2021年3月 海外ドラマ、映画、海外ミステリー小説のこと
2月に続き、3月に見たドラマなどを忘れないよう書こうと思う。3月は見たいドラマが少なくて、映画やドキュメンタリーを観ることが多かった。どこにも行かず、友人と飲むこともなく、会社と自宅の往復という生活にも慣れてきた。ほしいものはほぼオンラインで入手できるが、つい不要なものまで買っていしまい反省も。
海外ドラマ
Vienna Blood/ヴィエナ・ブラッド(Hulu)
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1906年のウィーンを舞台にしたイギリスBBC2によるのミステリードラマ。3つのパートがあり、1パートは前半と後半に分かれているので全6話となっている。
フロイトに傾倒する研修医マックスが、ウィーン警察の警部とタッグを組み、殺人事件の捜査に挑む。脚本は英ドラ『SHERLOCK』などのヒット作も手がけているスティーヴ・トンプソン。マックス役のマシュー・ビアードがカンバーバッチのように人気が出るかどうかは?だけれど・・。殺人事件は起きるも、ライトな仕上がりで、疲れたときでも気軽に見れるのがいい。シーズン2もぜひ観たい。
リンカーン 殺人鬼ボーン・コレクターを追え!(WOWOW)
ジェフリー・ディーバーの小説リンカーン・ライム シリーズのドラマ化。これは別の日記で書きたいと思う。
LAW & ORDER: 性犯罪特捜班 シーズン21(FOX/Hulu)
先月から引き続き、週一で鑑賞。第12話『警官の自殺』でエド・タッカーが登場。タッカーの引退パーティにベンソンが参加するというもの。悲しい結末に驚いたが、久しぶりにロバート・ジョン・バークが見れて嬉しかった。
映画
映画館には久しく行っていないので、動画配信サイトで鑑賞。適当にサーフィンしながら選んでいるので、古い映画も含みます。
COLD WAR あの歌、2つの心(Amazon)2018
舞台はポーランド。粒子の粗い淡々とした映像が流れる最初のシーケンスを観てドキュメンタリーかと思っていたら、恋愛映画だった。1949年、歌手をめざして音楽舞踏学校のオーディションを受けた若きズーラがピアニスト、ウィクトルと出会い、2人は次第に恋に落ちる。スターリン主義政権に悩まされているウィクトルは、自由を求め亡命。その後、15年以上に渡って二人のロマンスが描かれる。二人は(ありがちな)くっついたり離れたりを繰り返すのだけれど、白黒のスナップショットは美しく、演奏される音楽がなにもかも素晴らしい。ズーラが歌う曲がいつまでも心に残る。
監督パベウ・パブリコフスキの両親の物語がベースになっているというのだから、驚き!
ゴールデン・リバー(Netflix)2018
映画『ゴールデン・リバー』公式サイト
何げなく見始めたら、演技派俳優4人が勢ぞろい!これはもう見るしかないでしょう。
1851年のオレゴン州。名うての殺し屋シスターズ兄弟。
兄イーライ(ジョン・C・ライリー)と弟チャーリー(ホアキン・フェニックス)は似ても似つかないキャスティングだが、設定では同じ両親から生まれた正真正銘の兄弟ということになっている。二人とも大の大人であることに間違いはないが、殺し屋の腕がいいことを除けばやることなすこと全て子どものよう。
ゴールドラッシュに沸く1851年。兄弟は黄金を探す化学式を発見したという化学者(リズ・アーメッド)を追う。先発の連絡係(ジェイク・ギレンホール)は殺すはずの化学者と意気投合。その後、4人は合流し、いつしか友情が芽生えていく。何度でも観たい。
私は、マリア・カラス(Amazon)2018
マリア・カラスのドキュメンタリー自伝映画。M・カラスの貴重な舞台映像で美しい歌声を堪能した。その才能とエクゾチックな美貌で皆を虜にしたが、スター故の苦悩と孤独。早すぎる死を残念に思った。ジャコメッティ 最後の肖像(Hulu)2018
1964年、パリへの短い旅行中に、アメリカの作家ジェームズ・ロードはの友人である世界的に有名な芸術家アルベルト・ジャコメッティから肖像画のモデルを依頼される。ロードはジャコメッティの頼みを喜んで引き受ける(そうでしょうよ)が、すぐに終わると思われた肖像画の制作作業は、終わりが見えなくなる。実話をベースにした映画。
ロードは真っ白なシャツにネクタイを締め、誂えたスーツを着て、ウキウキ気分でジャコメッティのスタジオに向かう。しかし、ジャコメッティはロードが訪れても一向に描く気配がない。わたしならこの時点でキレそうだが、相手はアーティストである。ガマン、ガマン。
ようやく描き始めたと思ったら、ジャコメッティはロード(アーミー・ハマー)の顔を凝視し、「冷酷な顔だ、凶悪犯に見える」などと嘯く。「どこが?」と突っ込みたくなるが、当の本人ロードは、何を言われても「サンキュー」と返す。見よ、この自信よ!
しかし、アーティストの自己不信は止まらない。納得いくものが描けない。「ファッック!」と何度も吠え、キャンバスの前で頭を抱えては苦悩する。「またなのね」「またそれなのね」と見ているほう(わたしです)も呆れて、もう笑うしかなくなってしまう。
本物の絵はこちらで見ることができます。
Christies - Alberto Giacomettis Portrait of James Lord | Christie's
ジュゼップ (Josep)(Amazon)2020
サムネイルの絵に惹かれて鑑賞。1910年にバルセロナで生まれ、95年にニューヨークで没した実在の画家ジュゼップ・バルトリの人生を描いた長編アニメーション。非常に好み。
ジョーンの秘密(Amazon)2020
イギリス史上最も意外なスパイとされたメリタ・ノーウッドの話しを実話を基に映画化。80代のジョアン・スタンリーは郊外で静かな生活を送っている。ある日、英国シークレットサービスが家にやってきて反逆の罪で彼女を逮捕する。しかし、彼女は本当にそれらの犯罪を犯し、1930年代にKGBスパイとしてロシア人に英国の秘密を明かしたのか?
フラッシュバック・シーンで、若くて初心なジョアンは友人のいとこであるロシア系ユダヤ人のレオと出会い、政治的にも性的にもこのマルクス主義者に夢中になっていく。これがねー、ジョアンを誘惑するレオを演じているのがトム・ヒューズなのだ。彼以外は考えられないはまり役ではないか。
ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像(WOWOW)2020
作者の署名なき一枚の肖像画にふと目を奪われた老美術商が、人生最後の大勝負に打って出ることに。フィンランド映画。スキャンダル(WOWOW)2019
アメリカで実際に起こった女性キャスターへのセクハラ騒動をシャーリーズ・セロン、ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビーの豪華共演で映画化。シャーリーズ・セロンってこんな顔だったっけ?と思って見ていたが、特殊メイクだと後で知る。
事実ベースだからか仕方ないのかかなり退屈だった。どういう人を対象に作った映画なのか。そして、あのエンディングだ。苦々しい気持ちで終了ー。見どころはカズ・ヒロのメイクだけか?
小説
ラスト・トライアル
アラバマ大学ロースクールの老教授トムを主人公にした『ザ・プロフェッサー』『黒と白のはざま』に続く第3弾。ミステリーという点でも十分楽しめるが、このシリーズはやはり人間ドラマに重点を置いていると思う。続く4作目があるらしいので、楽しみに待ちたい。
平凡すぎる犠牲者
平凡すぎる犠牲者 〈ベックストレーム警部シリーズ〉 (創元推理文庫)
- 作者:レイフ・GW・ペーション
- 発売日: 2021/01/09
- メディア: Kindle版
ランナウェイ: RUN AWAY
- 作者:コーベン,ハーラン
- 発売日: 2020/12/08
- メディア: 文庫
父親が薬漬けになった娘を追う物語としてスタートし、その結末は意外なものだった。これもドラマになるでしょうか。
その他
先々月、目が疲れるので、Audible会員になったと書いたが、今では毎日聴いている。
歴史が苦手なので、歴史ものを聴いたり、ミステリーでは古典、アガサ・クリスティーや、私が海外ミステリーを好きになるきっかけになったフィリップ・マーロウ・シリーズなど。紙で買うよりは値段が高いが、先にまとめてコインを買っておきコインで購入するといい。
また、海外旅行に行けないので、以下のような本も購入。これが素敵なので紹介したい。
・ウェス・アンダーソンの風景
ウェス・アンダーソンの風景 Accidentally Wes Anderson 世界で見つけたノスタルジックでかわいい場所
- 発売日: 2020/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)