misasa104の海外ドラマ日記

海外ドラマ(ごくたまに海外ミステリ小説)について忘れないように書いています。

海外ドラマ『Uボート ザ・シリーズ 深海の狼』シーズン1,2

1981年の『U・ボート』を観た人は多いと思う。もともとはテレビ・ドラマとして制作されたものを短く編集し劇場版として公開し、第55回アカデミー賞で6部門にノミネートされるなど、高評価を得たドイツ映画です。

その映画から約40年を経て、リメイクされたのがこちらの 『ザ・シリーズ』。今月、WOWOWでシーズン2が放送されました。シーズン1を観ていなかったので視聴するかどうか迷ったのですが、ちょうど良いタイミングで Hulu がシーズン1を公開したことを知り、シーズン1(Huluで)と2(WOWOWで)を続けて鑑賞することに。

シリーズの紹介文に映画の続編と書いているものもありますが、映画は観ていなくてOK。続きではなく、別物と思ったほうがいいです。
ちなみに、1981年版のテレビシリーズ全6話も Huluで公開中です。

以下ネタバレ含みます。

シーズン1(2018)

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1942年、第二次世界大戦中、第三帝国は依然として勝利を固く信じていた。ドイツ軍に占領されたフランスの港町ラ・ロシェル。ドイツ海軍史上に名を残す英雄の息子であるホフマン海軍大尉はUボート U612 の艦長に昇進し、初めての出撃を迎える。しかしホフマンは、周囲から親の七光りで昇進したという偏見に晒されていた。先任士官(2番手の位)カール・テンシュテットの間で最初の対立が起こる。

急遽、Uボートに通信兵として乗り込むことが決まった青年フランクは、ドイツ秘密国家警察の通訳になった姉シモーヌに封筒を渡し、自分の代わりに用事を済ませるように頼む。中に入っていたのは回路図で、取引相手はドイツに抵抗するフランス側のレジスタンスだった。

基地から出航した U612 の艦長ホフマンは、司令部から極秘任務を言い渡される。このことが、彼らの運命を大きく変えることに。


映画ではクルーたちが航海に出ると、閉所恐怖で息詰まりそうな艦内とどこまでも広がる海原のシーンがほとんどだったが、新しいシリーズでは、海と陸のシーンが平行して描かれる。

陸上では秘密国家警察のフォルスターの物語にスペースが取られる。フォルスターは一目でシモーヌに好意を抱くが、シモーヌはフランス人の抵抗闘争に突然引き込まれることになってしまう。

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この時代を生きた強い女性を描き、性的なロマンスを追加した現在風アレンジで物語の幅は広がり、複雑な興味深いシリーズになったのではないでしょうか。

一方でオリジナルのファンからすると、これが邪道のように感じるかもしれないです。

潜水艦内のコンテンツも、想像の上をいく(笑)少々奇抜な内容だったかもしれませんが、シーズン1のクリフハンガーを知ってしまったら、次シーズンを観ないわけにはいかなくなります。

シーズン2(2020)

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Uボート ザ・シリーズ2 深海の狼 | ドラマ | WOWOWオンライン

ドイツ占領下のフランス、ラ・ロシェルに帰還した U822 の艦長フォン・ラインハルツは、無益な戦争にすっかり嫌気が差していた。そんなとき特命が下り、ナチスの親衛隊員を乗せてアメリカを目指し出航することに。

また、シーズン1で U612 から追い出された艦長ホフマンは、大西洋を漂っているところを救助され米国ニューヨークにたどり着く。そこで武器商人グリーンウッドと再会し、ドイツに帰国できるよう助けを求める。

ラ・ロシェルでは、シモーヌのルームメイトで看護師のマルゴはユダヤ人の家族を救うために戦っていた。

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マルゴがフォルスターに「子どもだけは助けて」と懇願したとき、一瞬でしたが彼の苦悩が垣間見えたようでした。フォルスターの道徳的アンビバレントな感情に触れたシーンでした。

水中では狂信的なヴランゲルがラインハルツを追撃し、2つの艦内では多くのドラマがありました。ラインハルツの願いは『レッド・オクトーバーを追え!』のようにはいきません。

乗組員たちは、さまざまな選択を迫られることになります。シーズン1の冒頭で、敵前逃亡した乗組員が軍法会議にかけられ、その後どうなったのかを視聴者は知っているため、その行く末を案じずにはいられませんでした。

明確な勝利はないまま、物語はどんどん広がり、ハラハラの連続で疲れますが、没入感の高いドラマ・シリーズになっています。


ドイツやフランスのキャストで知っていたのは『ゲーム・オブ・スローンズ』にジャクェン・フ=ガー役として出演していたトム・ヴラシアだけでした。

2017年の映画『ファントム・スレッド』のアルマ役に抜擢されたルクセンブルク出身のヴィッキー・クリープスがシモーヌ役として出演しています。まるでモデリアーニの肖像画から抜け出てきたような感じがするのですが。

それと、ホフマン役のリック・オコンが魅力的です。海外にも広くファンが増えたのではないでしょうか。

続くシーズン3を楽しみにしています。