misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ Netflix 『ウィッチャー』

昨年末に、Netflixで話題のドラマ『ウィッチャー』を見始めました。いつもなら見ないファンタジードラマですが、予告編でヘンリー・カヴィルが出演していることを知り、見てみることに。けれども、よくわからないことだらけで、最初のエピソードを見ただけで、そのまま忘れていました。
すると、正月に帰省した息子が、これを一気見したと言います。そして「ゲームを知っているからね」とも。これはゲームが元になっているのか?ゲームを知っている人が視聴することが前提だったのか?などと思いつつも、続けて見ることに。よくわからないけれど、ヘンリー・カヴィルを見るだけでもいいでしょう。

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The Witcher | Netflix Official Site

メインキャラは以下の3人。

①リヴィアのゲラルト、ウィッチャー:ヘンリー・カヴィル
超人的な力を持つ。モンスター・ハンターを生業にしている。

②シリラ・フィオナ・エレン・リアノン:フレイヤ・アラン(写真右上)
シントラ国のキャランセ女王の孫娘。通称シリ。

③イェネファー:アーニャ・シャロトラ(写真左)
魔法使い。

この3人のストーリーが平行して進むのですが、冒頭に書いた通り、わたしがファンタジーに慣れていないからか、ゲームをしないからか、物語が難解で、ショーを楽しむ余裕がありません。しかも3人のストーリーの時間軸が同じでないので、それに気づくまで、何を見せられているのかよくわからず。したがって、見ていて何度も途中で寝てしまうはめに。

とにかく最後まで見ることが目標になってしまいました。けれども、ウィッチャーのシーンだけは、それなりに楽しめます。ヘンリー・カヴィルの強靭そうな逞しい身体、時々見せる人間的な表情にドキッとします。やはり主人公はこうでなくちゃ。

物語の途中、驚きの法(Surprise law)なるものが出てきます。何かの報酬を支払うとき、具体的なものを示さず「次に出合ったもの」とか「偶然に見つけたもの」のように提示するわけです。この法により、ウィッチャーは思いがけないものを受け取ることになります。このことが彼の運命を大きく左右することになるという。


最後まで見た感想は「これで終わり?」。今シーズンはこれから始まる物語の序章だったということでしょうか。ならば、続編も見てみたいと思います。

ヘンリー以外は有名な俳優はほとんど出ていません。かろうじて知っていたのは、魔法学校の学長役のマイアンナ・バーリングと魔法使い役のラールス・ミケルセン(マッツの実兄)くらいでしょうか。キャスティングにはこだわりがあるのかもしれませんねー。


映画『サスペクト 薄氷の狂気』が1月17日公開予定です。ヘンリー・カヴィル主演のクライムドラマらしい。人間を演じる彼も見てみたい。見に行くでしょう。

2019年海外ドラマ、映画、海外ミステリー小説 ベスト10

気が付けばもう年末ですねー。右手がマウス腱鞘炎で痛く、PCに向かう気になれなかったんですけれど、今年最後に、2019年マイベスト10を書きたいと思います。

海外ドラマベスト10



1.『ライン・オブ・デューティ / Line Of Duty』シーズン5
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待ちに待ったLoD、今シーズンも多いに楽しんだ。ドラマの音楽をきいただけでもワクワク感がとまらない。S1から続くH疑惑もひとまずは決着か。今シーズンに新しく登場したキャラのキャスティングも完璧。特にスティーブン・グラハムが秀逸で存在感をくまなく発揮している。彼の新作ドラマ『The Virtues』が今から楽しみ。

2.『マインドハンター / Mind Hunter』シーズン2
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こちらも私のお気に入りドラマの第2弾。今シーズンはホールデンの(いろんな意味で)天然さがさく裂。そんな彼を周りの大人たちがサポートすることに。アメリカで起きた「アトランタ児童殺人事件」をベースにしたストーリーが展開されるのだが、ホールデンがこの事件に関わることになるきっかけになったエピソードがまたいい。

3.『アンビリーバブル たった1つの真実 / Unbelievable』
実話ベースの女性刑事のバディもの。勤勉で優秀な等身大の女性を描いていて好感度大。キャスティングがもろ好みでベスト3に。

4.『チェルノブイリ / Chernobyl』
誰もが知っている大惨事のドラマ化。事件が起きたとき、人々はどうしていたのか。今まで知らなかった事実が明らかになる。綿密な取材に基づいて一部始終を描き上げたという。圧倒的な緊迫感が伝わり、ひとときも目が離せない。

5.『ヒューマンズ / Humans』 シーズン3
まさか今シーズンで終わるとは知らずに見ていたので、最後の展開には驚かされた。もっと続けてほしかった気もするが、ここで終えるのが正解なのかも。

6.シカゴ・シリーズ
『シカゴ・ファイア』シーズン6、『シカゴ P.D.』シーズン5、そして今NHKで放送中の『シカゴ・メッド』シーズン2を視聴中。ディック・ウルフの元、シリーズは順調なよう。P.D.がどこに進もうとしているのかが気になる。

7.『ホットゾーン』
ベストセラーの同タイトルのノンフィクション本をドラマ化したもの。ジュリアナ・マーグリーズが主演。エボラウイルスが疑われる事件で、人間への感染を防ぐべく奮闘する様子が描かれる。緊張感溢れるストーリーに引き込まれた。

8.『レジデント 型破りな天才研修医』シーズン2
自閉症の青年が医者になり困難を克服してゆくもの、ガンを患うも病院の改革にまい進するものなど、今年見た医療ドラマは5本。その中でこのドラマが良かった。メインキャラのレジデントと看護師は絵に描いたような美男・美女で二人がイチャつくシーンが毎回挿入されるあたりがいかにもB級っぽいけれど、他の医師たちのキャラが魅力的。前シーズンより面白くなってきたのものいい。

9.『True Detictive』シーズン3
シーズン1で高評価されたものの、シーズン2で酷評を受けたこのシリーズ。シーズン3は一体どうなることやら、と思って見てみた。だいぶ、S2の責めが堪えたとみえる。S3はS1路線に戻ったようだ。事件の結末も良かった。

10.『Unit 42: ブリュッセル サイバー犯罪対策課』
ブリュッセルのドラマということで物珍しさが手伝って見始めた。妻を亡くした刑事が率いることになったサイバー犯罪対策課の活躍を描く。閉鎖になったオフィスビルに住んでいる元ハッカーのビリーの過去が気になる。次シーズンも見たい。


映画ベスト10



公開されたものだけでなく、Amazonで見たものも含まれているので、公開日が今年でないものも含まれています。

1.『イエスタデイ』
イギリスのファンタジー・コメディ映画。最初から最後まで全部が楽しい。当たり前だけど、やっぱりビートルズは良い。映画を観ながら、彼らの曲をよく聴いた学生時代のことを思い出し、ノスタルジックに酔いしれた。

2.『ジョーカー』
ホアキン・フェニックスは怪物だと思っていたけれど、やはりそうであった。うーん、すごい!とにかく凄すぎて怖い。もう2度と見れないと思う。

3.『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』
エイミー・シューマー主演のコメディ映画。ある日頭をぶつけで鏡を見ると自分が絶世の美女に変身していた(と見えていたのは自分だけ)。彼女は自信に満ち溢れ、公私ともに成功していく。夜に娘と見て、爆笑し過ぎて眠れなくなるいう、、日中の視聴がおすすめ。

4.『蜘蛛の巣を払う女
前作のルーニー・マーラーのインパクトが強かったせいもあり、クレア・フォイのリスベット・サランデルはどうかなと思う。それでも、サスペンス映画としてはいい出来栄えで楽しめた。原作がぎゅっと濃縮されていて良かった。

5.『彼が愛したケーキ職人』

彼が愛したケーキ職人(字幕版)

彼が愛したケーキ職人(字幕版)

  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: Prime Video
ベルリンでカフェを営むトーマスは、たびたびイスラエルから出張でやってくる客オーレンと急接近する。しかし、ある時から連絡が途絶えてしまう。オーレンはエルサレムで事故に遭い亡くなっていたのだ。トーマスは彼の故郷へ向かい、オーレンの妻が営むカフェを手伝うようになる。いつまでも余韻が残った作品。

6.『誰のせいでもない』

誰のせいでもない(字幕版)

誰のせいでもない(字幕版)

  • 発売日: 2017/06/02
  • メディア: Prime Video
ジェームズ・フランコの魅力が存分に堪能できる映画。途中でシャルロット・ゲンズブールが登場すると、もしかして主人公と特別な関係を持ってしまうのでは?なんて思ってしまうがそうはならないので安心して。物語は意外にも淡々と進み、温かい気持ちになれる。

7.『心と体と』

心と体と(字幕版)

心と体と(字幕版)

  • 発売日: 2019/02/20
  • メディア: Prime Video
2017年のベルリンで金熊を受賞したハンガリー映画。食肉処理場に代理職員として赴任してきたマーリアはASDで他人とコミュニケーションがうまくできない。職場でのある事件がきっかけとなり、年上の上司と同じ夢(寝ているときに見る「夢」のほう)を見ていることを知り、二人は急接近する。映像の切り取り方が時にヒリヒリする。

8.『ラブレス
ロシア映画。離婚協議中の両親はどちらも12歳になる一人息子を引き取りたくないという。両親の口論の聞いていたアレクセイはあくる朝、行方不明になってしまう。見終わったあとのやるせない気持ちがいつまでも続く。

9.『マイ・プレシャス・リスト

マイ・プレシャス・リスト(字幕版)

マイ・プレシャス・リスト(字幕版)

  • 発売日: 2019/05/22
  • メディア: Prime Video
ハーバード大学飛び級で卒業した天才だが、友達も仕事も持たず、読書ばかりしているキャリー。見かねたセラピストが6つの課題を出すと、それをクリアしようと奮闘する。キャリーが住むアパートのインテリアや服装が可愛いので、それだけ見ていても楽しい。

10.『アマンダと僕』
フランスのヒューマン・ドラマ。パリに暮らす24歳のダヴィッドは、突然の悲劇で姉を失う。そして、姉の7歳になる娘アマンダの親代わりという重荷を背負うことになる。二人で見に行ったウィンブルドンのシーンが印象深い。


海外ミステリー小説ベスト10



1.『テーマは殺人事件』アンソニーホロヴィッツ これはもうダントツで面白かった。ホロヴィッツ節に何度も唸ったり笑ったりした。苦行の通勤時間もこの本のおかげで楽しみになったほど。最後にはすべての伏線が回収されてすっきり。海外ドラマの話題も多いので、ドラマファンの人も読んでみて。この凸凹コンビはシリーズ化するらしいので、今から楽しみ。

2.『レパード 闇にひそむ獣』ジョー・ネスボ

久々のハリー・ホーレのシリーズを満喫した。実はシリーズとは気づかずに手にとったのだが、読みながら徐々にハリーの過去を思い出し、上巻が読み終えるころにはページをめくる手が止まらくなった。さすがネスボ。

3.『カッティング・エッジ』ジェフリー ディーヴァー
科学捜査の天才リンカーン・ライムのシリーズ。このシリーズは必ず買うことにしている。最近のシリーズではベストではないだろうか。いよいよドラマになるということで楽しみ。ライム演ずるのはラッセル・ホーンズビー(『グリム』のハンク)らしい。その他のお馴染みの登場人物が誰なのか気になるところ。

4.『償いの雪が降る』アレン・エスケンス
大学生のジョーは授業の課題で、介護施設にいる末期がん患者のカールの伝記を書くことにする。彼は30年前に少女暴行殺人で有罪となったが、、ジョーはそのことに疑いと持つようになる。ミステリーには珍しく(?)読んだあと温かい気持ちになれる。

5.『名探偵の密室 』 クリス マクジョージ
閉じこめられた探偵が、密室の中にいる5人の中から犯人を当てろと言われる。面白いシチュエーションでの犯人捜しが始まる。

6.『拳銃使いの少女』ジョーダン ハーパー
アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)新人賞受賞作品。本を読んでいるけれど、まるでドラマを見ているような錯覚を覚える。と思ったら、映画化が決まっているのだとか。納得。

7.『アイル・ビー・ゴーン』エイドリアン マッキンティ
本編もよいのだが、島田荘司による後書き(解説)がまた面白い。

8.『死者の国』ジャン=クリストフ グランジ
ポケミスだけど、ずっしり重い、そして長い。猟奇的で陰惨な事件を調査するパリ警視庁警視のコルソ。犯人像が二転三転し、振り回される。

9.『危険な弁護士』ジョン グリシャム
王道のリーガル・サスペンスが得意なグリシャム先生らしくない作品。こんな小説も書くのねと思いつつ読み進めると、これもまたいい。外れ無しなのだ。

10.『サイコセラピスト』アレックス マイクリーディーズ
最後になるまで、落ちに気づかず、やられたーという感じ。読みやすくて一気読み。


番外編:
『運命のコイン』ジェフリー・アーチャー
久々にアーチャー作品を堪能した。もう高齢だと思うけれど、まだまだ現役で活躍されているとは嬉しい。

1068年のソ連で、父親をKGBに殺された青年アレクサンドルは母親エレーナと共に国を捨てる決意をする。コインの表が出たらアメリカ、裏ならイギリスへ。物語はアメリカに行った場合とイギリスに行った場合のアレクサンドルが平行して描かれる。ワクワクしながら読んだ。これこそ、ドラマ化してほしい。

海外ドラマ Netflix『アンビリーバブル たった1つの真実 / Unbelievable』

先月2週間、娘とポルトガル(少しだけパリ)に旅行(旅行記を少しずつアップしているので、良かったらこちらで見てください)してきました。それで帰ってきてから、時差ボケがひどくて夜に目が覚めてしまい、溜まっていた海外ドラマを見たあと、久しぶりにNetflixにアクセスしてみました。ここに書く時間がなかったんですが、待ちに待った『マインド・ハンター』のシーズン2は旅行前に見終わっていました。

それで、実話に基づいているというこのドラマをを見つけました。もちろん何の情報も持ち合わせていなかったんですが、2話目にメリット・ウェヴァー(Merritt Wever)、3話目にトニ・コレット(Toni Collette)が登場すると、もうこれは見るしかないでしょう?ってなりました。後から調べてみるとピューリッツァー賞に選ばれた記事『An Unbelievable Story of Rape』のドラマ化だということでした。

性犯罪被害者のストーリーだし、実話がベースだし、手放しで面白い!と言い難いですが、非常に良くできたドラマで引き込まれました。エンディングも良かったです。

以下、ネタバレ含みます。
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アンビリーバブル たった1つの真実 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

自宅アパートでマスクをした男にレイプされ、被害を訴えた18歳のマリー。最初はマリーを被害者として扱っていた警察ですが、犯人の痕跡が何も見つけられなかったことと、彼女がいくつも里親を渡り過酷な子ども時代を過ごしてきたことなどから、彼女の作り話ではないかと疑うようになります。その挙句、虚偽の証言をしたとして、マリーを起訴さえします。性犯罪の被害を受けた後、同情的だった友人たちは、それがウソだとわかると、誰もが彼女から離れていきました。それが2008年ことでした。

物語は2011年に移ります。刑事カレン・デュバル(これがメリット・ウェヴァー)はマリーのときと同じようなレイプ事件を捜査することになります。一見するとぶっきらぼうなデュバルですが、被害者の気持ちに寄り添います。犯人の手がかりがなく捜査は行き詰まります。そんなとき、やはり刑事の夫が別の管轄区域で同じような事件が起きていたことを示唆します。その事件を担当していた刑事こそがグレース・ラスムッセントニ・コレット登場)だったのです。

過去に遡り、同一犯の仕業と思われる被害者がもう一人見つかると、デュバルとラスムッセンは合同で捜査することになります。最初は互いに距離を置き、デュバルに関していえばラスムッセンの横柄な態度に対して、イライラを募らせていましたが、担当区域が異なる同姓の刑事の徹底した仕事ぶりを知ることで、お互いに信頼を置くようになります。


デュバルはラスムッセンの捜査資料から、その徹底した捜査の片鱗を垣間見ます。それはデュバル自身が高い基準で仕事を続けているからこそ、他チームの仕事についてもそれが一流かどうか見てとることができたのしょう。完璧な報告書は当たり前、3重チェックは必須と言い放つデュバルは、部下にも一切の妥協を許しません。彼女はプロとして立派ですが、友人になりたいかと聞かれれば、どうかわかりません。ラスムッセンは、デュバルに比べるとベテランなので、部下や同僚に寛容ですが、仕事に対する取組みは真剣です。

カレン・デュバルは夫に支えられながら子育てと仕事を両立させています。家事をしながら電話をかけ、ソファで小さい子どもを傍らに眠らせながら、防犯カメラの映像をチェックします。グレース・ラスムッセンは子どもはいませんが、長い一日を終えたあと、同じテーブルで夕食をとりながら相談できる夫がそばにいます。働く妻を支援する同業の夫の姿をドラマで見るのは楽しいことです。それを見ているのが夜中の3時だとしても。多忙な刑事=家庭崩壊というドラマ的なシナリオよりも、実際のところはこういう家庭が多いのでは?『ミディアム』のアリソンの夫は架空のモデルではありません。


物語は2011年の捜査とその数年前の起きたマリーの事件を行ったり来たりしますが、マリーの挿話は見るのが辛かったです。性的暴行だけでも大きなダメージなのに、大人によって嘘つきのレッテルを貼られたマリーのその後に起きたことは壮絶なものだったからです。


このドラマ、最初にも書きましたが、キャスティングが素晴らしいですねー!トニ・コレットが刑事?どうだろう、、と思ってみてましたが、見ているうちにベテラン刑事としてふさわしいと思えるようになりました。メリット・ウェヴァーは完璧、今後の活躍も楽しみです。

それからマリーが最終的に行き着いたセラピストがブルック・スミスだったにはやられました。ブルック・スミスじゃなかったら、セラピストの言葉も一人歩きしてしまったかもね、なんて思います。スミスはほんのちょっとの登場で視聴者に魔法をかけるような、そんなことができる俳優だと思います。そう、思いませんか?

海外ドラマ 『ヒューマンズ』シーズン3 ファイナル

Huluでシーズン3を見ていました。最近まで、シーズン4へ続くものだと思い込んでいましたが、どこかのサイトでこのシーズンで終了だと知り驚きました。まぁ、最終話を思い起こせば、それも納得ですかねー。それにしても、今シーズンは感傷的なシーンが多く、何度も泣いてしまいました。

以下ネタバレ含みます。
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ヒューマンズ が見放題! | Hulu(フールー) 【お試し無料】

シーズン2のフィナーレではシンスの意識を解き放つという大胆な試みで終了しました。そして続く今シーズンは、シーズン2から1年後という設定です。
シンスが目覚めた結果として数万人が亡くなり、イギリスは分断していました。そして、分裂はホーキンス家も。ローラがシンスの権利のために闘う日々を送る一方で、夫ジョーは家族と別居し、シンスフリーのコミュニティに引っ越していました。長女ミアは自分の書いたプログラムによって、多くの人が亡くなったことに心を痛めています。


①カレンとサム
カレンは同じシンスの「息子」サムと、シンスフリーの地区に住み、人間として生きていこうとします。サムは人間としてのふるまいを学び、普通の学校に通っています。サムがあまりにも可愛いので、彼が画面に登場するだけで癒されますねー。
シンスを避けて移り住んだ町で、カレンとサムを見つけたジョーは最初こそ驚きますが、彼らを支援する側にまわります。ジョーがサムを可愛がり、ゴルフや絵を教える様子は微笑ましいものでした。ある日、コミュニティの中でサムがシンスだとばれそうになると、カレンはサムを逃がし自分がシンスなのだと白状します。そして、シンスを憎む人間の攻撃の的となってしまいます。

②アナトール
いつもマックスに寄り添い、親切で優しかったアナトールが、まさかの悪役だった、、という展開に。彼がシンスの創作者(つまりレオの父親)を崇拝していたから?だからってどうして?

③スタンリー
意識を持たないロボット、オレンジ・アイのスタンリーは、実はグリーン・アイだったことがわかりました。これまた驚きました。今まで、自分の意識を封印し、ローラに仕えてきたんですね。スタンリーは逞しく強く、見た目は立派な大人なんですが、意識はまだ成熟しておらず、純粋な子どものよう。何が正しいのか、誰を支持すべきなのか、彼はラベリングを行い、深層学習しているようでした。

④ローラ
今シーズン、最も印象的だったのは、ローラがシンスのサムと見知らぬ人間との間で選択を余儀なくされた第6話のシーンでした。これはアナトールががスタンリーを自分の側につけるために仕掛けたことでした。ローラはもちろん、それを理解していましたが、そうであっても見知らぬ人を犠牲にすることはできませんでした。
シチュエーションは異なるけれども、私は30年以上も前に見た映画『ソフィーの選択』を思い出してしまいました。ソフィーのほうがはるかに残酷ですけれども。

⑤そしてミア
ミアはシンスの権利を擁護するために、一人で抗議行動をとっていました。それは静かで暴力とは無縁ものでした。そんなミアを応援する人も増えてきました。すべてはうまく行く、これでグリーン・アイのシンスと人間は歩み寄れる、と思えました。しかし、シンスに偏見を持つグループが、グリーン・アイの隔離エリアを襲います。そこで、ミアは怪我をした人間に手を差し伸べようとして凶悪犯に殺されてしまいます。それはテレビでライブ放送されていたこともあり、まるでシンスのための殉教者のようでした。実際、彼女の死は多くの人の心を動かしたに違いありません。

⑥ニスカ
今シーズンは単独行動が多かったニスカですが、最後の最後でより高い存在へと進化したようでした。オディが生まれ変わって再登場したのはちょっとしたサプライズでしたねー。ニスカを中心に新たなシンスの時代が切り開かれるかと思っていましたが、これでおしまいとはさみしいです。
マティが人間とシンスのハイブリッドの子どもを産むのも見てみたかったのに。

海外ドラマ 『ライン・オブ・デューティ/Line of Duty 』シーズン5

英国でシーズン5が放送されていたのは知っていたんですが、思いのほか早くNetflixで見ることができました。2年ぶり?面白かったです。
以下ネタバレ含みます。

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BBC One - Line of Duty, Series 5, Episode 1
https://www.netflix.com/jp/title/70263817


私は前回の日記で以下のように書きました。
ヒルトンがいなくなった今、無事に産休から復帰してほしいです。
はい、マニートはシーズン5に戻ってきましたね。おー!と喜んでいたのも束の間、その後マニートに起きた悲劇は予想外でした、あぁ。

今シーズンのメインテーマはやはり「H」は誰か、、ですね。「H=ヘイスティングス警視」と視聴者をミスリードさせておいて、実はこの人だった、という展開になるんだろうなぁと思って見ていました。物語の着地点がどうなるのかが気になりました。そして迎えた最終話。ほとんどがインタビュールームでの攻防戦に費やされ、これぞLODと、見ごたえありました。集中するあまり少々疲れましたが。
今シーズン、AC-3の長、パトリシア・カーマイケルにアンナ・マックスウェル・マーティンをキャスティングしたのはさっすがーとニンマリ。リアリティーが感じられるはまり役だったと思います。AC-3はシーズン3にも登場しますが、そのときの長はカーマイケルではなかったですね。

①コットンの死に際のメッセージ

ヘイスティングスへの長く厳しい尋問の後、AC-12のスティーブ・アーノットは、ドットのダイイング・ビデオを見て、これまで見逃していた「何か」に気づきます。彼が手をトントンとしているのは、実はモールス信号だったのでは?⇒トン・トン・トン・トン=H、つまり彼がケイトの問いにHと答えたのは4を指していたのではないか、イニシャルじゃなかった、手がかりを伝えようとしていたんだ、ってことになります。
そういうことだったの?って、これはかなりこじつけ感がありますねー。4人を示したかったら、指を4本立てれば良かっただけと思うのですが。ということでキャディは4人、ドット、ヒルトン、ジルの3人が明らかになった今、あと一人が残っているというのです。でも、これで4人目のキャディは「H」でなくてもよくなったので、対象は増えたんでしょうか。少なくとも今までに登場した人だと思うんですけれど。

ヘイスティングスに対する伏線回収

AC-12の長ヘイスティングスは今シーズン、問題行動が多かったです。彼はスティーブと潜入捜査官コーベットが連絡を取り合っていると知るや否や自分のノートPCを業者に持ち込み破棄します。後にそのことをAC-3に問い詰められると、ポルノの閲覧を隠すためだったというのです。どうも彼の弁明は説得力がないようでした。このことについては今後も言及はなしでしょうか。
また、ヘイスティングスは一人でブラックソーン刑務所を訪れ、組織的な犯罪グループ(以下OCG)のリー・バンクスと面会します。バンクスは最初こそ、ヘイスティングスと会うことを拒絶しますが、ヘイスティングスが一言二言声をかけると、バンクスは面会を許容します。そこで、二人が何を話し合ったのかは謎のままです。いずれは明らかになるかもしれません。
覆面捜査官コーベットとOCGのマックイーンは「H」とチャットで連絡を取り合っていました。オンラインで「H」のふりをしたヘイスティングスが書いた単語「definately」のスペルミスは、まさに「H」と同じだったことがわかります。「H」のミスを踏襲したというヘイスティングス。これは本当でしょうか。本当なら素晴らしいけれど。

③癖が強いジル・ビグロー

見るたびに「この人何なの?」と思っていました。ヘイスティングスに近寄りアプローチしたかと思えば、次に会ったときには早期退職をすすめたりと謎の言動が多かったジル。その背景には彼女の思惑が隠れていたというわけですね。
そのことを知ったとき、ヘイスティングスの口から飛び出したのは「なぜそんなことを?」、、衝撃だったことでしょう。それに対し、ビグローは特に悪びれる様子もなく「複雑なのよ」と。「時間はあるわ」(だから説明しなさい)と言うカーマイケルに「そうでもないの」とジルが答えたときのスティーブとケイト動きは早かったですね。私は彼らの「!」が見えた気がしました。実際にはコットンのときのようにはならなかったのですが。

④覆面捜査官ジョン・コーベット

彼は母親のために正義を働いているつもりだったことがわかりました。コーベットはビグローに操られた犠牲者でもありましたが、懸命になりすぎて一線を越えてしまいます。
彼を操作し、暴走するのをただ黙って見ていたビグロー。人はそんなにも残酷になれるものでしょうか。

⑤スティーブとケイトの今後

前シーズンで大けがを負ったスティーブ。背中の痛みは今もなお彼を悩ませているようでした。今後、クスリに依存しないか、女性と交流できるのか心配です。
ケイトはといえば、多忙な仕事が原因で家族との関係が崩れていきそうで、それも気がかりです。

⑥次回も登場するでしょうね>ライアン

シーズン1に登場したライアンは、まだあどけない少年でしたが、その暴力性は突出していました。もう少し身体が大きかったら、スティーブの指は切り取られていたかもしれません。その子が今シーズン、戻ってきたというわけです。
そして、OCGは大人になったライアンを警察に入れようしています。警察学校の面接で、ライアンは「自分が非行少年だった頃、警官バナジーに出会ったことで(更生し)警察に入ることを決意した」と言っています。たしかにバナジーはシーズン1に登場しています。次シーズンにライアンは登場すると想像していますが、バナジーも再登場するでしょうか。

シーズン6が観れるのは来年の春くらい?首を長くして待ちたいと思います。LOD、最高です!

海外ドラマ『刑事ジョン・ルーサー』シーズン5

AXNミステリーで見ました。シーズン4からもう3年以上が経っているので、シーズン5があるとは思っていませんでした。ファースト・シーズンは2010年で、もうかれこれ10年が経とうとしています。

以下、ネタバレ含みます。
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刑事ジョン・ルーサー | AXNミステリー

心臓外科医のレイクは何年もの間、虐待を受け、それが原因で精神にダメージを受けてきました。妻で精神科医のヴィヴィアンは夫の犯罪を知りながら、尻拭いに奔走します。しかし、レイクは倒錯した無慈悲な殺害を止めることができません。

ルーサーは新しい相棒キャサリン・ハリデーと共に捜査に乗り出します。DSハリデーは、頭の回転が良く、勘が働き、不在がちなボスに代わって仕事を進めることができる優秀な捜査官です。

一方、S4から継続して登場するのは、ジョージ・コーネリアス。ジョージの息子が誘拐されると、彼は宿敵であるルーサーの仕業であると確信し、拉致します。彼は007よろしく、その場から逃れますが、真の誘拐犯が誰なのかはすぐに知ることになります。


アリス・モーガン(Ruth Wilson)
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13歳でオックスフォード大学進学、18歳で天文物理学の博士号を取得した才女で、カリスマ的、予測不可能なサイコパス。アリスはジョンに出会い、彼に特別な興味を寄せるようになります。以後、アリスはルーサーに対し、異常なまでに執着するようになります。S1の頃、アリスはジョンに言っていました。「私は世界の誰よりもあなたを裏切らない」。

アリスがいつでも彼のために犠牲を払うつもりでいることに、ジョンは気づいていました。そして実際、彼はアリスを頼り、結果的に彼女を危険にさらしたことも一度ではありませんでした。

アリスはジョンと一緒に海外に行くことを望み計画していましたが、ルーサーは拒否します。アリスがどれほど懸命に誘惑しようとしても、彼は(S2でジャスティンを刑事に戻したら警察を辞めると言っていたにも関わらず)犯罪者がいる限りロンドンから離れることができません。

今シーズンのフラッシュバック・シーンで明らかになったのはS3のあと?二人はロマンチックな関係を持ったことがあったということです。しかし、二人の関係は一度きりだったのかもしれません。なぜなら、非常に高いIQを持つアリスですが、ことEQとなると悲しいくらいに貧弱なので、ジョンであっても彼女を相手にするのは困難であっただろうと思うからです。結局のところ、アリスはソシオパスです。

その後、アリスはギャングのジョージ・コーネリアスとビジネスをすることに決めたようでした。今シーズン、アリスはジョージに復讐することに躍起になっていました。そして、ジョンと久しぶりに再会したアリスは、彼の仕事上の新パートナー、DSハリディに対しあからさまに嫉妬するようになります。ハリデイ個人に対してというよりも、相変わらず仕事に没頭するルーサーと共に仕事ができることに対してだったように思います。


ベニー・シルバー(Michael Smiley)
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ITの専門家として、ルーサーの部署に呼ばれてから、ずっと彼の友人として同僚として、なくてはならない存在でした。

このシリーズの常といえば、メイン(仕事)とサブ(私生活)の事件が同時進行し、それをルーサーが解決してゆくというところなんですけれども、職務をはるかに超えるサブ案件についても、手助けをしてきたのがベニーでした。

彼はこれまで、現場に出たことはほとんどありませんでしたが、ジョンへのエサとしてコーネリアスの一味に拉致されてしまいます。ルーサーはアリスと共にベニーを救い出すと、アリスとベニーを隠れ家に残し、自分は現在追っている事件の捜査に向かいます。ルーサー不在時にジョージが寄越したヒットマンが現れると、ベニーはマークを庇い、自ら犠牲になってしまいます。あぁぁ。


マーク・ノース(Paul McGann)
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マークはルーサーの元妻ゾーイの恋人でした。人権弁護士のマークとルーサーは正反対で、ゾーイの愛情を競い合い、お互いを憎みました。

S1の終わりにゾーイがルーサーの同僚イアン・リードによって誤って殺害されると、マークとルーサーは同じ悲しみを抱えた者同士として歩み寄ります。ルーサーはマークとアリスの協力を経て、リードを逮捕しようとしますが、彼らの見ている前でアリスはイアンを殺してしまいます。

S2で、ある少女ジェニーを匿うために使ったのはマークの家でした。突然ジョンが現れて少女を預けられたマーク。マークとジェニーはおしゃべりをし、彼はゾーイが死んだこと、彼女と結婚しようとしていたことを打ち明けます。ジェニーはマークに、父親が売春婦を殺害したこと、ルーサーに捕まり、その後刑務所で自殺したことを伝えます。

逃げないように拘束されているジェニーのそばに座って本を読んでいるマーク。見知らぬ同士が本音を語り合うシーンは、束の間だけれど、厳しい現実を忘れられそうな気がしました。

そして、今シーズン、ルーサーがアリスとベニーをコーネリアスから守るために使った安全な家は、やはりマークの自宅でした。ここでまたマークを見れるのは嬉しいことです。


マーティン・シェンク警視(Dermot Crowley)

S1では、監察担当としてルーサーの調査を行い、S2から凶悪な連続殺人犯を追う捜査チームを率いたシェンク警視。彼は、その捜査チームにルーサーを引き入れるために「必死に戦った、汚い手も使った」らしい。

S5の最後、ルーサーはシェンクによって逮捕されます。ルーサーのツイードコートを脱がせ、手錠の上にそれをかけたシェンクは悲しそうでした。けれども、ジョンにかけられた嫌疑はいずれ晴れることでしょう。


ルーサーがコーネリアスについて真実を語ってくれなかったこと、自分よりも仕事を優先させたことで、アリスは誰にも止められないほど、まさに怒り狂っていました。そうであっても、ジョンを殺すことはできませんでした。ルーサーが亡くなった妻をいつまでも愛したように、アリスは死ぬことで、ジョンに再び愛されることを望んだのでしょうか。

それとも、自分のことを十分に気にかけてくれなかったジョンに対する罰だったのでしょうか。もしかしたら、ジョンが逮捕されることを見越して、彼ではなくすべては自分がやったことだとわからせるためにしかけたことなのでしょうか。

今回のアリスの最期のシーンは、まさにファーストシーズンのオープニングを思い出すものでした。それだけで、このシリーズも遂におしまいなのではと、思ってしまいます。もし次があるのなら、3年も待たせないでほしいです。とはいえ、ルーサーの相棒になる命知らずの人はいるのでしょうか。

海外ドラマ『刑事カーディナル』 S1, S2

スパドラで、放送していたカナダのサスペンスドラマ・シリーズです。帯番組を久々に楽しんで見ていました。シーズン1とシーズン2が連続で放送されたのも良かったです。

原作はカナダ人作家ジャイルズ・ブラント(Giles Blunt)の小説なんだそう。調べてみると、S1の原作「悲しみの四十語」は邦訳されていました。制作は『オーファン・ブラック』のオーブリー・ニーロン。これは期待できそうでしょう?主役カーディナル役はビリー・キャンベル(Billy Campbell)で、カナダ人俳優と思っていたら、彼は『THE KILLING』にも出演していた米国の俳優でした。一方カーディナルとコンビを組むデローナ役のカリーヌ・ヴァナッス(Karine Vanasse)はカナダ人俳優です。

オープニングはその曲と雪に覆われた風景が相まって、どこか北欧ドラマ『THE BRIDGE』を想起させます。

以下ネタバレあります。
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刑事カーディナル 悲しみの四十語

タイトルにもなっているカーディナルは地元警察の刑事で、双極性障害で入退院を繰り返す妻キャサリンと、トロントの高校に通う17歳の娘がいます。彼の心配事は常にキャサリンにあるようした。

悲しみの四十語

シーズン1で扱うのは、カナダの田舎町で起きた、ティーンエイジャーを狙った連続殺人事件。カーディナルと新しく相棒となったデローナは捜査を開始します。デローナは金融犯罪課から異動してきたのですが、実は警察内の不正を調べる特別捜査室に所属し、カーディナルにかけられたある嫌疑を調査しています。まぁちょっと「ライン・オブ・デューティ」風な要素が盛り込まれています。

メインの殺人事件は途中で犯人が登場するので、私たちは彼らの言動を知ることになるのですが、これがかなり怖い。拉致された青年の様子に、手に汗握り、緊張感が加速して見ていられなかったです。いや、実際には見ていたんですけれども。

事件と並行し、カーディナルが数年前に潜入捜査した際に不正をしたのではないかという疑いについても真相がわかってきます。彼は限りなくクロに近いようでしたが、後に彼が何を守ろうとしていたかがわかります。

記憶に巣喰う虫

シーズン2はシーズン1から数か月後、季節は変わり、初夏になった町はすっかり明るい雰囲気になりました。カーディナルへの内部調査は終了、入院していた妻キャサリンは自宅に戻り、二人は落ち着いた日々を送っているようでした。

そんなある日、頭に銃弾を抱えた若い女性が発見されます。赤毛の女性は生きていますが、どうやってそこへ来たのか、誰に撃たれたのか、思い出すことができません。カーディナルとデローナは彼女を襲った容疑者を突き止めます。

事件解決後、カーディナルが自宅に戻ると、「夕日を撮ってくる」という妻のメモを見つけます。妻を迎えに町に向かったカーディナルは、想像だにしなかった恐ろしい光景を目にすることになります。そして、絶望のどん底に突き落とされます。なんだかイヤな予感がしました。


S1では、言葉は少なくとも、情景や表情からその人の複雑な心情を映し出し、登場人物の怒りや悲しみに触れることができるような気がしました。ところがS2は明るい季節のせいかなのか、単に脚本のせいなのか、人の描き方が表面的になってしまったよう。人物造形に奥行きを持たすことよりも、メインの事件のほうに時間を割こうと決めたのかもしれません。

S2で、デローナと特別捜査室のボスの会話シーンで、元ボスの発言からデローナがカーディナルに想いを寄せていることを示唆するようなものがありました。そんなシーンはあったのかしら。私が見落としただけかもしれませんが。それが本当だったとしてもデローナの性格から、それを匂わすようなことはしないでしょう。カーディナルが妻を失った今後も、二人はロマンチックな関係にはならず、仕事上のベストパートナーになってくれそうな気がします。

それから、不本意にもキャサリンの死は次シーズンまでのクリフハンガーになってしまいました。キャサリンは果たして自殺だったのでしょうか。彼女が何に苦しんでいたか知っていたし、精神疾患がそうさせたのかもしれませんが、前夜に彼女が夫に見せた優しい寛いだ様子はとても自殺するようには見えませんでした。事件性があるように思えるし、むしろそちらのほうがしっくりくる気がします。

カナダでは高視聴率を獲得し、シーズン4までが決まっています。シーズン3の放送を待ちたいと思います。