海外ドラマ BBC『ライン・オブ・デューティ/Line of Duty 』
このドラマ、、実をいうとかなり前に一話目を見てそのままになっていました。メインキャラがレニー・ジェームズで、これがウォーキング・デッド のモーガンにしか見えなくて・・。しかし、時を経て再度見始めたら、これがドハマリしてしまいました。
ロンドン旅行に行く前に見ていたのですが、旅行の準備もせずにNetflixでシーズン1から4まで立て続けに見ました。シーズンが進むほど面白くなり、中毒のように見ていました。そして、私のお気に入りリストの上位にランクインしました。
以下、少々ネタバレ含みます。
このシリーズ(以下LoD)は、スティーブ・アーノット巡査部長(マーティン・コムストン)、ケイト・フレミング巡査(ヴィッキー・マクルーア)、そしてテッド・ヘイスティングス警視(エイドリアン・ダンバー)で構成される、警察内の汚職を明らかにする不正防止ユニットAC-12の物語です。
私が今までに見た警察ドラマでも、内部監察が出てくるものは結構ありました。当然、どれも身内である警察官から忌み嫌われていました。AC-12もしかり。なので、なかなかこのチームに入りたいと思う人はいないですよね。実際、エリートコースに乗っていたアーノットがなぜAC-12に所属するようになったか、そのいきさつがシリーズの最初で描かれています。
どこか負け犬感漂う、後ろ暗い仕事だったりするわけですが、そういった負のイメージも最初のうちだけ。LoDを見ているうちに、いつしか彼らを応援し、ときに叱咤し、気がつけばこのショーにどっぷり浸かってしまうと思います。
LoDは1シーズンごとに新しい人物が投入されます。彼らこそ、シーズンのメインキャラクターです。最初はトニー・ゲイツ警部(レニー・ジェームズ)、それに続いてリンゼイ・デントン警部補(キーリー・ホーズ)、その後は、ダニエル・メイズがダニー・ウォルドロン巡査部長、続くシーズン4ではロズ・ハントリー警部(タンディ•ニュートン)がAC-12の捜査対象となります。
タンディ•ニュートンはブリティッシュ・エアウェイズの機内安全ビデオにも出演していました。また、HBOの『ウエスト・ワールド』でゴールデン・グローブ賞にノミネートされていましたね。
キーリー・ホーズは言わずもがな、その集中力のある演技は素晴らしいものです。ダニエル・メイズは映画中心で活躍している実力派俳優です。ロンドン旅行中、たまたまテレビでやっていた『ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ』を見ていたら、LoDとはまったく違う役どころで出ているダニエル・メイズを発見し、思わず娘と顔を見合わせて笑ってしまいました。
このドラマの特徴と言ってもいいと思うんですが、登場人物は1つのシーズンに縛られません。デントンはS2の捜査対象者でしたが、S3ではS2から実際の年月が経過した姿がリアルに描かれています。私は、S3でデントンが再登場したときにはかなり驚きました。
シーズンごとのメイン・プロットとシリーズを通して連続するプロットが巧妙にパッチワークのように繋がっていて、どれも見逃せません。
ですので、シーズンを途中から見るのはおすすめできません。1からシーケンシャルに見たほうが楽しめます。ありがたいことに、Netflixでは最初からシーズン4まで連続で視聴可能です。
私はこのドラマに集中するあまり、同じキャラクタを憎んだり同情したり、信じたいけれど疑ってみたり、最悪のことを想像して手に汗握ったり、感情の振り子が大きく揺さぶられました。
このドラマの最大の見せ場は、事件現場ではなく、激しい攻防戦が繰り広げられるインタビュー・ルームです。タブレットでページをめくることに、これほど真剣に見入ってしまうとは思いもよらなかったです。身内をインタビューするので、AC-12のメンバーで質問できるのは容疑者よりも階級が1つ以上上というルールも、リアルで面白いです。
LoDを見ているとき、私は特にヘイスティング警視に注目していました。初めはそうでもなかったんですけれど、夫として、チームのリーダーとして、彼の真摯な姿に心打たれました。スティーブとケイトのメンターに相応しい人です。
しかしですね。あの「H」問題のことが気になってしまいます。「H」とは 犯罪組織と悪徳警官を結ぶネットワークのボスのイニシャルで、ヒルトン警視長とヘイスティング警視は、お互いを「H」だと非難する場面があります。フリーメイソンのこともあり、私はイヤーな予感がしました。
ヒルトンが死んでしまった今、彼が果たしてほんとうに「H」だったかどうかは、謎に包まれたままです。そもそも彼は自殺だったでしょうか。上流階級の逃亡は、ありがちといえばそうなんですけれど、おそらく殺されたのではないかと。
だから、今後の展開がとても気になります。間違ってもヘイスティングは「H」ではありませんように。
それから、気になっていているのが、マニート。AC-12の知性派ヒロインとして、信頼できる人です。夜にオフィスに来るよう頼まれたマニートは、子どもを抱っこしながら仕事をこなし、ヘイスティングから感謝されていたのが印象に残っています。
そのマニートがヒルトンにAC-12のインサイダー情報を渡していたのですから、驚きました。彼女はヒルトンに何か弱みを握られていたのだと思います。彼女は逃げるように早めに産休をとり、その後については不明です。ヒルトンがいなくなった今、無事に産休から復帰してほしいです。
娘はスティーブに対し「なぜモテるのかわからん」とつぶやいていました。いや、かわいいと思うけどなぁ。次シーズンが待ち遠しいです。
ロンドンと海外ドラマ
ずっと仕事で忙しかったので、まとまった休みをとり、娘と一週間ロンドンに行ってきました。旅行の様子は別ブログに書きます。
今回の旅行絡みで、ドラマのことをちょこっと書きたいと思います。
ロンドンで見るドラマ
現地の日曜夜に、ITVで『Endeavour(刑事モース)』を放送していました。これはラッキーと、ドラマを観るべく、シャワーも浴びて画面の前でスタンバイしていたんですが、毎日歩き続けた疲労がピークになっていたこと、そして英語だった(当然ですが)ことで、途中から眠ってしまいました。
たぶん、私が見たのは最新作のS5, EP5だったのだと思います。軍隊の話し(ざっくりしていて申し訳ない)で、モースが(私の知らない)女の子とイチャイチャしていたのは覚えています。日本で放送されるまで時間がかかるだろうに、、もったいないことをしました。
それから、『Marcella(女刑事マーチェラ)』の2ndシーズンが放送されていました。2年ぶりに次のシリーズが制作されていたんですね。もう少ししたら、Netflixで配信されるのではないでしょうか。 はい、これは日本で見ます。
もう一日多く滞在できていれば『Shetland(シェトランド)』の最新作も見れました。が、モースと同じ理由で最後まで見れたかどうかは怪しいです。これもAXNミステリーで放送してくれるのを待つことにします。
飛行機の中で見るドラマ
今回飛行機はブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)を利用しました。行きの機内では映画もテレビ番組も少なかったんですが、帰りはなかなか充実していました。テレビドラマの中に Boxset という、シーズン丸ごと見れるものがありました。結構なラインナップで、『The Walking Dead 』や『Game of Thrones 』(どちらもシーズン7)もありました。
それで、私はこの1つ前の日記に書いた『Doctor Foster(女医フォスター)』のシーズン2を全部見ました。これは英語ができなくてもいけると思います。フォスターの息子トムは、偶然にも行きの機内で見た映画『ダークタワー』でジェイクを演じていました。思春期の男の子を見事に演じています。
それから久しぶりに『Ripper Street』のシーズン5も見ました。シーズン4を見ていなかったので、S4で重要人物が死んでいたことにショックを受けました。
また、はじめて見ましたが『The Detectives: Murder on the Streets』は地味だけど、面白そうでした。マンチェスターを舞台にしたドキュメンタリーのようです。
ドラマのロケーション
ロンドンといえば、様々なイギリスドラマの舞台になっているので、ロケーションめぐりもいいなと思いロンドンに行く前に調べておいたんですが、実際には時間が足りずに行けませんでした。もっと長くいれれば良かったんですけれど。
ロンドンではありませんが、『ルイス警部』『刑事モース』の舞台、オックスフォードには行ってきました。オックスフォードではどこを見てもテンションが上がりました。
以下は行こうと思っていて行けなかったところです。次回チャンスがあればぜひ行ってみたいと思っています。
・『ロンドンスパイ』London Spy:ランベス橋(Lambeth Bridge)
二人が出会った重要な場所でした。
・『刑事ジョン・ルーサー』Luther:サザーク橋(Southwark Bridge)
この橋は、ルーサーのアイコンでもあります。
・『シャーロック』Sherlock:ウォータールー橋(Waterloo Bridge)
宿泊したホテルの近くだったんですけれどもね。
海外ドラマ BBC『女医フォスター Doctor Foster』
AXNミステリーのHPを見ていて、面白そうなドラマを見つけました。 すでにシーズン1は放送済みで、シーズン2が今月の放送予定になっています。それでシーズン2が放送される前にどこかでシーズン1が見れないかと探したところ、Huluで配信していたので早速視聴しました。
なんですが、AXNミステリーでは、2月24日(土)にシーズン1と2が一挙放送されるようです。HPに書いてあるドラマ紹介をそのまま引用します。
最高視聴者数1000万人!2015年に放送開始された新ドラマの中で視聴率No.1を獲得! 英国アカデミー賞主演女優賞受賞、ミニシリーズ部門作品賞ノミネート! 英国の諺“さげすまれた女の恨みほど怖いものはない”を物語る、愛する夫に裏切られた女の復讐劇!
https://www.mystery.co.jp/programs/doctor_foster
本国イギリスで視聴率が高かったのも首肯けます。一話見たら釘づけになること必至、怖いもの見たさで続きを見たくなります。以下ネタバレ含みます。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b06ds22h
開業医として働くジェマ・フォスター(サランヌ・ジョーンズ)は、夫サイモン(バーティ・カーヴェル)のマフラーに一本の金髪を見つけたことから、彼の浮気を疑うようになります。思い込んだら一直線、夫の携帯電話チェックまでに時間はかかりませんでした。そして、夫を尾行するためには自分の患者を払いのけることも厭いません。
夫の不貞を確信したときのジェマのうろたえぶりがすごい。一度は夫を家から放り出そうとしますが、「わたしはできる女、ほかの女とは違い取り乱したりしないの」と冷静を取り繕います。
そんな「できる女」ジェマは、医師という職業の倫理規定のほとんどに違反し、詐欺、脅迫することには抵抗はないようです。よくドラマに出てくるお馴染みの鉄壁の守秘義務はどうなっているのだ、と突っ込みたくなります。
夫のサイモンといえば、典型的過ぎる浮気亭主(といっても実際にはこういう男性にお目にかかったことはありませんが)。彼の発言がいちいちおかしい。「同時に二人の女性を愛してしまった」ですって。はいはい。本当は若い子がいいんだけれど、妻のほうが圧倒的に経済力があるから、悩みますよねー。子どももいますし。
サイモン役のバーティ・カーヴェル は、英国内の女性を敵に回したんじゃないかしら、などと心配になってしまうくらいはまり役でした。サランヌ・ジョーンズは、デスパレート・バロメータ(実際にあったら、見てみたいですけれど)が振り切れている様子が実に素晴らしかったです。
ちょっと関係ないですけれども、ドラマのオープニングがLudovico Einaudi のピアノ曲で嬉しくなりました。ドラマ中、挿入される音楽も素敵です。
海外ドラマ HBO『BIG LITTLE LIES ビッグ・リトル・ライズ』
これはママヒエラルキーのおはなしかしら、と思い込み敬遠していました。しかしゴールデン・グローブ賞とエミー賞のダブル受賞で話題になったのをきっかけに、私もHuluで見ることにしました。実際に見てみると、私が思っていたような、ただのママ友の話しではなく、どちらかというとミステリ要素が濃いドラマでした。
それにしてもキャストがゴージャスですねー。 二コール・キッドマン、ウィザースプーン、ウッドリー、ダーン、ゾー・クラヴィッツ、そしてアレクサンダー・スカルスガルドという映画スターの名が並びます。しかも主役級のそうそうたる顔ぶれです。映画とドラマの俳優がきっちり分かれていた頃には考えられなかったことです。
以下少々ネタバレ含みます。
https://www.hbo.com/big-little-lies
赤と青の光の点滅、激しい呼吸の音でスタートします。小学校のチャリティイベントで誰かが殺害されたらしい。
探偵よろしく、関係者が証言を重ねます。保護者の夫婦関係、仕事、噂話など思い思いにコメントします。誰もが他人のことに興味津々で、好き勝手なことを言っていますが、裕福そうなこの町の表面下で何が起こっているのかは誰も知りません。
マデリン・マッケンジー(ウィザースプーン)は、本人は素のまま生きているんでしょうけれど、トラベルメーカーでもあります。ジェーン・チャップマン(ウッドリー)は、モントレーに最近引っ越してきた若いシングルママです。マデリンの最も親しい友人はセレステ・ライト(キッドマン)。若い銀行家ペリー(スカルスガルド)を夫に持ち、二人の熱い関係は町の他の夫婦たちの羨望になっています。
セレストとペリーは美男美女の高身長カップルで、海沿いの豪華な家に住み、ラルフローレンのポスターから飛び出たような双子の息子を育てています。一見、非の打ち所のない家族のように見えます。
豪家な家は、セレストだけではありません。マデリンの自宅も、後に登場するレナータ(ダーン)の家もため息が出るほど素敵です。マデリン家の巨大なキッチン・カウンターにはフルーツが盛られたバスケットがあり、レストランのようなおしゃれな料理が並びます。レナータはキャリア・ウーマンなので、それを反映した家なのでしょうか。白いパティオにプール、高価そうなソファ、家の中でひときわ存在感を放つ白い階段はスタイリッシュという完璧さ。そしてどちらも大きな窓から海を眺めることができます。
このショーは細かいところまできっちり計算されていますねー。インテリアやファッション、どれをとってもこだわりを感じます。
マデリンには娘が二人がいるんですね。小学校に入学したばかりのキュートなクロエと、10代のアビゲイル。アビゲイルは最初の夫との間にできた子で、元夫の再婚相手、編み込んだ髪と硬い腹筋を持つヨガインストラクターのボニー(ゾー・クラヴィッツ)と親しい間柄になっています。
学校初日レナータは、娘のアマベラの首の後ろに噛まれた痕を見つけます。アマベラが同級生のいじめを告発したとき、レナータは学校や他の親に対して激怒します。そのことがきっかけになり、誰かの死を招くような出来事が起こります。
何者かに虐められている娘の母親としてのダーンは破壊力がありますねー。怖いものなしのあの髪型と服装はローラ・ダーンにしか出来ない気もしてきます。自分の上司だったらちょっと引くかもしれないけれど、案外友だちになったら頼もしくて楽しいかもしれません。
このドラマの原作は、オーストラリア人のリアーン・モリアーティのわりと最近の小説ということを知りました。今度読んでみようかしら。
別の小説『The Husband’s Secret』もブレイク・ライブリー主演で映画化するのだとか。
海外ドラマ Netflix『ゴッドレス -神の消えた町- Godless』
Netflixのオリジナルドラマがすごく増えましたね。『マインド・ハンター』も良かったですが、こちらも面白かったです。犯罪ものばかり見ている私にとって、西部劇のドラマは新鮮でインパクトがありました。
あとから知ったのですが、この作品は映画監督のスコット・フランク(『誘拐の掟』)が脚本、監督した作品なんですね。彼の映画も好きです。
広々とした平野でのショット、銃撃戦と疾走する馬たち、砂埃の多いメインストリートでの対決・・、これぞ西部劇と感じられるシーンが満載です。人間ドラマあり、アクションあり、サスペンスありとエンタメがギュギュッと詰まっています。 以下ネタバレ含みます。
https://www.netflix.com/title/80097141
追っ手から逃れてきたガンマンのロイ・グッド(映画『マネーモンスター』の犯人役ジャック・オコンエル)は、未亡人のアリス・フレッチャー(『ダウントン・アビー』の ミシェル・ドッカリー)の牧場で一夜を過ごすことにします。
予期せぬ訪問者を見つけたアリスは、ためらうことなく弾丸を打ち込みます。けれども彼は死んではいませんでした。アリスの先住アメリカ人の義母の助けを借りて回復し、その後すぐにアリスの息子(サミュエル・マーティ)と交情を結びます。
しかし、そうしている間にも、何年も前にロイを息子として迎え入れていた盗賊のリーダー、グリフィン(HBO『ニュースルーム』のジェフ・ダニエルズ)は、ロイを執拗に追っていました。それは、ロイがグリフィンを裏切り、盗んだ金を横取りし、挙句の果てに彼の左腕を撃っていたからでした。
アリスの住んでいる場所からほど程遠くないところにラ・ベルという町があります。そこは鉱業事故のためにほとんどの男性を失い、女性たちで成り立っている町でした。メス・アグネス(『ウォーキング・デッド』の医師デニース役のメリット・ウィーバー、上の写真の向って左)は、ラ・ベルの前町長の未亡人で、今では夫に代わりツイードとズボン姿で事実上の町長として働いています。
彼女の兄であるビル・マクニュー(スクート・マクネイリー)は、町の保安官で妻亡き後二人の子どもを育て、最近は視力が衰えてきています。保安官助手のホワイティー・ウィン(トーマス・サングスター)や、彼が恋しているアフリカ系アメリカ人のルイーズ、グリフィンの動向を記事にしたい一風変わった記者A.T.(ジェレミー・ボブ)など、どれひとつをとってもその描き方に無駄がありません。グリフィン一味を追う連邦保安官としてサム・ウォーターストンも登場しています。
グリフィンは獰猛で悪人である一方、彼には魂があり、聖書の言葉を信じています。グリフィンは、最初はただただイヤなヤツだったんですが、後に牧師のような慈悲深いふるまいやリーダーとしての資質を知ることで、ジェフ・ダニエルズのパフォーマンスと相俟って、見方が変わってきます。ロイを追ったのも、息子のような存在に裏切られたからで、そこには悲哀さえ感じました。
舞台は19世紀なんですけれど、このドラマが持つテーマは現代風です。特定な人種やジェンダー、階級に縛られることなく、選択できるし行動できるというメッセージがあるように思います。
海外ドラマ Netflix『マインドハンター』
昨年見たドラマの中でかなり面白かったです。1970年代後半、殺人犯の心理を研究して犯罪科学の幅を広げようとするFBI捜査官二人。犯罪心理学とプロファイリングが誕生するまでを描いています。 デヴィッド・フィンチャーが監督・製作総指揮したことでも話題になりました。
以下ネタバレ含みます。
https://www.netflix.com/jp/title/80114855
もろ好みのドラマです。刑事(ここではFBI捜査官)のバディもの、刑務所でのインタビュー、薄暗いアメリカン・ダイナーでの会話、リアリティのある疲れた刑事たち、、好物なものばかりです。
オープニングシーンでは、FBIの行動科学ユニットのホールデン・フォード(ジョナサン・グロフ)が、銃を持った男が何人かを人質に取り立てこもった現場に到着します。ホールデンは、慣習的なメガホンを横に置き、穏やかに犯人と話そうと試みます。その後、予期しないことに、犯人は銃を喉にかけ、引き金を引いて頭を吹き飛ばしてしまいます。そして人質は無事に保護されます。
FBIは、これを勝利とし事件を片付けますが、ホールデンはそうしません。犯罪者の心理を理解しようとすることにほとんど価値がないとする連邦組織のなかで、ホールデンだけはこの結末に納得していませんでした。
ホールデンは有罪判決を受けた殺人者とのインタビューを行うことで、彼らを理解し、最終的には犯罪者の行動を先取りし予測するツールを作れると信じています。所長のシェパード(コッター・スミス)は、この懐疑的な部門を引き受けます。
ホールデンとパートナー、ベテラン捜査官のビル・テンチ(ホルト・マッキャラニー)は、地下室から外に出て、米国で最も有名な受刑者たちにインタビューすることに。彼らの最初に向った先には、6フィートもあるエドモンド・ケンパー(キャメロン・ブリットン)がいました。彼は過去に凶悪な事件を犯していました。
途中でこのプロジェクトに参加するのは、大学で心理学を教えるウェンディ・カー(アンナ・トーヴ、『フリンジ』でスターになった人です)で、彼女は研究の傍ら二人の男性に助言し、後にクワンティコでフルタイムのポジションを得てプロジェクトの正式メンバーとなります。
彼らの私生活についても描かれます。ホールデンは、社会学の大学院に通うデビー(ハンナ・グロス)という名のガールフレンドがいます。彼らの無頓着な会話も意味ありげで興味深いです。しかし、彼らの距離はだんだんと離れていき、デビーは自分の将来に悩み、「あなたは、異常者の話しを聞くニッチな仕事を見つけられていいわね」などと嫌味を言うように。
後のエピソードで、二人が最後に会ったとき、不機嫌そうなデビーに「何を考えているの?」と問うも「あなたは人の心を読むのが得意でしょう」と返されたホールデンは、的を得た分析を自分の口から聞くことになります。そして彼は自分がやるべきことに気付きます。
また、ビルの自宅には愛しい妻と3年前に養子となった6歳の息子がいます。しゃべろうとしない息子に「気が重い」とビルは言います。一方、ウェンディはレズビアンでGFよりも仕事を選んだようでした。白ワインのグラス、地下の洗濯室、迷子の猫のためのマグロ缶は、彼女の孤独を映し出しているのかもしれません。
ホールデンとビルは、ときにトリッキーな事件で苦しんでいる地元警察のコンサルタントを引き受けます。これらのミニミステリー(元祖クリマイという感じです)は、より大きな流れのシーケンスとは別に注意深く複雑に行われ、二人のエージェントがインタビューで学んだことを実践する場になっています。
同僚以上だけれども友人以下のような二人の関係は、このドラマの最大の魅力です。ビルはホールデンが暴走しないためのストッパーでもありましたが、ホールデンは慢心するようになり一人で突っ走ります。その結果、彼が見たものは・・・。
ジョナサン・グロフは『Glee』でジェシー役として出演していました。レイチェルと図書館で一緒に歌ったシーンは今でも覚えています。軽いノリのイケメン生徒が似合っていましたが、こちらの役では好奇心むき出しの才能豊かなFBIエージェントを熱演しています。
最近、Netflixで『マンハント ユナボマー』を見ました。
全米を震撼させた爆弾魔で天才数学者でもあったユナボマーことテッド・カジンスキーを描いたドラマです。
犯人の言葉使いと思想をヒントにし、長年探し出すことができなかった犯人を捕まえるというお話しです。カジンスキーが学生だった頃の回想シーンは、見ていて居たたまれなかったですが、ドラマとしては面白かったです。
マインドハンターが好きな人は、こちらもおすすめです。
小説『血のない殺人』
ここ3ヶ月くらい仕事が多忙でなかなか自分の時間がとれませんでした。なので、最初の頃は、通勤の車中で読む本が唯一の楽しみだったんですが、12月に入ってからはそれもままならず、車中ではぼんやりしていることが多くなりました。心はカラカラに乾き、トマス・H・クックの本を読み、思い切り絶望感という闇に包まれたい、感傷の渦に飲み込まれたいと思うように。この気持ちはどこから来るものなのか、自分でもよくわかりません。
とはいえ、年末の休みに入って実際に買ったのは、ジェフリー ディーヴァー の『スティール・キス 』なんですけれどもね。
『血のない殺人』フェイ ケラーマン
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今回は『正義の裁き』のクリスのその後が描かれます。全話を読んでいる私ですが、クリスのことはすっかり忘れてまーす!でも大丈夫、本作だけでもわかるようになっています。
犯罪者の息子として生きることに、どこか達観したクリスの息子ゲイブ。そうは言ってもまだ14歳、リナとデッカーにほだされて変わってゆく姿にホロリときます。
『怒り』ジグムント ミウォシェフスキ
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ポーランド北部オルシュティン市の工事現場で、白骨死体が見つかります。検察官テオドル・シャツキは最初は戦時中の遺体だと思っていたのですが、実際には10日前まで生きていたことが判明します。やがて、この男は生きたまま大量の配水管洗浄剤で溶かされて死んだことわかるのですが・・。
シャツキの心の声に共感しまくり(#私も壊れかけているのか)すっかりはまりました。しかし、結末は読めず。かなり意外な展開が待っています。
『われらの独立を記念し』スミス・ヘンダースン
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ある日、テンマイルの小学校から連絡を受けたピートは校庭にふらりと現れた不衛生な姿をした少年、ベンジャミン・パールと面会します。話しによれば、ベンジャミンは家族とともに山中で世間から隔離した生活を送っているらしい。
この本、ミステリなのか何のジャンルなのか途中でわからなくなりました。ポケミスなんですけれど。
ピートがダメ男過ぎて感情移入できないし、娘レイチェルの堕ちっぷりにもうんざり。パール親子の行く末だけが気になって最後まで読みました。
『失踪人特捜部 忘れられた少女たち』サラ・ブレーデル
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アウンスー湖ほとりの森の中で転落死した女性の身元を調べはじめます。その女性は30年前に知的障害者施設で死んだと思われていました。
読んでいる途中、どういう筋書きなのかわかってしまったんですが、最後まで見届けることに。
『湖の男』アーナルデュル インドリダソン
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ある日、干上がった湖の底で白骨された遺体が見つかります。死体が旧ソ連製の通信機にくくりつけられていたことから、事件は冷戦時代まで遡ります。
過去のエピソードは、知らないことばかりで興味深かったですし、歴史に翻弄される若者たちの悲劇に心揺さぶられました。
『ノクターナル・アニマルズ』 オースティンライト
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これを2016年にトム・フォードが映画化していたんですね。それを2017年11月に日本公開するのに合わせて、出版されたということでしょうか。
ある日、20年以上前に別れた夫から謎の小説原稿が送られてきます。その小説のタイトルが『夜の獣たち』(ノクターナル・アニマルズ)。これがとにかく怖い。読み始めたら止められなくなります。
元夫と『夜の獣たち』の主人公をジェイク・ギレンホールが演じていたんですね。見たかった!
『キリング・ゲーム』 ジャック・カーリイ
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が、毎回カーソンに恋人ができるのはいかがなものかと。ハンサムで素敵なんだろうと思いますよ、はい。けれど毎回だとさすがに飽きませんか。恋人よりお兄さんの登場を増やしてほしいと思うのは私だけでしょうか。