海外ドラマ BBC『女医フォスター Doctor Foster』

AXNミステリーのHPを見ていて、面白そうなドラマを見つけました。 すでにシーズン1は放送済みで、シーズン2が今月の放送予定になっています。それでシーズン2が放送される前にどこかでシーズン1が見れないかと探したところ、Huluで配信していたので早速視聴しました。

なんですが、AXNミステリーでは、2月24日(土)にシーズン1と2が一挙放送されるようです。HPに書いてあるドラマ紹介をそのまま引用します。 

最高視聴者数1000万人!2015年に放送開始された新ドラマの中で視聴率No.1を獲得! 英国アカデミー賞主演女優賞受賞、ミニシリーズ部門作品賞ノミネート! 英国の諺“さげすまれた女の恨みほど怖いものはない”を物語る、愛する夫に裏切られた女の復讐劇!
https://www.mystery.co.jp/programs/doctor_foster

本国イギリスで視聴率が高かったのも首肯けます。一話見たら釘づけになること必至、怖いもの見たさで続きを見たくなります。以下ネタバレ含みます。

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http://www.bbc.co.uk/programmes/b06ds22h

開業医として働くジェマ・フォスター(サランヌジョーンズ)は、マフラーに付着した一本の金髪を見つけて夫サイモン(バーティ・カーヴェル)の浮気を疑うようになります。思い込んだら一直線、夫の携帯電話チェックまで、驚くほど速く進み、夫を尾行するために自分の患者を払いのけます。

夫の不貞を確信したときのジェマのうろたえぶりがすごい。一度は夫を家から放り出そうとしますが、「わたしはできる女、できる女は取り乱したりしないの」と冷静を取り戻します。

そんな「できる女」ジェマは、医師という職業の倫理規定のほとんどに違反し、詐欺、脅迫することには抵抗はないようです。よくドラマに出てくるお馴染みの鉄壁の守秘義務はどうなっているのだ、と突っ込みたくなります。

夫のサイモンといえば、典型的過ぎる浮気亭主(といっても実際にはこういう男性にお目にかかったことはありませんが)。彼の発言がいちいちおかしい。「同時に二人の女性を愛してしまった」ですって。はいはい。本当は若い子がいいんだけれど、妻のほうが圧倒的に経済力があるから、悩みますよねー。子どももいますし。

 

サイモン役のバーティ・カーヴェル は、英国内の女性を敵に回したんじゃないかしら、などと心配になってしまうくらいはまり役でした。サランヌジョーンズは、デスパレート・バロメータ(実際にあったら、見てみたいですけれど)が振り切れている様子が実に素晴らしかったです。

 

ちょっと関係ないですけれども、ドラマのオープニングがLudovico Einaudi のピアノ曲で嬉しくなりました。ドラマ中、挿入される音楽も素敵です。

 

海外ドラマ HBO『BIG LITTLE LIES ビッグ・リトル・ライズ』

これはママヒエラルキーのおはなしかしら、と思い込み敬遠していました。しかしゴールデン・グローブ賞エミー賞のダブル受賞で話題になったのをきっかけに、私もHuluで見ることにしました。実際に見てみると、私が思っていたような、ただのママ友の話しではなく、どちらかというとミステリ要素が濃いドラマでした。

 

それにしてもキャストがゴージャスですねー。 二コール・キッドマン、ウィザースプーン、ウッドリー、ダーン、ゾー・クラヴィッツ、そしてアレクサンダー・スカルスガルドという映画スターの名が並びます。しかも主役級のそうそうたる顔ぶれです。映画とドラマの俳優がきっちり分かれていた頃では考えられなかったことです。

以下少々ネタバレ含みます。

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https://www.hbo.com/big-little-lies


赤と青の光の点滅、激しい呼吸の音でスタートします。小学校のチャリティイベントで誰かが殺害されたらしい。

 

探偵よろしく、関係者が証言を重ねます。親の夫婦関係、仕事、噂話など思い思いにコメントします。誰もが他人のことに興味津々で、好き勝手なことを言っていますが、裕福そうなこの町の表面下で何が起こっているのかは誰も知りません。

マデリン・マッケンジー(ウィザースプーン)は、本人は素のまま生きているんでしょうけれど、トラベルメーカーでもあります。ジェーン・チャップマン(ウッドリー)は、モントレーに最近引っ越してきた若いシングルママです。マデリンの最も親しい友人はセレステ・ライト(キッドマン)。若い銀行家ペリー(スカルスガルド)を夫に持ち、二人の熱い関係は町の他の夫婦たちの羨望になっています。

セレストとペリーは美男美女の高身長カップルで、海沿いの豪華な家に住み、ラルフローレンのポスターから飛び出たような双子の息子を育てています。一見、非の打ち所のない家族のように見えます。

 

豪家な家は、セレストだけではありません。マデリンの自宅も、後に登場するレナータ(ダーン)の家もため息が出るほど素敵です。マデリン家の巨大なキッチン・カウンターにはフルーツが盛られたバスケットがあり、レストランのようなおしゃれな料理が並びます。レナータはキャリア・ウーマンなので、それを反映した家なのでしょうか。白いパティオにプール、高価そうなソファ、家の中でひときわ存在感を放つ白い階段はスタイリッシュという完璧さ。そしてどちらも大きな窓から海を眺めることができます。

このショーは細かいところまできっちり計算されていますねー。インテリアやファッション、どれをとってもこだわりを感じます。

 

マデリンには娘が二人がいます。小学校に入学したばかりのキュートなクロエと、10代のアビゲイルアビゲイルは最初の夫との間にできた子で、元夫の再婚相手、編み込んだ髪と硬い腹筋のヨガインストラクターのボニー(ゾー・クラヴィッツと親しい間柄になっています。

学校初日レナータは、娘のアマベラの首の後ろに噛まれた痕を見つけます。アマベラが同級生のいじめを告発したとき、レナータは学校や他の両親に対して激怒します。そのことがきっかけになり、誰かの死を招くような出来事が起こります。 

何者かに虐められている娘の母親としてのダーンは破壊力がありますねー。怖いものなしのあの髪型と服装はローラ・ダーンにしか出来ない気もしてきます。自分の上司だったらちょっと引くかもしれないですし、案外友だちになったら頼もしくて楽しいかもしれません。

 

このドラマの原作は、オーストラリア人のリアーン・モリアーティのわりと最近の小説ということを知りました。今度読んでみようかしら。

ささやかで大きな嘘〈上〉 (創元推理文庫)

ささやかで大きな嘘〈上〉 (創元推理文庫)

 

別の小説『The Husband’s Secret』もブレイク・ライブリー主演で映画化するのだとか。

 

海外ドラマ Netflix『ゴッドレス -神の消えた町- Godless』

Netflixのオリジナルドラマがすごく増えましたね。『マインド・ハンター』も良かったですが、こちらも面白かったです。犯罪ものばかり見ている私にとって、西部劇のドラマは新鮮でインパクトがありました。

あとから知ったのですが、この作品は映画監督のスコット・フランク(『誘拐の掟』)が脚本、監督した作品なんですね。彼の映画も好きです。

 

広々とした平野でのショット、銃撃戦と疾走する馬たち、砂埃の多いメインストリートでの対決・・、これぞ西部劇と感じられるシーンが満載です。人間ドラマあり、アクションあり、サスペンスありとエンタメがギュギュッと詰まっています。 以下ネタバレ含みます。

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https://www.netflix.com/title/80097141

追っ手から逃れてきたガンマンのロイ・グッド(映画『マネーモンスター』の犯人役ジャック・オコンエル)は、未亡人のアリス・フレッチャ(『ダウントン・アビー』の ミシェル・ドッカリー)の牧場で一夜を過ごすことにします。

予期せぬ訪問者を見つけたアリスは、ためらうことなく弾丸を打ち込みます。けれども彼は死んではいませんでした。アリスの先住アメリカ人の義母の助けを借りて回復し、その後すぐにアリスの息子(サミュエル・マーティ)と交情を結びます。

しかし、そうしている間にも、何年も前にロイを息子として迎え入れていた盗賊のリーダー、グリフィン(HBO『ニュースルーム』のジェフ・ダニエルズは、ロイを執拗に追っていました。それは、ロイがグリフィンを裏切り、盗んだ金を横取りし、挙句の果てに彼の左腕を撃っていたからでした。

アリスの住んでいる場所からほど程遠くないところにラ・ベルという町があります。そこは鉱業事故のためにほとんどの男性を失い、女性たちで成り立っている町でした。メス・アグネス(『ウォーキング・デッド』の医師デニース役のメリット・ウィーバー、上の写真の向って左)は、ラ・ベルの前町長の未亡人で、今では夫に代わりツイードとズボン姿で事実上の町長として働いています。

彼女の兄であるビル・マクニュースクート・マクネイリーは、町の保安官で妻亡き後二人の子どもを育て、最近は視力が衰えてきています。保安官助手のホワイティー・ウィン(トーマス・サングスター)や、彼が恋しているアフリカ系アメリカ人のルイーズ、グリフィンの動向を記事にしたい一風変わった記者A.T.(ジェレミー・ボブ)など、どれひとつをとってもその描き方に無駄がありません。グリフィン一味を追う連邦保安官としてサム・ウォーターストンも登場しています。

グリフィンは獰猛で悪人である一方、彼には魂があり、聖書の言葉を信じています。グリフィンは、最初はただただイヤはヤツだったんですが、後に牧師のような慈悲深いふるまいやリーダーとしての資質を知ることで、ジェフ・ダニエルズのパフォーマンスと相俟って、見方が変わってきます。ロイを追ったのも、息子のような存在に裏切られたからで、そこには悲哀さえ感じました。

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舞台は19世紀なんですけれど、このドラマが持つテーマは現代風です。特定な人種やジェンダー、階級に縛られることなく、選択できるし行動できるというメッセージがあるように思います。

 

海外ドラマ Netflix『マインドハンター』

昨年見たドラマの中でかなり面白かったです。1970年代後半、殺人犯の心理を研究して犯罪科学の幅を広げようとするFBI捜査官二人。犯罪心理学とプロファイリングが誕生するまでを描いています。 デヴィッド・フィンチャーが監督・製作総指揮したことでも話題になりました。

以下ネタバレ含みます。

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https://www.netflix.com/jp/title/80114855

 

もろ好みのドラマです。刑事(ここではFBI捜査官)のバディもの、刑務所でのインタビュー、薄暗いアメリカン・ダイナーでの会話、リアリティのある疲れた刑事たち、、好きなものばかり。

 

オープニングシーンでは、FBIの行動科学ユニットのホールデン・フォード(ジョナサン・グロフ)が、銃を持った男が何人かを人質に取り立てこもった現場に到着します。ホールデンは、慣習的なメガホンを横に置き、穏やかに犯人と話そうと試みます。その後、予期しないことに、犯人は銃を喉にかけ、引き金を引いて頭を吹き飛ばしてしまいます。そして人質は無事に保護されます。

FBIは、これを勝利とし事件を片付けますが、ホールデンはそうしません。犯罪者の心理を理解しようとすることにほとんど価値がないとする連邦組織のなかで、ホールデンだけはこの結末に納得していませんでした。

ホールデンは有罪判決を受けた殺人者とのインタビューを行うことで、彼らを理解し、最終的には犯罪者の行動を先取りし予測するツールを作れると信じています。所長のシェパード(コッター・スミス)は、この懐疑的な部門を引き受けます。

ホールデンとパートナー、ベテラン捜査官のビル・テンチホルト・マッキャラニーは、地下室から外に出て、米国で最も有名な受刑者たちにインタビューすることに。彼らの最初に向った先には、6フィートもあるエドモンド・ケンパー(キャメロン・ブリットン)がいました。彼は過去に凶悪な事件を犯していました。

 

途中でこのプロジェクトに参加するのは、大学で心理学を教えるウェンディ・カー(アンナ・トーヴ、『フリンジ』でスターになった人です)で、彼女は研究の傍ら二人の男性に助言し、後にクワンティコでフルタイムのポジションを取得し、プロジェクトの正式メンバーとなります。

彼らの私生活についても描かれます。ホールデンは、社会学の大学院に通うデビー(ハンナ・グロス)という名のガールフレンドがいます。彼らの無頓着な会話も意味ありげで興味深いです。しかし、彼らの距離はだんだんと離れていき、デビーは自分の将来に悩み、「あなたは、異常者の話しを聞くニッチな仕事を見つけられていいわね」などと嫌味を言うように。
最後のエピソードで、二人が最後に会ったとき、不機嫌そうなデビーに「何を考えているの?」と問うも「あなたは人の心を読むのが得意でしょう」と返されたホールデンは、的を得た分析を自分の口から聞くことになります。そして彼は自分がやるべきことに気付きます。

また、ビルの自宅には愛しい妻と3年前に養子となった6歳の息子がいます。しゃべろうとしない息子に「気が重い」とビルは言います。一方、ウェンディはレズビアンでGFよりも仕事を選んだようでした。白ワインのグラス、地下の洗濯室、迷子の猫のためのマグロ缶は、彼女の孤独を映し出しているのかもしれません。

 

ホールデンとビルは、ときにトリッキーな事件で苦しんでいる地元警察のコンサルタントを引き受けます。これらのミニミステリー(元祖クリマイという感じです)は、より大きな流れのシーケンスとは別に注意深く複雑に行われ、二人のエージェントがインタビューで学んだことを実践する場になっています。

同僚以上だけれども友人以下のような二人の関係は、このドラマの最大の魅力です。ビルはホールデンが暴走しないためのストッパーでもありましたが、ホールデンは慢心するようになり一人で突っ走ります。その結果、彼が見たものは・・・。

 

ジョナサン・グロフは『Glee』でジェシー役として出演していました。レイチェルと図書館で一緒に歌ったシーンは今でも覚えています。軽いノリのイケメン生徒が似合っていましたが、こちらの役では好奇心むき出しの才能豊かなFBIエージェントを熱演しています。

 

 

最近、Netflixマンハント ユナボマーを見ました。
全米を震撼させた爆弾魔で天才数学者でもあったユナボマーことテッド・カジンスキーを描いたドラマです。

犯人の言葉使いと思想をヒントにし、長年探し出すことができなかった犯人を捕まえるというお話しです。カジンスキーが学生だった頃の回想シーンは、見ていて居たたまれなかったですが、ドラマとしては面白かったです。

マインドハンターが好きな人は、こちらもおすすめです。

 

小説『血のない殺人』

ここ3ヶ月くらい仕事が多忙でなかなか自分の時間がとれませんでした。なので、最初の頃は、通勤の車中で読む本が唯一の楽しみだったんですが、12月に入ってからはそれもままならず、車中ではぼんやりしていることが多くなりました。心はカラカラに乾き、トマス・H・クックの本を読み、思い切り絶望感という闇に包まれたい、感傷の渦に飲み込まれたいと思うように。この気持ちはどこから来るものなのか、自分でもよくわかりません。
とはいえ、年末の休みに入って実際に買ったのは、ジェフリー ディーヴァー の『スティール・キス 』なんですけれどもね。


『血のない殺人』フェイ ケラーマン

血のない殺人 上 (ハーパーBOOKS)

血のない殺人 上 (ハーパーBOOKS)

1993年に邦訳が出てから、長く続いているリナ&デッカーシリーズ。全て翻訳されているわけではないですが、現在24作あるようです。ロサンゼルス市警のデッカー刑事とユダヤ教徒の女性リナを主人公とした警察小説で、地味ですが、好きなシリーズです。私はユダヤ教のことをこの本で学びました。
今回は『正義の裁き』のクリスのその後が描かれます。全話を読んでいる私ですが、クリスのことはすっかり忘れてまーす!でも大丈夫、本作だけでもわかるようになっています。
犯罪者の息子として生きることに、どこか達観したクリスの息子ゲイブ。そうは言ってもまだ14歳、リナとデッカーにほだされて変わってゆく姿にホロリときます。


『怒り』ジグムント ミウォシェフスキ

怒り 上 (小学館文庫)

怒り 上 (小学館文庫)

作者はポーランドルメートルと絶賛され、本国でベストセラーになった小説。
ポーランド北部オルシュティン市の工事現場で、白骨死体が見つかります。検察官テオドル・シャツキは最初は戦時中の遺体だと思っていたのですが、実際には10日前まで生きていたことが判明します。やがて、この男は生きたまま大量の配水管洗浄剤で溶かされて死んだことわかるのですが・・。
シャツキの心の声に共感しまくり(#私も壊れかけているのか)すっかりはまりました。しかし、結末は読めず。かなり意外な展開が待っています。


『われらの独立を記念し』スミス・ヘンダースン

われらの独立を記念し (ハヤカワ・ミステリ)

われらの独立を記念し (ハヤカワ・ミステリ)

1980年のアメリカのモンタナ州テンマイル。家庭福祉局に勤めるピート・スノウは、ソーシャル・ワーカーとして虐待やネグレストなど問題を抱えた家庭を巡回し援助を行っています。
ある日、テンマイルの小学校から連絡を受けたピートは校庭にふらりと現れた不衛生な姿をした少年、ベンジャミン・パールと面会します。話しによれば、ベンジャミンは家族とともに山中で世間から隔離した生活を送っているらしい。
この本、ミステリなのか何のジャンルなのか途中でわからなくなりました。ポケミスなんですけれど。
ピートがダメ男過ぎて感情移入できないし、娘レイチェルの堕ちっぷりにもうんざり。パール親子の行く末だけが気になって最後まで読みました。


『失踪人特捜部 忘れられた少女たち』サラ・ブレーデル

失踪人特捜部 忘れられた少女たち (角川文庫)

失踪人特捜部 忘れられた少女たち (角川文庫)

サラ・ブレーデルはデンマークで人気の作家で、2012年の『見えない傷痕』の女性刑事ルイース・リックの続編です。このときは殺人捜査課に所属していましたが、本作では新設の失踪人特捜部に配属され、問題刑事アイクと組み、事件を追ってゆく姿が描かれます。
アウンスー湖ほとりの森の中で転落死した女性の身元を調べはじめます。その女性は30年前に知的障害者施設で死んだと思われていました。
読んでいる途中、どういう筋書きなのかわかってしまったんですが、最後まで見届けることに。


『湖の男』アーナルデュル インドリダソン

湖の男

湖の男

アーナルデュル インドリダソンは、アイスランドの作家で、日本でも『湿地』『緑衣の女』『声』と順調に翻訳されているので、知っている人も多いと思います。
ある日、干上がった湖の底で白骨された遺体が見つかります。死体が旧ソ連製の通信機にくくりつけられていたことから、事件は冷戦時代まで遡ります。
過去のエピソードは、知らないことばかりで興味深かったですし、歴史に翻弄される若者たちの悲劇に心揺さぶられました。


ノクターナル・アニマルズ オースティンライト

ノクターナル・アニマルズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ノクターナル・アニマルズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

1993年の小説。なんで今ごろ出版されたのかと思いながら読みました。
これを2016年にトム・フォードが映画化していたんですね。それを2017年11月に日本公開するのに合わせて、出版されたということでしょうか。
ある日、20年以上前に別れた夫から謎の小説原稿が送られてきます。その小説のタイトルが『夜の獣たち』(ノクターナル・アニマルズ)。これがとにかく怖い。読み始めたら止められなくなります。
元夫と『夜の獣たち』の主人公をジェイク・ギレンホールが演じていたんですね。見たかった!


『キリング・ゲーム』 ジャック・カーリイ

キリング・ゲーム (文春文庫 カ 10-7)

キリング・ゲーム (文春文庫 カ 10-7)

カーソン・ライダーシリーズです。テンポ良く読めますし、エンタメ性もありいつものように楽しめます。
が、毎回カーソンに恋人ができるのはいかがなものかと。ハンサムで素敵なんだろうと思いますよ、はい。けれど毎回だとさすがに飽きませんか。恋人よりお兄さんの登場を増やしてほしいと思うのは私だけでしょうか。

海外ドラマ Showtime『ホームランド』シーズン6

9月に娘とドイツ旅行に行ったことを書きたいと思っていたんですが、旅行から帰るや否や仕事が多忙になり、自宅でPCに向き合う時間が取れません。今週末やっと2日間休むことができました。時間は作るものといいますが、これがなかなか難しいです。

 

さて、FOXテレビで『ホームランド』シーズン6を放送していたのは、春頃でしょうか?見終わってからずいぶん経ってしまったんですが、ちょっと振り返ってみたいと思います。

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http://www.sho.com/homeland

シーズン5はベルリンでサリン被害にあったクインのベッドサイドにいるキャリー・マシソン(クレア・デインズ)のシーンで終わりました。

YouTubeにそのときのシーンがあります。このラストは少々感傷的です。クインは世界を、キャリーを少なくとも何度救ったでしょうか。
Quinn & Carrie - Yours for Always (5x12) - YouTube

 

シーズン6では舞台をNYに戻します。キャリーは今までの経験を生かし、不当な扱いを受けるムスリムを助けるプロボノの法律事務所に勤めています。 優秀な人は場所を変えてもすぐに自分が活かせる有益な仕事が見つかるものなんですねー。

 

クインはというと、NYの病院で理学療法を受けていました。言葉は鈍り、動きを損なわれた彼は、周囲の誰にでも怒りを覚え、うつ病に陥ったようでした。看護師はキャリーに彼女の訪問が特に彼を怒らせると言い、医師は頻繁に病院に来ないよう伝えます。そして、キャリーがクインを見舞うと 「私を逝かせてくれ」と頼むのです。

キャリーはクインに責任を感じています。彼がこうなってしまった一因は彼女にもあるでしょう?しかし、キャリーの存在感は、クインの退院後、キャリーのアパートの地下に彼を置いた後でさえ、彼を自己破壊的な螺旋へと向わせます。

 

私は、クインを助けようとした旧友(というか元GF)ドイツ連邦情報局のアストリッド(ニーナ・ホス)の身に起こったことで、彼の行く末がわかってしまったんですよね。きっとクインは自分を許すことができないだろうと。

 

各シーズンでキャリーの立場が変わるたびに、テロリストの描画も変わってきますねー。今回は、アメリカで生まれ、アパートで母と妹と一緒に住んでいるナイジェリア人移住者のセコウ(ジャマル・マロリー・マクリー)がウェブサイトでテロを誘発した疑いで逮捕されるところから話しはスタートします。

ときどき、このドラマの主旨を忘れてしまうんですが、本来は『24』のようにテロと闘うという壮大な(!)テーマを持っていたはずです。が、それを目的にこのドラマを見ると肩透かしにあうかもしれないです。

キャリーは今やCIAにはおらず、ソールとの関係も希薄です。彼らが同じ時間を共有したシーンはどれだけあったでしょう。ソール&ダールのおじさんたちは、勝手なことをしていますが、それはかなり退屈だったと思うのは私だけでしょうか。

シーズン8まで続くそうなので、残す2シーズンは、キャリーにはCIAにカムバックしてソールとタッグを組んでほしいなと思います。

 

 

アストリッド役のドイツ人ニーナ・ホスは、日本でも主演映画が公開されているのをご存知ですか。非常に存在感のある女優さんです。

『東ベルリンから来た女』

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1980年、当時社会主義国家だった旧東ドイツの田舎町を舞台に、国外脱出を計画する女性医師の姿をサスペンスフルに描いた人間ドラマです。

 

『あの日のように抱きしめて』

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「東ベルリンから来た女」のクリスティアン・ペッツォルト監督と主演のニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルトの3人が再び顔を合わせた映画です。

第二次世界大戦終戦後のベルリンを舞台に、強制収容所から生還した元歌手のユダヤ人女性と、容貌の変わった彼女に気付かない夫の関係を描いています。

 

どちらの映画も、派手なBGMはなく物語は淡々と進みます。そしてラストはほろ苦いです。ニーナ・ホスの表情が変わってゆくのをぜひ見てみてください。

 

小説『汚染訴訟』ジョン・グリシャム

海外ミステリー小説について、ちょっとため過ぎましたー。読書していなかったわけではないのですが。

皆さんはコンスタントに読書していますか?私はむらがあって、全然読まない期間もあります。大抵の場合、他のことに気をとられていたり、仕事で技術本を読まなくちゃいけなかったりするせいなんですが、それに加えて文庫本の小さい字が辛くてねー。

私はド近眼+乱視で、眼鏡またはコンタクトなしでは生活できません。かなり前から眼鏡は遠近両用ですが、それでも本が読みづらい。それで、最近、読書専用眼鏡を作りました。ただ、度数を下げたもので、眼鏡をかけて0.6くらいのもの。

これがすごくいい、小さな文字でもはっきり見えます。なぜもっと早く作らなかったのか、今までの苦労はなんだったのかと反省しきり。今では、本を読むときや、PCを使うときは、必ずこちらの眼鏡に替えて、歩くときは元の眼鏡に戻してます。

 

翻訳小説については半年ぶりの日記なので、面白かったものだけピックアップしようと思いますが、ひやぁ、だいぶ忘れてます。

 

『汚染訴訟』ジョン・グルシャム

汚染訴訟(上) (新潮文庫)

汚染訴訟(上) (新潮文庫)

 

久しぶりのジョン・グリシャムです。リーマン・ショックで、NYの大手法律事務所を解雇された女性弁護士サマンサは、アパラチア山脈の田舎町ブレイディにある無料法律相談所で働くことに。地元の弁護士ドノヴァンと出会い、巨大炭鉱企業の不正を知ることになります。

帰宅途中の電車で上巻の最後の衝撃的な一文を読み呆然としました。いやー、それは想像していなかったです。上巻はのんびり読んでいたんですが、下巻はフルスロットルで読みました。

グリシャム作品となると、困難に立ち向かい、大企業に逆転勝訴して爽快なエンディングを迎えるという展開を期待してしまうのですが、今回はそうはなりませんでした。なので、期待値ほどのカタルシスは感じられませんでしたが、これはこれでありかなぁと思います。

そして、弁護士でもエリートでもないですが、一女性としてサマンサの思考や感情に共感することが多かったです。続編はないんでしょうね。

関連日記:『巨大訴訟』ジョン・グリシャム

 

 『オスロ警察殺人捜査課特別班』サミュエル・ビョルク 

オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン

オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン

 

ノルウェー発の警察小説。ある日、山中で六歳の少女の首吊り遺体が見つかります。この事件を担当するのはオスロ警察殺人捜査課特別班。

双子の姉を失った刑事ミアは、休職し隠遁生活を送っていましたが、元上司のムンクの説得で復帰します。ミアは事件現場の写真を見て、これは連続殺人になると見抜くほど、洞察力に長けていました。

美しいミアと数学オタクのムンク、ヘッドハントされた元ハッカーの新入りなど、チームの面々が個性的です。北欧ミステリーは読みづらいという人もたまにいますが、こちらは翻訳が巧いせいなのか、とても読みやすいです。

  

『楽園の世捨て人』 トーマス・リュダール 

楽園の世捨て人 (ハヤカワ・ミステリ1915)

楽園の世捨て人 (ハヤカワ・ミステリ1915)

 

デンマークで「ガラスの鍵賞」を獲った北欧ミステリですが、舞台はデンマークとは離れたカナリア諸島。一体それはどこ?と思うでしょう。アフリカ大陸の北西沿岸に近い大西洋上にある、7つの島からなるスペイン領の群島です(ってwikiで調べたんですけどね)。いつか行ってみたくなりました。

主人公エアハートは、デンマーク人のタクシー運転手で、ときどきピアノの調教師もしています。ドライバーと調教師という組み合わせは珍しいでしょう?そして彼は島の人から「ガイジン」と呼ばれています。

ある日、海岸に遺棄された車から身元不明の幼児の死体が見つかります。この事件を警察がうやむやに葬ろうとしていることに気付いたエアハートは、自力で真相を突き止めようとします。おじいさんなんですが、このエネルギーはどこからくるんでしょう。

初めて読みましたが、この作者の文学的な文章が好きです。ですが、長い!とにかく長いのです。読むのに時間がかかり、途中で断念しそうになるも、何とか読了。もう、それだけで達成感です。

 

 『凍てつく街角』ミケール カッツ クレフェルト 

凍てつく街角 (ハヤカワ・ミステリ)

凍てつく街角 (ハヤカワ・ミステリ)

 

こちらもデンマーク発です。恋人を残酷な事件で失い、後悔と自責の念のなかで生きる刑事ラウン。彼は休職し、酒浸りの生活を送っていたんですが、友人から頼まれて、しぶしぶ二年前から行方不明の女性マーシャを捜索することに。

北欧ミステリには暗い過去を背負っている刑事がまぁ、多いこと。次に紹介するハリー・ホーレもそう。

読み始めて、つまらないかしら、とちらっと思ったんですが、その後はテンポ良く読みました。デンマークから見た、スウェーデンという視点も面白いです。それにしてもスウェーデン人はこの本、読みます?

 

『悪魔の星』ジョー・ネスボ

悪魔の星 上 (集英社文庫)

悪魔の星 上 (集英社文庫)

 

はい、こちらです。ハリー・ホーレ シリーズの5作目?コマドリ⇒ネメシス⇒そしてこの作品になります。以前にも書きましたけれど、先に翻訳された『スノーマン』は、そのあとの7作目。前作となる『ネメシス』のことはほぼ忘れていたんですが、読みながら徐々に思い出しました。

ハリーは相変わらず自滅的で、酒に溺れています。どんどんひどくなっている様子。もし、わたしが彼に会ったら「ちょっと荒み過ぎじゃない?」と言ってあげたい。

できれば『コマドリの賭け』から一気に3冊を読むのが望ましい気もしますが、コマドリが売っていないんですよね。だけど、大丈夫です。前作をほとんど忘れちゃっている私でも十分に楽しめました。ちゃんと説明もあります。

ネスボの作品はどれも好きですが、このシリーズは特別という感じがします。考えてみると、ハリー自体がすごく魅力的というわけでないんですけれど、ストーリーに引き込まれてしまう何かがあるんだと思います。

関連記事:翻訳小説 2015夏秋 - 『ネメシス』

 

『生か、死か』マイケル・ロボサム

生か、死か (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

生か、死か (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

四名が死亡した現金輸送車襲撃事件の共犯として刑に服していたオーディ。服役中どれほど脅されても彼は金の在処を吐くことはありませんでした。出所日前夜、もう一日待てば晴れて自由になれたのに、オーディは突如脱獄を果たします。

なんで脱獄しなければならなかったんだっけ?思い出そうとしても、まったく思い出せない。ということは読んでいるときもわかっていなかったのかもねー。

彼の過去がわかるにつれて、事件の真相が徐々に明るみになってゆくんですが、その回想シーンでは思わず感傷的に。それで脱獄理由のことは脇に置いてしまったのかもしれません。

彼を追う低身長の女性FBI捜査官デジレーや囚人仲間モスなど、サブキャラも魅力的です。この二人が登場するシリーズが出来たらいいのにと思います。

 

『渇きと偽り』ジェイン・ハーパー

渇きと偽り (ハヤカワ・ミステリ)

渇きと偽り (ハヤカワ・ミステリ)

 

オーストラリアのフーダニッタ。妻子を撃ち、自殺したとされる旧友ルークの葬儀に出るために、連邦警察官フォークは二十年ぶりに故郷を訪れます。旱魃に苦しむ、その田舎町は、閉鎖的で渇いてるーという感じ。

ルークの両親から、息子の死の真相を突き止めてほしいと頼まれたフォークは独自に捜査を開始します。そして、かつてフォークが暮らしていたその土地は、過去の苦い記憶を思い起こさせます。

地道な捜査で、犯人に迫ってゆくの姿がいいです。犯人は最後のほうになるまで、わかりませんでした。これがデビュー作ということなので、今後も楽しみにしています。

 

『刺青の殺人者』アンドレアス・グルーバー

刺青の殺人者 (創元推理文庫)

刺青の殺人者 (創元推理文庫)

 

『夏を殺す少女』の続編です。喘息の持病を持つ警部ヴァルターと、弁護士エヴェリーンが再び登場。全身の骨が折られた上に血が抜かれた若い女性の遺体が見つかります。娘の遺体を確認した母ミカエラは、長女と一緒にいた次女を見つけようと、自力で犯人を捜し出します。

このミカエラがですね、もうすごいんです。そりゃ、娘を探しているんだから必死なのはわかりますけど、そこまでやっちゃう?という感じ。終始ヴァルターは押されっぱなしです。

それから、今作ではまさかの人が殺されてしまいます。前作から活躍していたので、かなり衝撃でした。

関連記事:『夏を殺す少女』~『月の夜は暗く』アンドレアス・グルーバー

 

長々書いていますが、もうちょっと。

『バサジャウンの影』ドロレス・レドンド

バサジャウンの影 (ハヤカワ・ミステリ1914)

バサジャウンの影 (ハヤカワ・ミステリ1914)

 

「忘れていた」の連続ですみませんね、この本もすっかり忘れていました。つい最近、Netflix のおすすめにあった映画を何気なく見ていました。スペインのミステリーです。

バスク地方で起きた殺人事件。被害者の少女は全裸にされ、その上にはバスク伝統の菓子チャンチゴリが置いてあったんですが、このシーンを見て、なんだなんだ、この話し知っているぞ、ということで思い出したんです。

そもそも「バサジャウン」って覚えられないですよね。バサジャウンとはバスク神話の精霊なんだそうです。大男で毛がもじゃもじゃなんだとか。ドイツ映画『ありがとう、トニ・エルドマン』のパパの着ぐるみを思い出しちゃった。

バスク地方はは雨が多いんですかね。映像では、ほとんど雨が降っていて、暗いのなんのって。暗ーいミステリーが好きな人にはおすすめ。

 

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