misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ『オックスフォードミステリー ルイス警部』シーズン1~8

AXNミステリの連続放送でやっとシーズン1から全話見ることができました。というわけで、ここしばらく平日の夜はこればかりを見ていました。2時間枠のこのドラマを毎晩みていたせいで、録画していた他のドラマからは次々に脱落、見るのをやめたドラマも1つや2つではありません。犠牲(ってほどでもないんですけど)を払ってまで見ていたのに、それが終わってしまい、今は心にポッカリ穴があいた感じになってます。(録画しているからいつでも見れるんですけどね)

連続放送の間、週末は録画したものを再度見たりしていたのですが、犯人を知ってからみるエピソードは、それを知らずに見たときとはまた違った趣があって楽しめます。最初に見るときはフーダニットをメインに、次に見るときはホワイダニットに重点を置いて見ると、はじめには気付かなかった犯人の言動の意味を改めて理解したり、見落としていた伏線に気づいたり、発見がいくつもあります。AXNミステリーの「見どころ」のページに書いてある「何度繰り返し見ても新たな発見がある」というのは、全くその通りです。

今回はじまりから見て、改めて気づいたのはモースへのオマージュがずいぶんちりばめられていたことでした。モースのスピンオフとして見ていなかったときは、それすら気づきませんでした。ルイスのモースへのリスペクトぶりは、モースを見ていない私でも嬉しく感じました。

このドラマは見方を変えると、ハサウェイの成長物語ともとれると思うのですが、彼はもともと部下として優秀な側面を持っていました。最初のエピソードで、事件関係者の過去の事件をモースが捜査していたことを知ったルイスが「モースがその(殺人でもない)事件に興味を持ったのは何かあったんじゃないか」とつぶやいただけで、ハサウェイはすぐさまその事件の資料一式を用意してルイスに渡すんですね。こんな風に上司であるルイスの言動を正しく受信し、行動を起こすハサウェイの姿を多く見つけることができます。たとえば、S5E1「遠い日の悲しい出来事」でルイスが「何か違う気がする」と言うと、彼は徹夜で資料の写真を時間でソートし、違う何かを見つけようとするのです。

ハサウェイが神学をやめた理由が明らかにされたのは、S2E3「業火の祈り」。これが結構衝撃的な内容でした。ハサウェイが珍しく事件に私情を挟み、そのことをルイスに咎められて二人は言い合いになります。「君は私の信頼を裏切った」「顔も見たくない」とルイスに拒絶されたハサウェイはひどく傷心し、自失するまで飲酒してしまいます。このルイスの言動は、連続殺人の次のターゲットがハサウェイになったことを知り、彼を何としても護ろうとする意識からくるものでした。ルイスがその後すぐにハサウェイに警護をつけたことからもわかります。でも、その警護も結局ハサウェイを見失ってしまい、あの名場面になるのですが。

また、ハサウェイの過去を知るエピソードとしては、S4E1「公爵家の人々」がありました。事件の中心となるモートメイン侯爵邸は、ハサウェイが小さい頃住んでいた場所でもありました。ハサウェイの親はそこで管理人をしており、小さい頃は侯爵家の子どもと使用人の子どもが身分に関係なく一緒に遊んでいたエピソードが語られます。大人になって初めて再会するモートメイン侯爵とのやりとりは興味深いものでした。「両親は元気か」とたずねる侯爵に対し、ハサウェイは嫌悪感を隠さず無言でその場を立ち去ります。事件の最後で侯爵がペドファイルであることがわかり、ハサウェイ一家がこの侯爵邸を出た理由を推測して、ハッとしてしまうエピソードでした。

シーズン8に入ると、ハサウェイも警部になっていました。警部になった重圧で彼はもっぱら厳しい顔をしています。ルイスが応援で手伝いにきたとき、彼は何とも複雑そうでした。でも事件を解決したあと、二人でボートを漕ぎながらハサウェイは言います。「一緒に仕事ができて良かったです」と。スペイン旅行に行っても大聖堂の手前の村まで行き、結局引き返すような複雑な性格を持つ彼が見せる、素直な一面に毎回グッときてしまうのは、私だけではないはずです。

それでもシーズン8は、私にとって少し複雑な気持ちになったシーズンでもありました。今までずっとルイスのことを「サー」と呼んできたハサウェイが「ロビー」と呼んだ(もっとも、ルイスがもう自分は上司ではないんだから名前で呼んで、と言ったからなんですが)り、ルイスが捜査に参加することをハサウェイがどう思うか気にしたり遠慮したりするのは、もちろんハサウェイの成長を考えれば喜ばしいことなんですが、ルイスを想うと少々寂しい気もしてしまうんですね。

今ちょうど、シーズン9の撮影が行われているようですが、これが『ルイス警部』の本当の最終シリーズと言われています。ルイスとハサウェイのコンビをいつまでも見たいですが、ルイスの年齢を考えるとなかなか難しいのでしょうか。いずれにしても、次シーズンを楽しみに待っています。下はシーズン9の撮影中の様子、厚いコートを着ているのは何か理由があるのかしら。できるだけ早くお願いします>AXNミステリー!

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さて、ここからは最近気になっているタロン・エガートンについて。『ルイス警部』のS7E2「さすらいの君」を覚えていますか。ハサウェイがコソボで慈善活動を行うために休暇をとった回です。斎場でアルバイトをしていたジェイ(のちに父親が殺されていることがわかります)役をしていたのがタロン・エガートンです。ちょっとガッシリした感じの彼です。

彼は映画『キングスマン』に出ています。それもメインキャストです。スパイ機関「キングスマン」のエリートスパイ、ハリー(コリン・ファース)がチンピラのエグジー(これがタロン・エガートン)に可能性を見出して候補生に抜擢するという話しです。キレッキレの過激スパイアクションで、今までのシリアスなスパイ映画とは一線を画しコメディ的要素も楽しめ、世界中で大ヒットしました。出張の移動中飛行機で見た夫も「面白い」と太鼓判を押していました。日本の公開は9月(遅くないですか)なので、もうしばらく待たねばなりません。

映画『キングスマン』オフィシャルサイト


映画『キングスマン』特報 - YouTube

タロン・エガートンがこの『キングスマン』のあとに出演しているのが『レジェンド(原題)』です。今、乗りに乗っているトム・ハーディ(前回も書きました)が実在したの双子のギャングをひとり二役で演じています。詳細はわかりませんが、これまた面白そう。下の写真は右も左もトム・ハーディ。動画もあるので検索してみてください。かっこいいです。

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