小説『汚染訴訟』ジョン・グリシャム

海外ミステリー小説について、ちょっとため過ぎましたー。読書していなかったわけではないのですが。

皆さんはコンスタントに読書していますか?私はむらがあって、全然読まない期間もあります。大抵の場合、他のことに気をとられていたり、仕事で技術本を読まなくちゃいけなかったりするせいなんですが、それに加えて文庫本の小さい字が辛くてねー。

目が悪く(ド近眼+乱視)て、眼鏡またはコンタクトなしでは生活できません。かなり前から眼鏡は遠近両用ですが、それでも本が読みづらい。それで、最近、読書専用眼鏡を作りました。ただ、度数を下げたもので、眼鏡をかけて0.6くらいのもの。

これがすごくいい、小さな文字でもはっきり見えます。なぜもっと早く作らなかったのか、今までの苦労はなんだったのかと反省しきり。今では、本を読むときや、PCを使うときは、必ずこちらの眼鏡に替えて、歩くときは元の眼鏡に戻してます。

 

翻訳小説については半年ぶりの日記なので、面白かったものだけピックアップしようと思いますが、ひやぁ、だいぶ忘れてます。

 

『汚染訴訟』ジョン・グルシャム

汚染訴訟(上) (新潮文庫)

汚染訴訟(上) (新潮文庫)

 

久しぶりのジョン・グリシャムです。リーマン・ショックで、NYの大手法律事務所を解雇された女性弁護士サマンサは、アパラチア山脈の田舎町ブレイディにある無料法律相談所で働くことに。地元の弁護士ドノヴァンと出会い、巨大炭鉱企業の不正を知ることになります。

帰宅途中の電車で上巻の最後の衝撃的な一文を読み呆然としました。いやー、それは想像していなかったです。上巻はのんびり読んでいたんですが、下巻はフルスロットルで読みました。

グリシャム作品となると、困難に立ち向かい、大企業に逆転勝訴して爽快なエンディングを迎えるという展開を期待してしまうのですが、今回はそうはなりませんでした。なので、期待値ほどのカタルシスは感じられませんでしたが、これはこれでありかなぁと思います。

そして、弁護士でもエリートでもないですが、一女性としてサマンサの思考や感情に共感することが多かったです。続編はないんでしょうね。

関連日記:『巨大訴訟』ジョン・グリシャム

 

 『オスロ警察殺人捜査課特別班』サミュエル・ビョルク 

オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン

オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン

 

ノルウェー発の警察小説。ある日、山中で六歳の少女の首吊り遺体が見つかります。この事件を担当するのはオスロ警察殺人捜査課特別班。

双子の姉を失った刑事ミアは、休職し隠遁生活を送っていましたが、元上司のムンクの説得で復帰します。ミアは事件現場の写真を見て、これは連続殺人になると見抜くほど、洞察力に長けていました。

美しいミアと数学オタクのムンク、ヘッドハントされた元ハッカーの新入りなど、チームの面々が個性的です。北欧ミステリーは読みづらいという人もたまにいますが、こちらは翻訳が巧いせいなのか、とても読みやすいです。

  

『楽園の世捨て人』 トーマス・リュダール 

楽園の世捨て人 (ハヤカワ・ミステリ1915)

楽園の世捨て人 (ハヤカワ・ミステリ1915)

 

デンマークで「ガラスの鍵賞」を獲った北欧ミステリですが、舞台はデンマークとは離れたカナリア諸島。一体それはどこ?と思うでしょう。アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上にある、7つの島からなるスペイン領の群島です(ってwikiで調べたんですけどね)。いつか行ってみたくなりました。

主人公エアハートは、デンマーク人のタクシー運転手で、ときどきピアノの調教師もしています。ドライバーと調教師という組み合わせは珍しいでしょう?そして彼は島の人から「ガイジン」と呼ばれています。

ある日、海岸に遺棄された車から身元不明の幼児の死体が見つかります。この事件を警察がうやむやに葬ろうとしていることに気付いたエアハートは、自力で真相を突き止めようとします。おじいさんなんですが、このエネルギーはどこからくるんでしょう。

初めて読みましたが、この作者の文学的な文章が好きです。ですが、長い!とにかく長いのです。読むのに時間がかかり、途中で断念しそうになるも、何とか読了。もう、それだけで達成感です。

 

 『凍てつく街角』ミケール カッツ クレフェルト 

凍てつく街角 (ハヤカワ・ミステリ)

凍てつく街角 (ハヤカワ・ミステリ)

 

こちらもデンマーク発です。恋人を残酷な事件で失い、後悔と自責の念のなかで生きる刑事ラウン。彼は休職し、酒浸りの生活を送っていたんですが、友人から頼まれて、しぶしぶ二年前から行方不明の女性マーシャを捜索することに。

北欧ミステリには暗い過去を背負っている刑事がまぁ、多いこと。次に紹介するハリー・ホーレもそう。

読み始めて、つまらないかしら、とちらっと思ったんですが、その後はテンポ良く読みました。デンマークから見た、スウェーデンという視点も面白いです。それにしてもスウェーデン人はこの本、読みます?

 

『悪魔の星』ジョー・ネスボ

悪魔の星 上 (集英社文庫)

悪魔の星 上 (集英社文庫)

 

はい、こちらです。ハリー・ホーレ シリーズの5作目?コマドリ⇒ネメシス⇒そしてこの作品になります。以前にも書きましたけれど、先に翻訳された『スノーマン』は、そのあとの7作目。前作となる『ネメシス』のことはほぼ忘れていたんですが、読みながら徐々に思い出しました。

ハリーは相変わらず自滅的で、酒に溺れています。どんどんひどくなっている様子。もし、わたしが彼に会ったら「ちょっと荒み過ぎじゃない?」と言ってあげたい。

できれば『コマドリの賭け』から一気に3冊を読むのが望ましい気もしますが、コマドリが売っていないんですよね。だけど、大丈夫です。前作をほとんど忘れちゃっている私でも十分に楽しめました。ちゃんと説明もあります。

ネスボの作品はどれも好きですが、このシリーズは特別という感じがします。考えてみると、ハリー自体がすごく魅力的というわけでないんですけれど、ストーリーに引き込まれてしまう何かがあるんだと思います。

関連記事:翻訳小説 2015夏秋 - 『ネメシス』

 

『生か、死か』マイケル・ロボサム

生か、死か (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

生か、死か (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

四名が死亡した現金輸送車襲撃事件の共犯として刑に服していたオーディ。服役中どれほど脅されても彼は金の在処を吐くことはありませんでした。出所日前夜、もう一日待てば晴れて自由になれたのに、オーディは突如脱獄を果たします。

なんで脱獄しなければならなかったんだっけ?思い出そうとしても、まったく思い出せない。ということは読んでいるときもわかっていなかったのかもねー。

彼の過去がわかるにつれて、事件の真相が徐々に明るみになってゆくんですが、その回想シーンでは思わず感傷的に。それで脱獄理由のことは脇に置いてしまったのかもしれません。

彼を追う低身長の女性FBI捜査官デジレーや囚人仲間モスなど、サブキャラも魅力的です。この二人が登場するシリーズが出来たらいいのにと思います。

 

『渇きと偽り』ジェイン・ハーパー

渇きと偽り (ハヤカワ・ミステリ)

渇きと偽り (ハヤカワ・ミステリ)

 

オーストラリアのフーダニッタ。妻子を撃ち、自殺したとされる旧友ルークの葬儀に出るために、連邦警察官フォークは二十年ぶりに故郷を訪れます。旱魃に苦しむ、その田舎町は、閉鎖的で渇いてるーという感じ。

ルークの両親から、息子の死の真相を突き止めてほしいと頼まれたフォークは独自に捜査を開始します。そして、かつてフォークが暮らしていたその土地は、過去の苦い記憶を思い起こさせます。

地道な捜査で、犯人に迫ってゆくの姿がいいです。犯人は最後のほうになるまで、わかりませんでした。これがデビュー作ということなので、今後も楽しみにしています。

 

『刺青の殺人者』アンドレアス・グルーバー

刺青の殺人者 (創元推理文庫)

刺青の殺人者 (創元推理文庫)

 

『夏を殺す少女』の続編です。喘息の持病を持つ警部ヴァルターと、弁護士エヴェリーンが再び登場。全身の骨が折られた上に血が抜かれた若い女性の遺体が見つかります。娘の遺体を確認した母ミカエラは、長女と一緒にいた次女を見つけようと、自力で犯人を捜し出します。

このミカエラがですね、もうすごいんです。そりゃ、娘を探しているんだから必死なのはわかりますけど、そこまでやっちゃう?という感じ。終始ヴァルターは押されっぱなしです。

それから、今作ではまさかの人が殺されてしまいます。前作から活躍していたので、かなり衝撃でした。

関連記事:『夏を殺す少女』~『月の夜は暗く』アンドレアス・グルーバー

 

長々書いていますが、もうちょっと。

『バサジャウンの影』ドロレス・レドンド

バサジャウンの影 (ハヤカワ・ミステリ1914)

バサジャウンの影 (ハヤカワ・ミステリ1914)

 

「忘れていた」の連続ですみませんね、この本もすっかり忘れていました。つい最近、Netflix のおすすめにあった映画を何気なく見ていました。スペインのミステリーです。

バスク地方で起きた殺人事件。被害者の少女は全裸にされ、その上にはバスク伝統の菓子チャンチゴリが置いてあったんですが、このシーンを見て、なんだなんだ、この話し知っているぞ、ということで思い出したんです。

そもそも「バサジャウン」って覚えられないですよね。バサジャウンとはバスク神話の精霊なんだそうです。大男で毛がもじゃもじゃなんだとか。ドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』のパパの着ぐるみを思い出しちゃった。

バスク地方はは雨が多いんですかね。映像では、ほとんど雨が降っていて、暗いのなんのって。暗ーいミステリーが好きな人にはおすすめ。

 

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