映画『白鯨との闘い』(In the heart of the sea)

この映画、クリス・ヘムズワースが巨大なクジラと戦うアクションものだと思って見に行くと、期待はずれかもしれません。原題は『In the heart of the sea』、ハーマン・メルヴィルの名著「白鯨」のモデルにもなった捕鯨船エセックス号沈没事故を描いた小説の映画化です。マッコウクジラに船を沈没させられた捕鯨船の乗組員たちの過酷なサバイバル・ドラマです。

作家のメルヴィルベン・ウィショー)が、かつてエセックス号の乗組員だった老人に聞き取りをしようとする場面から始まります。ニカーソンがまだ少年だったころ、一等航海士のチェイス(クリス・ヘムズワース)や、チェイスの右腕マシュー、名家の出というだけで船長になったポラードらと乗船したときのことを回想するという形で物語は進みます。そして、語り終わった後、二人が別れる際にした会話は、これから石油が鯨油に代わってゆくことを示唆するものでした。

回想シーンで、まず驚いたのは船が帆船だということ。1920年という時代を考えれば当然なのかもしれませんが、この船で何ヶ月も海に出ていたんですね。さらに捕鯨の方法は、小さな手漕ぎボートに乗り込み、モリでクジラを突くという原始的なもの。単純だからこそ、力強い映像になり緊張は一層高まります。そして、クジラに襲われるシーンは圧巻でした。クジラに激突され、船は転覆しかかって帆は大きく揺れ、麻ロープが隅から隅までがきしんで甲板はうねり危機一髪の状態になります。

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クリス・ヘムズワースはこの映画のアイコンになっています。確執のある船長ときちんと対話し、男らしく最善を尽くします。一点の曇りもない格好いい人です。チェイスの仲間としてキリアン・マーフィーも出ていました。彼の最後のシーンでの、その青い目を見てください。彼は映画「バットマン」のスケアクロウ役でも有名ですが、最近はBBCのテレビドラマ「ピーキー・ブラインダーズ」で主演を務めています。私はNetflixで最初のほうだけ見ました。好調で今年シーズン3が製作されるようです。

若きニカーソン役は、トム・ホランド。新スパイダーマンに抜擢された、今ホットな人です。BBCドラマ「ウルフ・ホール」では主人公トマス・クロムウェルの息子グレゴリーを演じていました。これからが楽しみな俳優です。それと、映画を見ている間、どこかで見たことあるけれどどこでだか思い出せなかったのが、船長のいとこ役のフランク・ディレイン。彼はTWDのスピンオフ「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」で主人公の息子役をしていました。また彼は、GOTでスタニス・バラシオン役で渋い演技をみせるスティーヴンの長男でもあったんですね、知りませんでした。

まだ、続きます。クルーの一員にジョゼフ・マウリーがいました。彼はGOTのベンジェン・スターク(ロブ・スタークたちの叔父)、そして「リッパー・ストリート」では悪名高きシャイン警部補を演じていました。ドレイクと戦うボクシング・シーンではその鍛え上げられた身体が素晴らしかったです。

海外ドラマを見ない人でも彼をみているかもしれません。それはトヨタのH.H.(ハリアー・ハイブリッド)のTVCMです。ショートムービー「H.H.篇 第三章」は、自分の進むべき道を見失った主人公が、謎の男H.H.に導かれ、自分の中にいる“本当の自分”を見つけるため旅をするというストーリー。このH.H.こそ、ジョゼフ・マウリー、その人です。

ということで、英国の俳優が多く出演しています。逞しいイケメン揃いのクルーを見るために映画館に行く、というミーハーな目的もありだと思います。

 

 

探検コムさんの鯨油の歴史のページはわかりやすくて、日本の網取り式捕鯨の画像やクジラの解体している様子の写真など、興味深い画像がたくさんありました。

 

トヨタ ハリアー H.H.篇 第三章のCMは下記リンクで見れます。ジョゼフ・マウリーの魅力満載です。ロケ地クロアチアスロベニアの美しくも壮大な風景も見どころになっています。

 

下は映画に登場するメルヴィルの著書で、上・中・下に分かれています

白鯨 上 (岩波文庫)

白鯨 上 (岩波文庫)

 

映画の原作になった本です

復讐する海―捕鯨船エセックス号の悲劇

復讐する海―捕鯨船エセックス号の悲劇