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小説『ノア・P・シングルトンの告白』エリザベス・L. シルヴァー

翻訳小説

ノア・P・シングルトンはペンシルヴェニア女子刑務所にいる死刑囚です。既に獄内で10年の歳月が過ぎ、35歳になっています。処刑日が半年後に迫り、まもなく終止符がうたれようとしています。そんな時、恩赦の申請を検討中だという二人の弁護士が訪ねてくるのですが、それは被害者の母親と、その下で働く新人オリバーでした。

主人公の一人称で物語は進みます。ノアの語り口は必要以上に皮肉っぽいのですが、ユーモアがあり知性の高さを感じさせます。果たしてノアは恩赦を受けることができるのでしょうか。

ノア・P・シングルトンの告白 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ノア・P・シングルトンの告白 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

 

・『凍える墓』ハンナ ケント
舞台は1829年アイスランドで、実話を元にした物語です。殺人罪で死刑宣告を受けたアグネスは、刑執行までの間を行政官ヨウンの農場で過ごすことになります。ヨウンの家族は彼女を恐れ、またアグネスの魂を導く役を担う牧師補トウティも、心を閉ざした彼女に戸惑います。

お互い敵対していたアグネスとホスト・ファミリーは時間をかけて、雪が溶けるように変化していきます。当時のアイスランドの、過酷だけれども美しい農村の景観の描写も素晴らしい。ミステリーというよりは文学小説といっていいかもしれません。

凍える墓 (集英社文庫)

凍える墓 (集英社文庫)

 

 

今回たまたまシチュエーションが似た上記2冊を続けて読みました。両方とも主人公は30代の女性死刑囚で、彼女たちの回想や語りから、事件の真相が解明されてゆきます。

舞台や時代背景、小説の趣は違いますが、共通点も多く、興味深く読みました。『凍える墓』のほうは、ゲイリー・ロス監督&ジェニファー・ローレンス主演の「ハンガー・ゲーム」タッグで映画化が予定されているようです。