misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

2021年6月 海外ドラマ、映画、海外ミステリー小説 感想

Amazonプライムデーの少し前にオプション・チャネルの二ヶ月間99円キャンペーンをやっていたのを見つけ、スターチャンネルEXとSTARZPLAYを申し込みました。

海外ドラマ

AXNのシカゴ・シリーズは録画していますが、まだ全部観れていないので、途中までの感想になっています。

インベスティゲーション(スターチャンネルEX)2020

2017年にスウェーデンの女性記者がコペンハーゲン近海で切断遺体となって発見された「潜水艇事件」を、捜査を担当したベテラン捜査主任の視点でドラマ化した作品。

f:id:misasa104:20210626165930p:plain
インベスティゲーション公式サイト | 映画・海外ドラマのスターチャンネル[BS10]
タイトルが示す通り、捜査チームに焦点を当てたドラマ。クライムドラマとしては珍しく容疑者は一切画面上に登場しない。なのでドラマではお馴染みの犯人を追跡したり取り調べをするシーンはない。友人の話しやPCの閲覧履歴から容疑者の人となりの一部を知ることができるだけだ。
容疑者は事故を主張。殺人であることを証明するには死因の特定が必要となる。そのためには発見されていない遺体を探すしかないということで、バラバラにして投棄された遺体を海から回収する。なんとも無謀な仕事に思えるが、犬や研究者の力を借りてやってのける。実話だと知らなかったら、脚本によるものだと思ってしまうところだけれど、この作品には視聴者受けするような派手な脚色はほとんどない。そのせいで、ペースが遅く退屈だと感じる人がいるかもー。

わたしは、自分が担当する仕事をプロとしてこなす人々に感動したし、本筋とは関係ないが、北欧の風景や自宅のインテリアの美しさを堪能した。
ベテランの俳優陣による抑制のきいたパフォーマンスが素晴らしく、非常に説得力があったのも良かった。
遺族に配慮したドラマ化だったのだと思う。

ザ・キャプチャー 歪められた真実(スターチャンネルEX)2019

戦犯の無実が証明されたばかりの元兵士が、身に覚えのない監視カメラ映像により暴行拉致容疑をかけられ再び追われる身に。果たして映像は真実を捉えているのか?

f:id:misasa104:20210626170835p:plain
ザ・キャプチャー 歪められた真実公式サイト | 映画・海外ドラマのスターチャンネル[BS10]
監視カメラ大国のBBCによるスリラー・ドラマ。
戦争犯罪で有罪判決を受けた英国の兵士ショーン・エメリー(カラム・ターナー)は、裁判で無罪を勝ち取り解放される。エメリーの法廷弁護士が、アフガニスタンでの殺害を描写したビデオに欠陥があったことを証明したからだ。その数日後の深夜、監視されているCCTVのライブ映像には、彼の弁護士ハンナ・ロバーツと激しく口論するエメリーが映し出されていた。そして、彼女はその後行方不明に。

もちろん、彼はすぐに捕らえられるが、証拠のビデオを見せられたショーンの反応を目の当たりにして、昇進したばかりの野心的な刑事レイチェル・キャリー(ホリデイ・グレインジャー)は、疑問を持つ。そこでエメリーの過去を掘り下げ、ビデオの証拠でさえ真実であるとは限らないということに気づく。

想像以上に大がかりで組織的な陰謀があったことはわかったけれど、ラストは予想外だった。これは次シーズンへつなげるためのものだったのでしょう。シーズン2に期待。

Lupin/ルパン(Netflix)2021

ついにパート2が配信された。パート1からの続きからスタート。

f:id:misasa104:20210629110923p:plain
Lupin/ルパン | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
勝手にパート2で終わりかと思っていたら、パート3に続くんですね。
オマール・シーの魅力は全開だけれども、変装してもその大きな身体で彼だとわかってしまいそうなもの。もう、このドラマはファンタジーだと思うことにしましょう。次パートはどういった展開になるのか先が読めないだけに楽しみ。

BLACK SPACE/ブラックスペース(Netflix

イスラエルの高校で発生した銃乱射事件。ユニコーンのマスクをかぶった殺人者たちの正体を突き止めるため、​はみ出し者の捜査官が動き出す。

f:id:misasa104:20210629180918p:plain
Black Space | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
普段は学園ものはあまり見ないが、イスラエルのドラマという珍しさで観てみることに。
高校生活の描写は、喫煙、飲酒、麻薬取引と何でもあり。どこかの国とあまり差異はないようだった。女子高校生役の二人がよく似ていて途中迷子になりそうだったが、なんとかついていった。
ショーを牽引した捜査官ダビデ役のグリ・アルフィはコメディアンでもあるそう。役によってがらりとイメージが変わるのかも。

LAW & ORDER: 性犯罪特捜班 シーズン22(FOX/Hulu)

サプライズ・ゲストが続けて登場。第4話ではバーバが久しぶりに登場し、裁判ではカリシとの子弟対決に。第6話ではウェントワース・ミラーが戻ってきた。これが最後にはなりませんように。

シカゴ・ファイア シーズン8(AXN)

作中、オーチスの話題が出るたびに泣く、クルースのプロポーズを見ては泣く(何やっているんだか)。最初の頃はほとんど台詞がなかったキャップの出番が増えて嬉しい。

シカゴ P.D. シーズン7(AXN)

新メンバーが仲間入り。今後の成長と活躍に期待したい。

シカゴ・ジャスティス(AXN)

シカゴ・シリーズの中で、このドラマが本家に一番近い気がして、なんとも懐かしい気持ちに。

映画

Huluで『マイ・プレシャス・リスト』が公開されたので、再度観てみた。疲れているときはこのくらいハート・ウォーミングな映画じゃないとー。何がいいって、深夜の法律事務所での仕事。所員が誰一人いないオフィスで、バイトが数人いるだけという、なんとも羨ましい環境なのです。

私の知らないわたしの素顔(WOWOW

f:id:misasa104:20210620093048p:plain
映画の「サスペンス/ミステリー」カテゴリーにあったので観てみた。
パリに暮らす50代の大学教授クレール(ジュリエット・ビノシュ)は、ほんの出来心からFacebookで「24歳のクララ」に成りすまし、年下の元恋人の友人アレックスにコンタクトをとる。メッセージを交換するうちに、アレックスとクララは恋に落ちてしまい、事態は思わぬ方向に展開していく。
最初は、嘘をつきSNSでバーチャル恋愛にドハマりするわたしと同年代のクレールが痛々しくて目も当てられなかったのだけれど、彼女がセラピストに告白したことで、その辛い過去を知り、多少は共感もできるように。

映画後半に挿まれる彼女の空想の物語が、ビノシュが演じているせいか、然もありなんという感じがして違和感がない。この物語がメインになっていないところが、この映画の肝なのかもねー。エンディングは怖かったけれど。
ビノシュも美しいが、クレールのセラピスト役のニコール・ガルシアの美しさよ。

小説

通勤途中の電車の中でひらすら読み、仕事の休憩時間にもひたすら読む。現実逃避に走る今日この頃です。

血の葬送曲

スターリン体制下のレニングラードで、歯を抜かれ、顔の皮を剥がされた5つの死体が線路に並べられるという事件が起きる。人民警察の警部補ロッセルは、捜査を進めるうちに、連続殺人犯の正体を突き止められるのは元ヴァイオリニストの自分しかいないと気づく。
冷戦期の共産主義国家を舞台にした警察捜査小説で、ミステリーとしても面白かったが、なんといっても、この時代の様子が衝撃的だった。選択を間違えただけ、誰かに密告されただけで秘密警察に捕まり、そのまま行方不明になってしまう日常・・。こんな時代に、どういう気持ちで生きていけばいいのだろうか、、想像もつかない。
続編が出たら、必ず読みたいと思う。

三時間の導線 グレーンス警部

ストックホルムの遺体安置所に「あるはずのない」死体が置かれていた。調査を始めたグレーンス警部と捜査陣は凄惨な光景を目撃することに。そしてその場に残された指紋から割り出された人物とは。「三」シリーズの第三弾。
ポーランド・マフィア、南米ときて、今回はアフリカが舞台となる。ピート・ホフマンは西アフリカで働いていたのだ。
上巻ではグレーンス警部の無茶ぶりに腹が立ったけれど、下巻では64歳のグレンースが奔走する姿に拍手し、ピートの子どもたちの成長を知って温かい気持ちに。

闇という名の娘

アイスランドのミステリー。Amazonの紹介文の通り、「誰もが想像できない結末――読み終えてストレスがたまること請け合い」だった。なんともいえない気持ちのまま、この気持ちをどこに持っていたらいいのか。
レイキャヴィーク警察・犯罪捜査部の女性刑事フルダ・ヘルマンスドッティルは定年間近の64歳(グレーンスと同じ)。彼女は誤解していたかもしれないけれど、後に続く世代から尊敬されていたのだと思う。フルダを主人公にした小説は三部作になっていて、彼女の年齢が遡って描かれているのだそう。次を読むしかないでしょう、これは。

死ぬまでにしたい3つのこと

このタイトルから、かなり前に観た『死ぬまでにしたい10のこと』という映画を思い出した。
スウェーデンを代表する企業の社長令嬢が大量の血痕を残して失踪した。未解決のまま時が過ぎた十年後、同じタトゥーを入れた少女の死が判明する。ある事情から素性を隠し再捜査に加わったFBI捜査官ジョンが、事件解決に挑むというもの。
スウェーデンで100人に1人が読んだ話題作らしい。わかりやすいオチが万人受けしたのかしら?この邦題に期待して読むと肩透かしにあうかも。

危険な男

私立探偵を営む、海兵隊あがりの元警官ジョー・パイクは、銀行の帰りに窓口の女性イザベルの誘拐現場を目撃し、彼女を救い、二人組の犯人を警察に引き渡したのだが。
寡黙で実力派のジョー・パイクは、まさにこうあってほしいと思うような理想の探偵。ジョーが主人公の小説の邦訳は約十年ぶりという。次はもう少し早いと嬉しいけれど。

集結 (P分署捜査班)

P分署の最新刊『誘拐』を読む前に、まずはこちらのシリーズ1作目を読了。
本書はイタリア版87分署シリーズと言われているらしい。わたしはデンマークの『特捜部Q』、フランスの『パリ警視庁迷宮捜査班』シリーズに似ているかなと。
ナポリでも治安最悪の地区にあるピッツォファルコーネ分署で、汚職により捜査課に大量欠員が発生。そこで各地から腕ききだが問題のある警官たちが送りこまれ、急造で捜査チームが結成されるというもの。
個性的で愛すべき面々が事件を解決に導く。イタリア人の名前に慣れなくて読むのが難しいけれど、ストーリーは軽妙な語り口でスピーディに展開されるのですいすい読める。読みたいシリーズがまた増えた。

寒慄【かんりつ】

アルプスの山中で開催されたスノーボード選手権で、女性選手サスキアが姿を消してから十年後、当時の関係者のミラは四人の元選手と再会する。密室状況のサスペンスを描く。
アガサ・クリスティーを彷彿させるような展開。スポーツの世界では勝つことが最も重要なんですねー。共感できる女性は登場しないけれど、真相を知りたくて最後まで読まされてしまった。

氷結

警部セルヴァズ シリーズの最新刊を先月に読んだことから、シリーズ最初から読んでみたくなった。順番は『氷結』⇒『死者の雨』⇒『魔女の組曲』で、このうち1作目と2作目を読んだ。
『夜』に登場する殺人鬼ハルトマンがなぜセルヴァズに執着するようになったのか、その過程がわかりスッキリ。それにしても、この本は作者の一作目というのだから驚き。ところどころで「おいおい!」と思ってしまうのだけれど、その面白さで一気読み必至なのだ。

2021年5月 海外ドラマ、映画、海外ミステリー小説 感想

5月はGWは休めたのはいいんですが、その後はひたすら忙しく、帰宅してから、なかなかPCに向かう気になれない日が続いていました。なので、思い出せるものだけピックアップして、2021年5月に観たドラマ、映画、読んだ小説のことを備忘録として書きたいと思います。

海外ドラマ

1つ目の『イノセント』以外は全てディック・ウルフのドラマになっています。すごい!

イノセント(Netflix

f:id:misasa104:20210529211542p:plain
イノセント | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
Netflixの『SAFE 埋もれた秘密』『ストレンジャー』『その森へ』に続くハーラン・コーベン原作のドラマ。今回の舞台はスペインの都市バルセロナ
マットは大学生のときに誤って人を殺してしまい、4年間の刑務所生活を余儀なくされる。出所後は、法律事務所でパラリーガルとして働き、結婚もし、平凡な幸せを取り戻しつつあったが、待望の子どもが生まれるという頃、彼の人生はふたたび大きく狂い始める。
ようやくNetflixで観たいドラマが出たと『イノセント』をクリック。群像劇のような撮り方は凝っているし、最初のほうこそ、ワクワクしながら観た。
このドラマを手放しで面白い!と思うには、オリビアのついた嘘を許せるかどうか、かもねーなどと思う。わたしは、女性に対する様式化された暴力描写がしつこくてうんざりしてしまった上に、取ってつけたようなオリビアが襲われるシーケンスが、マットや視聴者の同情を誘うための追加スクリプトのように見えて一気に冷めてしまった。

このドラマはスペインのオリオル・パウロが監督をしている。彼の映画は『インビジブル・ゲスト』と『ロスト・ボディ』しか観たことがないけれど、最後にあっと言わせるようなスリラーが得意のよう。

FBI2:特別捜査班(WOWOW

f:id:misasa104:20210530101537p:plain
FBI2:特別捜査班 | ドラマ | WOWOWオンライン
オフィス・シーンではまずFBI特別捜査官アシスタントのデュバルがドアから入ってきて、歩きながら大声で指示出し。そして、そのそばから局員が次々に報告を上げる、というのがお決まりに。全体的に動的なカメラワークが多いのは、緊張感や臨場感が味わえるようにとのことかしら。少々政治色が強いような気もするけれど、毎週欠かさず観ている。

FBI:Most Wanted~指名手配特捜班~(WOWOW

こちらも毎週鑑賞。このショーの継続はジュリアン・マクマホンにかかっている?

LAW & ORDER: 性犯罪特捜班 シーズン22(FOX/Hulu)

シーズン21が終了し、引き続きシーズン22がスタート。早くステイブラー刑事が登場しないかと、心待ちにしている。

シカゴ・ファイア シーズン8(AXN)

あぁ、オーチス!彼は多くの人にとってずっと残ってほしいキャラクターだったはず。今までの彼のことを思い出し喪失感に苛まれてしまった。
(´;ω;`)

シカゴ P.D. シーズン7(AXN)

しばらく引きずってきた市長ケルトン問題は決着へ。このことで、ルゼックも以前のように活躍できるようになりそう。

シカゴ・ジャスティス(AXN)

シカゴ・フランチャイズに加わったけれど、1シーズンで終わってしまったドラマ。放送されるのをずっと楽しみにしていた。

映画

ジェントルメン

f:id:misasa104:20210530150418p:plain
映画『ジェントルメン』公式サイト|大ヒット上映中!
ガイ・リッチー監督作品というだけで、どういう内容かよくわからず映画館へ行った。映画が始まると、スクリーンには豪華な面々が次々に登場するので、思わず興奮してしまった!
ロンドンのマリファナ・キングのミッキー(マシュー・マコノヒー『トゥルー・ディテクティブ』)が、大麻ビジネスのすべてを売却して引退するという噂が駆け巡った。その噂を耳にした強欲なユダヤ人大富豪(ジェレミー・ストロング『キング・オブ・メディア』)、ゴシップ紙の編集長(エディ・マーサン『レイ・ドノヴァン』)、私立探偵フレッチャー(ヒュー・グラント『英国スキャンダル〜セックスと陰謀のソープ事件 』)、チャイニーズ・マフィア、ロシアン・マフィア、下町のチーマー(コリン・ファレル『トゥルー・ディテクティブ2』)といったワルたちが一気に動き出す。
ミッキーの妻役はミシェル・ドッカリー(『ダウントンアビー』)が、右腕にはチャーリー・ハナム(『サンズ・オブ・アナーキー』)がキャスティングされている。
※『』内は敢えて出演しているドラマを記載していますが、実際には多くの映画に出演している方々です。

映画の最初のほうは静的でやたら説明っぽくて飽きそうになったが、後半からは嬉し楽しい展開に。ヒュー演ずる「ゲスな探偵」が、ミッキーの自伝映画の制作を目論んでいることから、彼が映画で作りたいミッキーの物語を私たちは見せられていることに気づく。もちろん、彼は「信頼できない語り手」なんだけれど、それがまた愉しい。チーマーたちのファッションにも目が釘付けに。

f:id:misasa104:20210530151426p:plain
マイケル・ウィルキンソンが衣装担当だそうで、以下に解説があります。
ガイ・リッチー監督『ジェントルメン』衣装担当のマイケル・ウィルキンソンがデザイン解説!衣装スケッチ&場面写真解禁 | anemo

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ(Netflix)2021

f:id:misasa104:20210530154011p:plain
ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
A・J・フィンの同名小説を原作に、広場恐怖症を抱えた主人公が、隣家で起きたた恐ろしい場面を窓越しに目撃したことをきっかけに、不可解な出来事に翻弄されていく姿を描く。
公開を楽しみにしていた。自宅に閉じこもり化粧なし、ぽっちゃりした主人公をエイミー・アダムスが熱演している。けれども、彼女を以てしても、吸引力に欠けるような気がしてしまう。ミステリーとしての意外性はなく、目新しいものがないからか。

タルーラ彼女たちの事情(Netflix)2016

上の『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』を見終わった後に、「これもどうぞ」とNetflixに勧められたので観てみた。
他人に頼ることを拒み、身を寄せる場所もなくワゴン車でその日暮らしに徹するルーはふとした偶然から、育児放棄した母親から赤ちゃんを衝動的に「救出」したものの、どうすれば良いのか途方に暮れ、元彼の母親であるマーゴに助けを求める。
ルーとマーゴ、そして、自分本位で育児に向かない母親キャロリンも含めて、映画の中で成長していく女性たちが愛おしく感じた。

www.youtube.com

小説

ざわめく傷痕

ざわめく傷痕 (ハーパーBOOKS)

ざわめく傷痕 (ハーパーBOOKS)

Amazon
カリン スローターのグラント郡シリーズ第2弾。ウィル・トレント シリーズの最新から約20年前の話しだが、ストーリーはスローターならでは。グランド郡シリーズは久しぶりだったが、前作を思い出し、レナを応援したい気持ちでいっぱいに。

夜 警部セルヴァズの事件ファイル

警部セルヴァズ シリーズはお初。シリーズに登場しているジュリアン・ハルトマンを最初から知りたくなり、シリーズ最初の『氷結』を読み、今は『死者の雨』を読んでいる途中。

海外ドラマ『Law & Order: 性犯罪特捜班 シーズン21』フィナーレそして22へ

シーズン21が終了し、引き続きシーズン22がスタートしますね。少しだけ21を振り返りたいと思います。

以下、ネタバレ含みます。
f:id:misasa104:20210510214312p:plain
LAW & ORDER: 性犯罪特捜班 シーズン21|FOX|FOX ネットワークス

シーズン21の最後は、同シーズン中で扱った4つのケースのその後について描かれていました。そのうち2つは「マンハッタンの真夜中」からで、レオン・フラーの家庭内暴力事件とトランスジェンダーの売春婦ラキラ・ベカの暴行事件。そして、スティーブ・ゲッツの標的になった元刑事の娘、アイビー・ブッチの現在の様子も描かれます。メインはといえば、シーズン21のプレミアでレイプとセクハラで告発されたメディアの大御所トビアス・ムーアの裁判でしょうか。

Law & Order SVUは本家と同様、実際の事件を基にしているスクリプトが多いのは良く知られたところです。第10話「免罪の代償」でスティーブ・ゲッツが投獄されると自殺してしまうのはドラマ仕立てのようにもみえますが、これはジェフリー・エプスタインの事件を基にしているんですねー。実際の事件の方は、Netflixのドキュメンタリーで見ることができます。
ジェフリー・エプスタイン: 権力と背徳の億万長者 | Netflix


このシリーズは、事件が解決しても、それで終わりにはならないこと、被害者は必ずしも正義を得られないことを、今までにも幾度となく示してきたように思います。


気になるところでは、裁判のことでプレッシャーがかかるカリシをロリンズが「飲みに行かない?」と誘う場面がありました。今まで二人の関係はロマンスに発展しそうで、そうはならずにここまで来ていますが、今後はどうなるでしょう。
フィンのことも少し気がかりです。最終話で訴えられたことは、次シーズンで言及されるでしょうか。


さて、引き続きシーズン22を放送してくれるとのことで、嬉しいです。22では、お待ちかね!シーズン12で降板したクリストファー・メローニ演じるエリオット・ステイブラー刑事が登場ですねー。楽しみ。スピンオフ『Law & Order: Organized Crime』の放送も期待しています。


海外ドラマ 『デッドウォーター・フェル~虚像に殺された家族~』 感想

GW中、WOWOWオンラインのサムネイル画像にデヴィット・テナントを見つけ、すぐにクリックしました。
英国チャンネル4で制作されたミニ・シリーズです。

以下ネタバレ含みます。

f:id:misasa104:20210505094344p:plain
デッドウォーター・フェル~虚像に殺された家族~ | ドラマ | WOWOWオンライン

スコットランドの小さな村に暮らすケンドリック一家。トム(デヴィット・テナント)は開業医で妻ケイトは小学校の教師、3人の娘がいます。ケイトの親友で同僚のジェス(どこかで見たことがある、と思っていたら『グッド・ファイト』のクシュ・ジャンボ)とその恋人で警官のスティーヴ(『The Bay』のニック役が記憶に新しいマシュー・マクナルティ)、彼の2人の息子とも家族ぐるみの付き合いで楽しい日々を送っていた。

しかし、夜中にトムとケイトの家が炎に包まれたとき、居心地の良い小さな村の平和は打ち砕かれます。スティーヴたちの懸命な救助にもかかわらず、トム以外の全員が死亡。その後、家族全員に薬物が注射されていたことが分かります。火事の真相は?産後うつに苦しんでいたケイトによるものだったのか?

疑惑がトムに降りかかるのはそう長くはかかりません。良い人も悪人もこなすデヴィット・テナントが、事件の真相の鍵を握るトム役なんですねー。ハンサムなんだけれども、痩せた身体にぎょろっとした目が怖い。


ドラマは特に凝ったねじれもなく、結末は想像した通りだったんですが、わたしはこれを観ている間、あるドキュメンタリーが頭から離れませんでした。

f:id:misasa104:20210509131702p:plain
アメリカン・マーダー 一家殺害事件(Netflix)

それは、コロラド州でシャナン・ワッツと幼い娘2人が失踪した事件の顛末をたどるドキュメンタリー『アメリカン・マーダー 』です。シャナンは日頃から、家族の写真や動画をSNSに公開していたことから、それらを含め、メディアや警察が撮影した映像をそのまま使用していました。

途中から犯人が誰かは明確になりますが、それは衝撃的で信じ難いものでした。人はそこまで利己的になれるものなのか、なぜ他の選択ができなかったのか、など色々な気持ちが渦巻いてしまいました。

もしかしたら、『デッドウォーター・フェル』はこの事件にインスパイアされて作られたドラマなのではないでしょうか。


2021年4月 海外ドラマ、映画、海外ミステリー小説のこと

どこまで続くかわからないですが、4月に観たドラマ、映画、読んだ小説のことを今月も書きたいと思います。4月は本当に久しぶりに、近所の映画館に足を運びました。観たのはアカデミー賞3冠の『ノマドランド』で、やはり大きなスクリーンはいいなぁとしみじみ思いました。

海外ドラマ

気付いたら、ほぼWOWOWばかりになっている。最近はNetflixで観たいドラマが見つからない。料金改正で値段は上がったのに見るものがないとは(;ω;)

エージェント・ハミルトン~裏切りのミッション~(WOWOW

f:id:misasa104:20210405180401p:plain
スウェーデン発の人気スパイ小説のドラマ化。ハミルトンは過去に映画化もされている。
ドラマはストックホルムで起きた爆破テロ事件が幕開けとなる。その日、ハミルトンはあるミッションのため、アメリカから戻ってきていた。彼の行動は謎が多いものの、アクションは見応え十分で、緊迫感があってグイグイ引き込まれた。けれど、最後まで見終わった後でも、結局CIAは何がしたかったのかよくわからなかった。うーん、次シーズンを見ればわかるのかしら?

The Bay ~空白の一夜~(WOWOW

f:id:misasa104:20210429110903p:plain
ITVのクライムサスペンス・シリーズ。どこか既視感あるなぁと思ったら、そう『ブロードチャーチ』ですかね?
海辺の町で双子の高校生が失踪。事件を担当する刑事リサ・アームストロングが容疑者と抱えた秘密とは?捜査の行方は?
イギリスらしいよくできたサスペンスで、一気に鑑賞した。ーけれど、主人公リサには共感はできなかったし、母親が忙しく働いているからってあの子どもたちはどうなの?と思わざるを得なかった。双子に起きたことは受け入れることができたとしても、リサの子どもたちをいわゆる"普通の子"としては受け入れ難い。子育てが一層大変なことになっているような気がして滅入ってしまった。

FBI2:特別捜査班(WOWOW

ディック・ウルフのNY FBI支局を舞台にしたドラマの第2シーズンがスタート。シーズン1は捜査官マギーと”OA"の二人がメインだったが、2になるとアナリストだったイゾベルが捜査官になり、その相棒として新レギュラーが追加された。そして、その他の人たちも少しだけスポットが当たるように。今までは本部のオフィスでPCに向かっている調査官みたいな人がそこそこいても、言葉を発することもなくただの背景でしかなかったけれど、今シーズンになってからは彼らの出番も少しずつ増えてきた。ストーリーの幅も広がるだろうか。

FBI:Most Wanted~指名手配特捜班~(WOWOW

上の『FBI:特別捜査班』のシーズン1で初登場した、凶悪な逃亡犯を追う捜査官チームがスピンオフの新シリーズとなった。
本家より、チーム一体感があって好きかな。

LAW & ORDER: 性犯罪特捜班 シーズン21(FOX/Hulu)

こちらも引き続き鑑賞。

映画

ノマドランド』を映画館で鑑賞した以外は動画配信で観たものです。適当にサーフィンしながら選んでいるので、古い映画も含みます。

ザ・ライダー(Amazon/Neftlix)2017

ここに書きました。

ノマドランド 2021

ここに書きました。

ノクターナル・アニマルズ(Amzon/Netflix)2017

2017年に小説を読み、その後映画化されたのは知っていたけれど、小説の中の小説があまりにも暴力的で怖くて映画を見れなかった。最近になってトム・フォードが監督をしていたことを知って興味が湧き、恐る恐る見てみることにした。やはり、映像になるともっと怖い!でも見てしまったら、もう離れられない。一時とて目を離すことができなくなってしまう。

f:id:misasa104:20210425212959p:plain
アートディーラーとして成功を収めているものの、夫との関係がうまくいっていないスーザン。ある日、そんな彼女のもとに、元夫エドワードから小説の原稿が送られてくる。小説のタイトルは「ノクターナル・アニマルズ」つまり「夜の獣たち」。
映画は現実セカイと、小説のセカイが平行して描かれる。元夫(エドワード)と小説の中に登場する夫(トニー)を一人二役で演じるのはジェイク・ギレンホール。言わずもがな、その演技力の高さに目を見張る。

スーザンは小説「夜の獣たち」の主人公トニーの妻に自分を投影させる。小説でトニーの娘に危害が及ぶと、スーザンは自分の娘に電話をして無事を確かめるくらいに。
もちろんトニーはエトワードなのでしょう。
では夜行性の獣とは誰か?えーと、ここに眠ることができない人がいるではないか。スーザンは不眠症で、医者に観てもらうよう、友人に言われていたのでは?

最初の結婚生活中に、後に二番目の夫になる母親お墨付きの男性に付き添ってもらい、密かにエドワードとの子を中絶し、あっさりエドワードを捨てたスーザン。母親のような物質主義者になりたくないと言いつつ、結局母親と同じ道を行くスーザン。獣は、スーザンのことだったのでは?

それにしてもー。あのオープニングは、本当にトム・フォード?と不快な気持ちで観た。あれは虚飾に満ちた生活を送るスーザンを蔑む表現だったのかもしれないという気もするが。

スーザンが小説を読み終えた後、元夫に再会するために選んだ店は高級和食店、服はこれ見よがしの官能的なドレスだった。エドワードはこの勘違い女をどこかでこっそり見ていて、さっさと見限ったのではなかろうか。
ところで、スーザンの現夫、(破産寸前だが)リッチでスタイリッシュ、イケメン浮気夫を演じるのはアーミー・ハマー。ピッタリ過ぎて笑う。

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(Amazon/Netflix)2015

上の映画を観て、J・ギレンホールが主演しているほかの映画も見たくなり、こちらを鑑賞。こっちは『ノクターナル・アニマルズ』とは違ってゲラゲラ笑いながら観た。
タイトルだけみると、恋愛映画を想像してしまうけれど、実際には違う。妻が事故で帰らぬ人となったが泣けない、妻が運び込まれた病院の自販機でチョコバーが引っ掛かって出てこないほうが気になって仕方ない男を、ギレンホールが演じている。

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道Amazon/Netflix)2005

個性派俳優といって、真っ先に思い浮かぶホアキン・フェニックス。2019年『ジョーカー』での圧巻の演技は、わたしにとってトラウマになるくらい衝撃的だった。
こちら『ウォーク・ザ・ライン』は歌手ジョニー・キャッシュの生涯を描いたラブロマンスで、今から16年前、ホアキンが31歳のときに出演。後にキャッシュの妻となるジューン役には当時ラブコメの女王リース・ウィザースプーン。作中の歌は全て2人の生声であり、演技とともに美声が大絶賛されたらしい。演技に加えて歌もできるんかい!と突っ込みを入れつつ鑑賞。

作中、ジョニー・キャッシュが兄の早死について話すシーンは、J・フェニックス自身の悲劇と重なってしまい、いたたまれない気持ちに。
有名なアーティストを描いた数多の映画で、悲惨な生い立ち、成功からの挫折、そして薬物依存という流れは今までもあったけれど、二人はそれを乗り越えてその後35年連れ添ったというのだから、素晴らしい。

マザーレス・ブルックリン(Amazon/Neftlix)2020

エドワード・ノートンが約19年ぶりの監督業に挑んだ作品で、1950年代のNYを舞台に私立探偵が殺人事件の真相を追うアメリカン・ノワール。障害を抱えながらも驚異的な記憶力を持つ私立探偵のライオネル・エスログ(ノートン)の活躍を描く。
予告でブルース・ウィリスが出てきたので、彼が主役かと思っていたらそうじゃなかった。ノートンはもちろんのこと、脇を固める俳優陣もいい!

ザ・バニシング -消失-(Amazon)2019

公開年が2019となっていたので、割と最近作られた映画と思い込んでいたら、実際には1988年に制作されたものだった。日本では長らく劇場未公開だったが、2019年に公開されたのだそう。
そういえば、スタンリー・キューブリックが「最も恐ろしい」映画と絶賛し、話題になったのがこれだったか・・。
フランスへ車で小旅行に出かけたオランダ人カップル。立ち寄ったドライブインで、彼女がこつ然と姿を消してしまう。レックスは必死で彼女を探すが見つからない。そうして3年が過ぎた頃、犯人がレックスに接触してくる。その目的は?
エンディングに驚愕したが、今考えてみると真相を知らずに苦しみながら生きていくよりも、真実を知りたいと願ったレックスを誰が責められようか、とも思う。

マダムのおかしな晩餐会(Amazon)2018

パリに越してきた裕福なアメリカ人夫婦のアンとボブ。セレブな友人たちを招いてパーティーを開こうとするが、急遽長男が参加し出席者が不吉な13人に!大慌てでスペイン人メイドのマリアを晩餐会の席に座らせたことから、他の客はマリアをセレブだと誤解し、ロマンスへと発展してゆく。
ヨーロッパらしいコメディで笑った。「結末がどうなったのかは、観客の想像にお任せしまーす」というエンディングだったが、わたしはハッピーエンドしか浮かばなかった。
間違いないでしょう(^_^)

ガーンジー島の読書会の秘密(Netflix/Amazon)2019

1946年、作家のジュリエット・アシュトンの元に一通の手紙が届いた。手紙の主、ドーシー・アダムスは "ガーンジー島文学・ポテトピールパイ同好会" の一員であることが書かれていた。ジュリエットは読書会を取材するため、島を訪れ、メンバーと交流するうちに、彼らが重大な秘密を隠していることに気付く。
『ダウントンアビー』の面々が見れて、それだけでちょっと嬉しい気持ちに、、そしてドーシー役のオランダ人俳優ミキール・ハースマン(GOTにも出ていた)が、素朴な雰囲気に合っていて何ともステキ!ミーハーですが、物語のほうもステキな内容です。

キリングフィールド 極限戦線(WOWOW)2019

2008年ジョージア(グリジア)でのロシアの軍事介入中に発生した実際の出来事がベースになっている映画。両国の間で停戦合意が成立する中、ジョージアの農村シンディシにおいて、戦車を率いてなおも侵攻を続けるロシアの大軍に対し、必死に立ち向かうジョージアの兵士や地元住民たちの抵抗するさまを描く。
戦争ならではドンパチするシーケンスもあるけれど、焦点は負傷したグルジア人兵士を救助するために命を危険にさらした村人だった。本国では大ヒットを記録したそう。

イーダ(WOWOW)2013

先月鑑賞した『COLD WAR あの歌、2つの心』が良かったので、P・パヴリコフスキ監督の名前と才能を広く世界に知らしめることになったこちらの映画を観てみることに。
1960年代初頭のポーランド修道院で孤児として育てられたアンナは、実は叔母がいることを知らされる。そこで正式な修道女になる前に叔母に会うことにするのだが、彼女から自分の名前は「イーダ」でユダヤ人だと教わる。そして両親の最期を知るために、叔母と4日間の旅に出るというもの。『COLD WAR』同様、モノクロ映像で淡々と描かれているけれど、その内容は戦慄的だ。全容を知ったイーダの諦観したような姿が目に焼き付く。

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方(Amazon/WOWOW)2020

自然を愛する夫婦が究極のオーガニック農場を作り上げるまでの8年間を追ったドキュメンタリー。映画製作者、監督として25年の経歴を持つジョン・チェスターが、自身と妻、そして愛犬の姿をカメラに収めた貴重な記録。共生やバランスについて考えさせられたし、自然の素晴らしさに素直に感動した。

the taste of nature 世界で一番おいしいチョコレートの作り方(Amazon)2021

サードウェーブのことも、ビーントゥバーのこともまったく知らなかったので、はじめて知ることが多かった。また10年後にどうなったのか続編を作ってほしい。

小説

父を撃った12の銃弾:ハンナ・ティンティ

最初に本を手にとったときには、「長そうだな、面白いかな」という気持ちだったけれど、読み始めたらあっという間だった。今のところ、今年ベストだと思う。

オクトーバー・リスト:ジェフリー・ディーヴァー

ディーヴァーのミステリー。最初の章がラストで、物語は読み進んでいくうちに、時間軸をさかのぼり、知らなかった「事実」が次々に明かされてゆく。面白くないわけがない。

オリジン:ダン・ブラウン(Audible)

Audibleを利用しているが、やはり海外ミステリー小説のラインナップは少ない。
やっと探して、ダン・ブラウンの本を聴くことにした。全部で4パートに分かれているのだけれど、1パートが終わった段階で残りの3パートを一気に購入しDLした。面白くて夢中になって聴いた。毎度思うのだけれど、ナレーションが素晴らしいの。


思いのほか、長くなってしまった。最後まで読んでくれた人がいたら嬉しいです。

映画『ザ・ライダー』そして『ノマドランド』

暫く映画館には行っていなかったが、先日『ノマドランド』を観てきた。この映画について知っていたのは、家を持たずバンで放浪しながら生活する人が題材になっていて、アカデミー賞にノミネートされたらしいということと、主演がフランシス・マクドーマンドだといういうことくらい。
先月に公開されたときに、観に行こうか迷ったが、結局行かずじまいだった。最近になって監督がクロエ・ジャオだと知り、これは大きいスクリーンで観るべき、と思い直し、映画館に足を運んだ。

f:id:misasa104:20210418141008p:plain
ノマドランド|映画|サーチライト・ピクチャーズ

前置き

少し前、何を観ようかとサーフィンしていたとき Netflixで「あと少しで配信終了」となっていた、『ザ・ライダー』という映画を観てみた。物語は淡々と進み、BGMはほぼなく、会話も少ないが、それに余りあるリアリティ、雄大なパノラマ・ビューに引き込まれた。

f:id:misasa104:20210418142521p:plain

ストーリーは、頭に怪我を負ったカウボーイの青年フレディが、ロデオ復帰への捨てきれない思いと後遺症の間で葛藤しながら、自分の進む道を模索するというもの。
そしてエンドクレジットを見て気がついた。登場人物の役名と演者の名前が同じではないか。
調べてみると、この物語のモデルとなったフレディが本人として主演しているのだそう。彼の家族や友人も、本人として出演しているが、見ているときはまったく気づかなかった。これは、もう奇跡みたいな映画なのだ。それに加えて、あの空よ、、どんだけ大きいのアメリカはー。

この映画の監督・脚本を手がけたのが中国出身の新鋭クロエ・ジャオだった。そして彼女のパートナー、ジョシュア・ジェームズ・リチャーズが撮影を担当している。
この二人の新作が『ノマドランド』となる。

ノマドランド』

映画のオープニングで、ネバダ州の小さな町エンパイアについての注釈が流れる。この町は産業を中心に構築されていたが、石膏工場が閉鎖されると町全体が文字通り消えた。6か月で、町の郵便番号が削除されたというのだ。これには驚いた。

夫を亡くし、一人で暮らしていたファーン(フランシス・マクドーマンド)は、いくらかの荷物をバンに詰め込み、住み慣れた家を離れる。そして、現代のノマド遊牧民)として、アマゾンの倉庫作業員やキャンプ場の管理人など、臨時労働者として働いては、次の仕事を求めて移動する。彼女に言わせると、自分は「ホームレス」ではなくて「ハウスレス」なんだと。

同じようなバンの住人たち(主に高齢者)が情報交換するためのコミュニティがあり、ファーンは何度か立ち寄る。ここでも、前述した『ザ・ライダー』と同様のアプローチがとられている。実際の車上生活者たちが本人役として登場しているのだ。素人の中に数人の有名な俳優を配置し、物語が進行しているというわけ。

ノマドになってから、ファーンは友人の住居に住むという機会があった。また、バンの修理代を借りるため、妹の家に立ち寄ったときには、一緒に住んでほしいという申し出もあった。けれども、ファーンはそれらの提案を受け入れることができない。誰かに依存して生きていくより、過酷だけれど自活する道を選ぶ。

バンでの生活は、ファーン自ら選んだみちではなく、町がなくなるという危機的状況下の追い込まれた結果だったわけで、観ている途中、辛い気持ちになった。仲間と出会い、大自然に触れ、悪いことばかりではないのかしれない。孤独を受け入れてこその自由なのだとも思うけれど。

わたしは、作中のBGMで聴き慣れたピアノ曲がかかると、美しい映像と相まって、自分でも気づかないうちに泣いていた。ドキュメンタリーのような物語とルドヴィコ・エイナウディの音楽が心に沁みた。コロナ禍で旅行もできない今こそ、映画を観るべきかも。

海外ドラマ 『リンカーン 殺人鬼ボーン・コレクターを追え!』 感想

WOWOWで、ようやく『リンカーン』が放送された。言わずと知れたジェフリー・ディーヴァーによる人気小説リンカーン・ライム シリーズのドラマ化だ。
米国で放送されたのが昨年の1月だから、それから1年以上も開いてしまったということになる。その間、このシリーズが1シーズンでキャンセルされたというニュースを耳にした。それで、ついその理由は何なのか?という目線で見てしまうことに。
よくなーい(~_~)

以下ネタバレ含みます。

f:id:misasa104:20210328104436p:plain

物語は、犯人を追っているときの事故で四肢麻痺となった伝説的な科学捜査官リンカーン・ライムが、NYの難事件に挑むというもの。全10話からなり、全話通して連続殺人犯ボーン・コレクターを追い、そして各話ごとには別の事件も追う。

小説『ボーン・コレクター』は1999年に映画化もされている。ライム役はデンゼル・ワシントンアメリアはアンジェリーナ・ジョリーが演じた。当時、厳しいレビューもあったけれど、わたしはこの映画が好きだった。ライムは事故後、顔と指一本しか動かせない状態なので、当然演技も限られると思うが、デンゼル・ワシントンはうまく表現していた。彼が発作を起こし、全身が痙攣するシーンは今でも目に焼き付いている。

どういう理由からなのか、ドラマは映画に寄せたキャスティングになっていた。小説ではライムは白人で黒髪にブラウンの瞳だが、ドラマはデンゼル・ワシントンの代役のような形で『グリム』のラッセル・ホーンズビーが、アメリア役はアンジェリーナ・ジョリーに似ているアリエル・ケベルが演じている。また、ライムの介護士は小説ではハンサムなトムという青年だが、中年女性が演じているところも映画と同じだ。人種やジェンダーなどを考慮したキャスティングだということは理解できるが、やはりトム・レストンやメル・クーパーにはぜひとも会いたかった。

映画でのライムはユーモアセンスを持ち軽口をたたく一方で、実のところ安楽死を望んでいた。これはかなり小説に近いと感じた。小説ではライムは難しい性格の持ち主として描写されているが、映画では誰にでも愛されるような描き方だったと思う。しかし、ドラマのライムはとにかく硬い。独善的な口調と傲慢な態度で、障害のせいでそうなってしまったことを差し引いても好感を持ちづらい。そしてアメリアとのロマンスは皆無(これ、どうなの?)のよう。ライムは結婚し子どもがおり、アメリアには妹がいる。これはもう小説とは関係ない、別の警察ドラマと思ったほうがいいのかもしれない。

実際のところ、『CSI』や『クリミナル・マインド』を目指していたのかもしれないが、脚本のせいでチープな印象が拭えない。ライムは犯人が残したエビデンスから、次なる犯罪現場をすらすらと推測してしまう。多少のご都合主義はドラマにつきものだが、そんなに何もかもわかってしまうとはー。


期待していただけに、少々辛口になってしまったけれど、最後の10話まで鑑賞した。犯罪ドラマとしては楽しめるところもあったし、毎回工夫を凝らした犯人捜査も悪くなかった。けれど、素晴らしいソースがあったのに、それを生かせず残念だった。J・ディーヴァーはこのドラマを観たのだろうか。