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海外ドラマ Netflix 『ナルコス』

海外ドラマ

Netflixオリジナル・ドラマです。動画配信だと一気に見れてしまうのですが、この作品は1週間に1話くらいのペースで見ていました。Netflixオリジナル・ドラマのアイコン的作品だと思います。以下ネタバレ含みます。

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舞台はコロンビア、麻薬取引で莫大な富を築いた実在の人物パブロ・エスコパールと捜査官たちの攻防のドラマです。断り書きでは、事実をベースにしたフィクションであるとほのめかしていますが、所々で挿入されるニュース映像や写真クリップが、これは事実なんだと主張しているようにも思えます。とはいえ、登場する人物は回を重ねるごとにキャラクタとしての個性を発揮してゆくことになるのですが。

 

とても暴力的だけれどどこか啓蒙的で、不安にさせられるけれど見ずにはいられない、今までにはなかったようなドラマだと思います。アメリカン・ドラマですけれど、DEA(アメリカ麻薬取締局)がコロンビアに乗り込み、麻薬王エスコパールを捕らえるというような単純なストーリーではなく、むしろ麻薬の最大消費国アメリカを自嘲しているようです。

ストーリーはスティーヴ・マーフィー(ボイド・ホルブルック)の目を通して語られ、展開します。マーフィーは、コロンビアに赴任したDEAの若い捜査員です。最初こそ、抑揚のない(そして膨大な)ナレーションが冗長に感じられましたが、そのうち、彼のダイナミックな(ときに意地の悪い)説明が必要不可欠なものになりました。

マーフィーはハビエル・ペーニャ(ペドロ・パスカル、GOTのオベリン・マーテル皇太子です)とチームを組まされます。ペーニャは情報提供者とベッドを共にし、彼女(たち)を救いたいと思います。合理的なマーフィーに比べて人情的です。

エスコバールは、ブラジルの俳優ヴァグネル・モウラが、静かで抑えた演技をしています。それでも、彼の表情がほんののわずかに変化しただけで、突発的な嵐がくることを予想して怖くなります。

物語は大統領候補のガランが暗殺された頃から緊張感が一層高まります。ガランの代わりに大統領候補になったガビリア。エスコパールとカビリア(政府と警察)、それからDEA・CIAといった米国側の思惑が絡まり交差します。ガビリアの「アメリカの犬にはならない」という言葉が示す通り、必ずしもコロンビアとアメリカが協力関係を築き、エスコパールに応戦していたわけではありませんでした。

 

最後のエピソードで、行方不明になっていたマーフィーと再会した妻は、コロンビアに来て初めて「もう帰りたい」と泣きつきます。それに対して彼が返した言葉は意外なものでした。それを聞いた私は「もうあなたにはついていけないわ」という気持ちでいっぱいに。妻でもなんでもないんですけれどね。

エスコバールが政府に投降したのが1991年なので、マーフィーはコロンビアに来てから既に10年以上が過ぎていることになります。いつ死んでもおかしくない状況で、彼が変わってしまったとしても誰も責めることはできません。

 

パブロ・エスコパールが犯した残虐な行為、罪に対して当然の報いを受けるのはいつなのかと待っていたのですが、それは次に持ち越されました。エスコパールの「われわれはアメリカで刑務所に入るくらいなら、コロンビアで墓に入ることを選ぶ」に対して「墓の方がいいだと?だったら葬ってやる」と独りごちるマーフィー。シーズン2ではどうなるのでしょうか。

 

コロンビア年表その2にはドラマでは触れられなかった多くの事件が掲載されています。これを見たら、その犯罪の多さに言葉を失ってしまうことでしょう。

 

私自身コロンビアの歴史について詳しくないので、途中でわからないこともありました。それで、こんな本を読んでみました。以下に続きます。

『誘拐の知らせ』G・ガルシア=マルケス - misasa104の日記