジェクトの正式メンバーとなります。

彼らの私生活についても描かれます。ホールデンは、社会学の大学院に通うデビー(ハンナ・グロスという名のガールフレンドがいます。彼らの無頓着な会話も意味ありげで興味深いです。しかし、彼らの距離はだんだんと離れていき、デビーは自分の将来に悩み、「あなたは、異常者の話しを聞くニッチな仕事を見つけられていいわね」などと嫌味を言うように。
後のエピソードで、二人が最後に会ったとき、不機嫌そうなデビーに「何を考えているの?」と問うも「あなたは人の心を読むのが得意でしょう」と返されたホールデンは、的を得た分析を自分の口から聞くことになります。そして彼は自分がやるべきことに気付きます。

また、ビルの自宅には愛しい妻と3年前に養子となった6歳の息子がいます。しゃべろうとしない息子に「気が重い」とビルは言います。一方、ウェンディはレズビアンでGFよりも仕事を選んだようでした。白ワインのグラス、地下の洗濯室、迷子の猫のためのマグロ缶は、彼女の孤独を映し出しているのかもしれません。

 

ホールデンとビルは、ときにトリッキーな事件で苦しんでいる地元警察のコンサルタントを引き受けます。これらのミニミステリー(元祖クリマイという感じです)は、より大きな流れのシーケンスとは別に注意深く複雑に行われ、二人のエージェントがインタビューで学んだことを実践する場になっています。

同僚以上だけれども友人以下のような二人の関係は、このドラマの最大の魅力です。ビルはホールデンが暴走しないためのストッパーでもありましたが、ホールデンは慢心するようになり一人で突っ走ります。その結果、彼が見たものは・・・。

 

ジョナサン・グロフは『Glee』でジェシー役として出演していました。レイチェルと図書館で一緒に歌ったシーンは今でも覚えています。軽いノリのイケメン生徒が似合っていましたが、こちらの役では好奇心むき出しの才能豊かなFBIエージェントを熱演しています。

 

 

最近、Netflixマンハント ユナボマーを見ました。
全米を震撼させた爆弾魔で天才数学者でもあったユナボマーことテッド・カジンスキーを描いたドラマです。

犯人の言葉使いと思想をヒントにし、長年探し出すことができなかった犯人を捕まえるというお話しです。カジンスキーが学生だった頃の回想シーンは、見ていて居たたまれなかったですが、ドラマとしては面白かったです。

マインドハンターが好きな人は、こちらもおすすめです。