映画『ゴーン・ガール』

この小説が出版されて少し経った頃、図書館で借りて読んだのですが、たまたま予約していた本が一度にきてしまい、ほとんど読めずに返してしまいました。ですので、今回映画で見る前はCMで見ただけで、予備知識なしに等しかったのですが、それがかえって良かったです。何も知らずに見にいくほうがより楽しめるように思います。

この小説はいわゆるイヤミス(嫌な気分になるミステリー)なので、読む人を選ぶ作品かもしれません。映画でも人間の負の要素が連鎖して絡み合い、これでもかと際限なく描かれます。そして、共感できる登場人物は主人公ニックの双子の妹くらいで、あとは皆無です。

映画の中盤から結末を思い浮かべるのですけれども、予想通りにはならず、意外な展開になります。なんなのよ、とお怒りになる人もいるかもしれませんが、私は非常に満足でした。終盤からはこっそりクスクス笑いながら見ていました。監督が「ミステリーからはじまりスリラーになり風刺劇で終わる」と言うように、幾通りも楽しめるエンタメ作品になっていると思います。


ニックに疑いの目がかかると家の周りはマスコミだらけになり、メディアはヒステリックに暴走していくのですが、私はその映像を見ている最中、乃南アサの『風紋』を思い出していました。ある日突然、殺人者の妻と呼ばれるようになり、それまでの暮らしぶりから一転する様子が怖いほどリアルでした。もう十年以上前に呼んだ本ですが、容疑者の家族から見たマスコミの描写が、今でも忘れられません。


さて、ニックを演じるのはベン・アフレック。はじめはこのキャスティングはいかがなものかと思っていた私ですが、これがピッタリでした。この人、そのままかというくらい自然体でダメ男でした。俳優としてのオーラは一切なく、田舎のどこにでもいそうな男がこんなに似合うとは思いませんでした。

そして、絶賛されているのがエイミー役のロザムンド・パイク。「アメイジング・メアリー」をパーフェクトに演じていました。エイミーがはっちゃけてJumpする姿をお見逃しなく。

次回のアカデミー賞の司会はエイミーの元恋人、金持ちで粘着質のデジーを演じたニール・パトリック・ハリスに決まっているので、ロザムンドがノミネートされて、二人のやりとりが見れると面白そうです。

 

ゴーン・ガール 上 (小学館文庫)

ゴーン・ガール 上 (小学館文庫)

 

 

ゴーン・ガール 下 (小学館文庫)

ゴーン・ガール 下 (小学館文庫)