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『ありふれた祈り』ウィリアム ケント クルーガー

翻訳小説

「あの夏のすべての死は、ひとりの子供の死ではじまった。」ミネソタ州の田舎町で、穏やかな牧師の父と芸術家肌の母、姉と弟とともに暮らす13歳の少年の人生を変えたひと夏を、今は大人になったフランクが40年前を回想するかたちで描かれています。

ミステリというよりは純文学のようで、どこかノスタルジックな共感を呼ぶ少年の成長の物語として読みました。事件の真相については途中から推測できてしまったので、大どんでん返しがあるわけではないのですが、納得のいく結末が余計に物悲しく印象に残りました。

あとから知ったのですが、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作品なんですね。

ありふれた祈り (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ありふれた祈り (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

 

『死を歌う孤島』アンナ・ヤンソン
スウェーデンの小説です。無人島で行われるセラピーキャンプに集まったのは一癖も二癖もある女性7人。1人が死体で発見され、さらにもう1人、親友と参加していた犯罪捜査官マリアはボロボロになるまで奮闘しますが、彼女にもすぐそこに危機が迫っていたのでした。

そんな都合良く、関係者が7人も集まるってどうなの、と思いながら読んでいましたが、孤島という密室で起こる連続殺人犯が誰なのか気になってページをめくる手がとまりませんでした。人間の暗部が浮き彫りになり、冷たい暗い風景を連想させます。

本編とは直接関係ないマリア周辺の人間関係が描かれているのですが、シリーズ11作目と知れば、それも頷けます。本国ではドラマ化もされているようで、見たくなりました。

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死を歌う孤島 (創元推理文庫)

死を歌う孤島 (創元推理文庫)