海外ドラマ『24: リブ・アナザー・デイ』

私が海外ドラマを見始めたのはもうだいぶ前ですが、初めの頃はテレビで放送されていた『ER』のシリーズを見ていました。そして、そのあと人気を博したのが『24』でした。日本での海外ドラマブームのきっかけとなった作品ともいえます。米国では2001年から2010年までシーズン8まで放送されて、私はシーズン7まで見ました。

このシリーズはもう見ることはないかなと思っていたのですが、借りるDVDもなくなり、ちょっとだけ見てみようと借りてみたら、これがなかなか面白くて結局最後まで借りることに。今回の『Live Another Day』は今までのシーズンとは異なり、24話から12話へとコンパクトになり、舞台は英国ロンドンになっています。

余談ですが、先日ここに書いたスパイアクション映画『キングスマン』（9月公開予定）で、マイケル・ケイン扮するキングスマンのリーダーが、主役の新人スパイにコードネームは何が良いかと尋ねるシーンがあります。
「ＪＢ」
「ジェームズ・ボンド？」
「いいえ」
「ジェイソン・ボーン？」
「ジャック・バウアー」
というくだりがあるのを思い出しました。同じ英国の伝統あるスパイ映画「007」に対するアンチテーゼなのかもしれませんが、この会話、笑えます。

さて、このドラマは「ジャック・バウワー・ショー」なので、バウワー（キーファー・サザーランド）が不眠不休でテロと戦うというシンプルなものです。昔からの相棒クロエ（メアリー＝リン・ライスカブ）が今回も彼を助けます。クロエは家族を失い、ロンドンでアンダーグラウンドなハッカー集団に属していました。ロンドンということ（なのかどうかわかりませんが）で、パンクなメイクとファッションです。少しだけ『24』を見ている娘は「クロエ、こんなんだっけ？以前はいかにもITの人って感じだったのに」と言いますが、私は今回のヒップでいけてるクロエが結構好きです。（それにいかにもITの人って、それは誤解というものです。）

f:id:misasa104:20150802201559p:plain

側近や内部の裏切りは、このドラマでのお決まりであり伝統なので、今回も期待を裏切りません。その人はCIAロンドン支部長ナバロで、何と『ロー＆オーダー』のハンサムな刑事役をしていたベンジャミン・ブラットでした。久しぶりに見ました。年をとっても素敵ですが、今回のような悪役が意外にも似合っていました。というか、悪役のほうが味があります。

今回新たに投入されたキャラクタで、特に注目したのはテロリストのマーゴ役のミシェル・フェアリーと、ヘラー政権下、大統領首席補佐官でありオードリーの夫マーク・ブードロー役のテイト・ドノヴァンの二人です。

ミシェル・フェアリーは、今ちょうど毎週『ゲーム・オブ・スローンズ』を見ていることもあって、スターク家の当主の妻キャトリンのイメージですが、こちらも負けず劣らず違った意味で、信念を曲げない強い女性を演じています。彼女の娘の葛藤も良かったですね。娘（とその夫）は、観客の感情に訴えつつも結局は愚かな行動に出てしまうという、このドラマに必要な由緒あるキャラクタだったともいえます。

f:id:misasa104:20150802201624p:plain

オードリーをめぐるジャックとマイクの三角関係は本筋とは別な緊張感を生みました。というか、マイクが勝手に嫉妬の炎を密かに燃やしていただけなんですけどね。でも気持ちはわかります。私はそんなマイクが気になって彼ばかり見てしまいました。頭脳明晰でハンサムなんだけれど、なんかやらかしそうな感じ。そうであっても、お馴染みの画面分割でバウワーとマイクが並んで映ると、どうしてもマイクのほうが素敵だと思ってしまうのは私だけでしょうか。

f:id:misasa104:20150802201636p:plain

最後のイベントはドラマのクライマックスに用意されたものでしょうけれど、私は前半のほうが面白かったです。マーゴがいなくなった後の、このシリーズに由縁の深い人たちをとりまくエピソードには少々冷めてしまいました。とはいえ、全体的には久しぶりに見たこのシリーズを堪能しました。次はあるのでしょうか。

24-TWENTY FOUR- リブ・アナザー・デイブルーレイBOX [Blu-ray]

ところで、今回借りたDVDの5巻目（だったと思う）の付録に入っていたドラマ『Tyrant』が面白かったです。製作総指揮者に名を連ねるのは『HOMELAND』のハワード・ゴードンとギデオン・ラフ。内乱で国内情勢が不安定な架空の中東のイスラムの（架空の）国を舞台に、大統領とその家族、彼らによって武力弾圧で抑圧されて暮らす国民や反体制派グループとの争いを描いた作品なのだとか。

1話目は、米国ロスで小児科医をしている主人公（大統領の次男）が、甥の結婚式のために20年ぶりに家族4人で帰国するという内容です。中東版『ゴッドファーザー』と書いてある記事もありましたが、どのような展開になってゆくのでしょうか。国内での放送やDVD発売についての記事は見つけられませんでした。FOXあたりが放送してくれると嬉しいのですが。