misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ『リッパー・ストリート』シーズン3まで


AXNミステリーのBBC FIRSTのベルト放送を時間録画しています。その中に『リッパー・ストリート』のシーズン3が録画されていました。シーズン1と2は見ていないのですが、少し見てみようと思い見始めたら、これが面白くて、良く出来たドラマでした。何で今まで見なかったの>私(最近このパタン多いです)と、一気にシーズン3を見ました。そしてS3はS2の4年後だということがわかりました。

そうしたら、どうしてもその前のS1、S2を見たくなりました。DVDや配信ビデオを探した結果、楽天ShowTimehttp://www.showtime.jp/)にあることがわかり、早速入会、全話パック(1シーズン1120円)を購入し、平日の夜はずっと視聴していました。

私が今までこのドラマを見なかったのは、『リッパーストリート』というタイトルから切り裂きジャックの事件を追うドラマだと思っていたからです。「あぁ、またか」と思っていました。このタイトルは分かりやすいけれど、私のように勘違いをした視聴者は少なからずいたのではないでしょうか。

 

舞台は1889年のホワイトチャペル地区ですし、主役のエドムンド・リードはジャック事件を捜査した実在する刑事の名前です。そして人も街もパラノイアに取りつかれているようにもみえます。が、ドラマの構成は『ロー&オーダー』にように、まず殺人事件があって、それを解決するという1話完結型になっています。事件のテーマや動機は、欲や貧困、差別などといった現代とあまり変わらないものです。また、今では当たり前の科学捜査への試みもあり、『CSI』のような楽しみ方もできます。

このショーのメインキャラは、エドムンド・リード警部補(マシュー・マクファディン)と、彼の忠実な部下ベネット・ドレイク(ジェローム・フリン)。そして、優秀なアメリカ人外科医ホーマー・ジャクソン(アダム・ローテンブルク)の3人です。何よりもこのドラマの素晴らしさは、この3人の個性的なキャラクタをうまいぐあいにミックスさせたところにあります。

マシュー・マクファディンというと映画『プライドと偏見』のダーシー役と紹介されることが多いんですけれど、私は『MI-5』(spooks)のトム・クインのイメージが強いです。衝撃を受けたドラマでしたし、諜報員のリーダー役の彼はクールでハンサムで、それはそれは素敵でした。

今回もマシュー演ずるリードは正義感の強い信頼のできるリーダーです。過去に合った事故で娘が消息不明になっており、彼に暗い影を落としています。彼は長い悲しみのトンネルから抜け出せず彷徨います。主役のリードは、清廉潔白には描かれていません。時に理性に負けて感情的になるリードに人の弱さを見せつけられます。

f:id:misasa104:20151214211011p:plain
MI5のときも今もメチャクチャ素敵です。

ジェローム・フリンは、HBOの『ゲーム・オブ・スローンズ』のブロンを思い起こさせます。私にとってブロンはGOTで最もお気に入りのキャラクタですが、このドラマでも愛すべき存在になっています。アダム・ローテンブルクはヒュー・ダンシー似(だと思いませんか)のイケメンなんですが、それは前面には出さず、才能はあるけれどダメな男をうまく演じています。

ジャクソンはリードに半ば強引に手伝わされているというスタンスなので、リードには言いたい放題、衝突することを厭わないという貴重な人物です。だらしない生活のその一方で、犯行現場の調査や徹底した検死を行い、素晴らしい仕事をします。

f:id:misasa104:20151214211025p:plain
この2人、良い味出してます。

この時代ならではのモチーフを各所に見ることが出来ます。警察のほかの部署への連絡には電報を打ち、ダーウィン優生学ジョセフ・メリックが登場して驚きました)、エジソンの電気の考察(動物実験の描写も)などの科学の進歩から、マッチガールのストライキ(マッチを作る過程で病気になってしまった女性の映像は衝撃的でした)や、ベアリングス銀行の危機、都市の再生まで幅広く描写されていました。


BBCはこのドラマをシーズン2でキャンセルしましたが、アマゾンで復活し、シーズン3が制作されました。そして、嬉しいことにシーズン5までが決まっています。

シーズン3は、12月28日からAXNミステリーで再放送が予定されています。S1、S2を見ていなくても充分楽しめます。もちろん、私もまた見ようと思っています。