海外ドラマ Netflix『SAFE 埋もれた秘密』

これもNetflixのポータル画面でやっていた予告編を見て、そのまま本編を見たパターン(まんまとNetflixの戦略にはまってますねー)です。マイケル・C・ホールを見つけて、「再生」ボタンをクリックしました。

ちょうど少し前から、Amazonプライムで『シックス・フィート・アンダー』(以下、シックスフィート)を見始めたところでした。シックスフィートは2001年から始まったHBO作のドラマシリーズで、スパドラで放映されていたらしいですが、当時はまったく知らなかったです。舞台となる葬儀屋を営むフィッシャー家の次男をマイケル・C・ホールが演じています。なんか不思議なドラマです。

ホールの知名度はどちらかというと『デクスター 警察官は殺人鬼』のほうが高いかもしれません。シックスフィートが終了した後、2006年からスタートしたシリーズで、8シーズンも続きました。デクスターと妹のデボラを、顔も中身も濃いなぁーと思いながら見ていました。

さて、SAFEは何の情報も持っていなかったので、最初は少々混乱しました。アメリカの俳優マイケル・C・ホールのほかにアマンダ・アビントン(『シャーロック』)が出てきたからです。ここはアメリカ?イギリス?どっちなのと。その後に、プール付きの立派な家に住むマーシャル家のパパ、ジョジョ(ナイジェル・リンゼイ)がこてこてのブリティッシュ・アクセントで話すのを聞き、たぶんイギリスなんだろうね、という結論に至りました(間違っていなかったです)。

英国俳優がアメドラやアメリカの映画に出ることは多いですが、その反対のパターンは珍しいような気がします。そして、ホールとアビントンって、かなり意外性のある組み合わせだと思いませんか。

ホールはアクセントを変えて英国に溶け込もうとしていましたが、ネイティブの人から見たらどうだったんでしょうね。もちろん、私の英語力では何の違和感もありませんでしたがー。

以下ネタバレしないように書いていますが、ストーリーには触れています。

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SAFE 埋もれた秘密 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

妻レイチェルを病気で亡くした外科医トム(ホール)はゲーテッド・コミュニティにある高級住宅地で2人の娘を育てています。妻の葬式の回想シーンで、トムは娘ジェニーにそっと謝っていました。それに対する娘の返事は「そうね(Yeah, right)」。母の死を通して、父娘の間には亀裂が生じたようです。

ある日、16歳の長女ジェニー(エイミー・ジェイムス・ケリー)とそのボーイフレンドのクリスはパーティに参加した後、行方がわからなくなります。翌朝、娘が帰宅していないことに気づいたトムはパニックになり必死に娘を探します。幸運なことに、彼には助けてくれる友人ピート(マーク・ウォーレン)がいます。ピートはトムと同じ軍にいたこともある同僚で、二人はまるで刑事のバディのように(実際には二人とも医師なんですけれどもね)、パーティ後のジェニーの足取りを追います。

そしてもう一人の友人は、ソフィー・メイソン(アマンダ・アビントン)、こちらは本物の刑事です。メイソン家とは何年も前から家族ぐるみで付き合っています。現在、夫と別居しているソフィーはトムと友人以上の関係になっており、二人はジェニーの捜索に関する情報を共有します。

最近になり、ソフィーに新しい部下(ハンナ・アータートン)が増えました。エマは都市部から転勤してきた若い女性です。自ら移動願いを出したその背景には、何か明確な狙いがありそうです。

 

物語の進行がもたもたしないのがいいです。各エピソードの最初には、それまでの回で解き明かされた事実が映像でフラッシュバックされ、またエピソードの終わりはクリフハンガーというパターンはわかりやすいです。

後半からは謎を知りたい一心で一気に見ました。私は、後々になってジョジョが白状したことで、犯人がわかってしまいました。皆さんもわかりましたか?

なので、その後の展開として、犯人がもっと悪あがきするかと期待していたんですけれど、そうはならなかったですねー。

#私はこのドラマを見ながら、"Everybody lies." と言うDr.Houseの顔を何度も思い浮かべました。 

 

年齢を重ねると、からだのフォルムってやっぱこうなるよねーと先日書いた『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』を自嘲気味に見ていた私ですが、マイケル・C・ホールは、シックスフィートからあまり変わっていないようでした。

そのホールは、このドラマに続きはないと公言しているようですが、ぜひ次シーズンを作ってほしいなぁ。トムの友人ピート(パフォーマンス良かったです)の今後も見たいですし。

 

海外ドラマ『ブロードチャーチ3〜殺意の町〜 最終章』

WOWOWで放送していたのを録画して見ました。最初に見たときは、次シーズンがあるとは思えませんでしたが、シーズン3まできましたね。そして、このシーズンをもって終了でしょうか。もっとデイヴィッド・テナントとオリビア・コルマンの名コンビを見たい気もしますが。

以下ネタバレあります。犯人は書いていませんが、ストーリーには触れています。

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Broadchurch | BBC America

アレック・ハーディ(テナント)とエリー・ミラー(コルマン)は、親友の誕生日パーティーの後に49歳のトリッシュ・ウィンターマン(ハッピー・ヴァレーのS2で浮気相手の女性にひどい目にあう刑事の妻だった人です)をレイプした犯人を追います。

トリッシュが多くを話さない代わりに、レイプキット、証拠収集、聴取、知人からの厳しい扱いなど、レイプ被害の余波がドキュメンタリー・タッチで描かれます。被害者は打ちひしがれて一気に何歳も歳をとったように見えます。

実際、最初に画面に登場したトリッシュを見たとき、実際の年齢よりも上だと思いました。なので、あとから実際の年齢を知ったときは驚きました。

 

ハーディはせっかち(犯人が野放しでいることに焦っているということもあります)で、いつも気分が悪く何かに怒っているように見えます。一方で庶民的で人情派のミラーは、必要なときに彼を叱ったり慰めたりします。二人とも十代の子どもを育てるために、ときに悩み、自分のやり方で努力しています。

二人がトリッシュの自宅を訪れたとき、ミラーが別の部屋に行っている間にテナントが早速トリッシュに話しをきいているのを見て、ミラーは苦言を呈します。「まずはお茶を入れて飲むの!」。私もそう言おうと思っていたところです。

 

最初のシーズンで起きた11歳のダニー・ラティマーの死は海辺の町を震撼させましたね。あれから時を経た今でも町はダニーのことも忘れていません。

ダニーの父親マーク(アンドリュー・ブキャン)は、無力感と前シーズンで出た無罪判決に苦しんでいます。そのことで、妻ベス(ジョディ・ホイータカー)との距離は広がります。ベスは他の人を助けるためにケアワーカーとして働き、トリッシュのカウンセラーをし目的を見出そうとしています。 

 

今シーズンの事件の被害者トリッシュと親友キャスとの間で交わされる会話は興味深かったです。ある事実が判明してからのそれは、同姓としてかなり苦々しい思いで見ていました。女性同士の友情、裏切り、確執、そして寛容は、かつてエリーとベスが今の関係を築くまでにどれほど多くの時間が必要だったのかを思い出させてくれました。

 

もし、見逃した方がいたら、5月30日、31日に再放送が予定されています。
WOWOWオンライン

 

関連記事:海外ドラマ『ブロードチャーチ 殺意の町』 

 

海外ドラマ Netflix『Happy!』そして『ウェット・ホット・アメリカン・サマー: キャンプ1日目』

Netflixのトップ画面に表示された予告編を見たら、釘付けになりそのまま1話目を見ました。何も知らずに見たのですが、主人公が『Law & Order SVU』のクリストファー・メローニだと気づくのにそれほど時間はかかりませんでした。

漫画が原作なので、いかにもアメコミっぽくて楽しめます。けれども、小さくてポップな青いユニコーン(というか見た目はロバ)が出てくるからと油断して、子どもと見てはいけません。クレイジーで、グロテスクで、大人シーンが満載です。監督・脚本が同じだけあって、映画『アドレナリン』を彷彿させるようなシーンもあります。

このドラマを見続けたのは、タイプキャストから大きく外れたコミカルなメローニが見たかったから。もろ好み、好きです。彼の走り方もコミックそのもの。すごくハマっていると思います。

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Happy! | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

お金のために暗殺の仕事を請け負っている元警官ニック・サックス(メローニ)は堕落した生活を送っています。一仕事を終えた後に心臓発作で倒れたニックは、病院で小さい青い馬が飛んでいるのを見ます。話しをきけば、ヘイリーという名前の女の子が誘拐されたので、助けてほしいと言うではありませんか。

最初こそ、死に際に見る幻覚だと相手にしなかったニックですが、あることをきっかけにその存在を確信するようになります。その馬の名前は「Happy」!

ニック以外にはHappyが見えないので、誰かがいるところで会話する必要があるときは「今から、見えない馬と話すぞ」なんてお断りを入れるあたりがかわいい。

私は目的がメローニなので、画面にニックが登場しないシーンは少々退屈でしたが、最後まで見ました。ラストがどうなるか想像できていたにも関わらず、 ヘイリーと会ったときの彼をどうしても見たくてー。最後のシーンは最高にかわいいです。え?もちろんクリストファー・メローニが。

 

実はコミカルなメローニは、Netflixで配信している『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』というとんでもドラマでも見ることができます。これは2001年に米国で公開された同名映画をドラマ化したミニシリーズで、サマーキャンプ初日を描くドタバタコメディです。

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ウェット・ホット・アメリカン・サマー: キャンプ1日目 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

キャンパーの中に、明らかに40代くらいの俳優が若者として(ええ、ティーンエイジャーの恰好をしています)混じっているので、何も知らずに見ると少々混乱するかもしれないです。これは2001年で演じていた俳優がそのときの役をやっているからなんです。

しかも、そのメンバーがとってもゴージャス。映画公開時には無名だった俳優たちしっかり出世したというわけです。あのブラッドリー・クーパー(『アメリカン・スナイパー』)やポール・ラッド(『アントマン』)、エイミー・ポーラー(『インサイド・ヘッド』)など、もっといます。それもみんなしょーもない役どころで。ほんと、何やっちゃってんのよ(と、画面に向かって何度言ったことか)。

それだけじゃありません。あのジョン・ハム(『マッドメン』でエミー賞受賞)、クリス・パイン(『スター・トレック』シリーズ主演)、ジェイソン・シュワルツマン(有名なコメディアン)クリステン・ウィグ(『ゴースト・バスターズ』)など、すごい顔ぶれがゲスト出演しています。

悪趣味なんだけど、ゲラゲラ笑いながら見ました。心をデトックスしたい方はどうぞ!

海外ドラマ『イン・ザ・ダーク』そして『アブセンシア』の苦悩する男たち

BBC作のUKドラマ『イン・ザ・ダーク』と、アメドラ『アブセンシア』は、両方ともフーダニット型のミニシリーズです。主人公はどちらも女刑事、そして、パートナーの男性は苦悩します。

 

イン・ザ・ダーク In The Dark 

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BBC One - In the Dark

スパドラで見ました。上の写真を見て、この女性が誰だかわかった人は、「リッパー・ストリート」ファンではないでしょうか。スェーデン出身のマイアンナ・パーリングです。

全4話、2話で1つの話しになっています。英ベストセラー作家マーク・ビリンガムの小説が原作です。すっかり忘れていたんですけれど、ドラマ『刑事トム・ソーン』もビリンガムでしたね。

さて、『イン・ザ・ダーク』の主人公はマンチェスターの刑事ヘレン、同僚で恋人のポールと暮らしています。最初のエピソードで、ヘレンは妊娠したことをポールに打ち明けます。ポールは心から喜び、幸せオーラが全開しているようでした。

そんなとき、ヘレンの故郷で連続少女誘拐事件が起きます。その容疑者が、ヘレンの親友リンダの夫だったことから、リンダの力になろうと帰郷します。しかし、そこにはヘレンが忘れたくても忘れられない過去がありました。

妊娠中の恋人を心配してついて来たポールは、ヘレンの異変に気づきます。ついにヘレンが暗い過去を打ち明けたとき、彼はヘレンを温かく抱きしめます。

しかし、後にヘレンがお腹の子の父親がポールなのか浮気相手(これまたイケメンの同僚なんですが)なのか、わからないと打ち明けたときには、彼は平常心ではいられなくなります。ショックと怒りでヘレンを拒絶します。

私は「ポール、どうする?」という気持ちでこのドラマを見ていました。3話目では、ヘレンは臨月に入っています。大きなお腹を抱えたヘレンは、ポールとの暮らしを続けていました。

ポールは、目の前にいる恋人を無条件に愛したいと思いますが、子どものことを考えると複雑な心境になります(当然ですわね)。彼は一層仕事にも励み、子どもをどうするか決意したように見えました。

 

ドラマでは、生まれた赤ちゃん(お腹の大きさから双子かと思いましたが、実際には一人だった)の父親は明かされませんでした。シーズン2はあるのでしょうか。

 

 

アブセンシア Absentia

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https://www.absentia.tv/

もともとは3月にWOWOWで放送していたみたいなんですけれど、見逃していました。最近再放送をしていたので、録画しました。こちらは全部で10話、全編通して暗いでーす。

私は見たことがないんですが、人気ドラマ『キャッスル』のスター、ケイト・ベケットが主演です。そして、さすがはアメドラ、シュッとした俳優たちがキャスティング(というと、UKドラマはそうじゃないみたいですが)されています。

FBI捜査官エミリーは連続殺人事件の捜査中に失踪、その6年後に瀕死の状態で発見されます。6年というのは長いです。その間に、同じくFBI捜査官である夫ニックは、別の女性と結婚し、8才に成長した息子フリンは実母のことは忘れ、新しいママに懐いています。

ニックは新旧の妻たちの間で苦悩します。もちろん、エミリーも新しい妻もそれぞれの立場で苦しみます。私は「ニック、どうする?」という気持ちだけでこのドラマを見ていました。ニックはこのとんでもない状況に、なんとか対処しようと努力しているようでした。が、途中からは何を血迷ったか、間違った犯人を追うようになります。

そうなると、ニックに同情を寄せていた視聴者はもはや彼の味方ではいられなくなります。そんな視聴者を代弁するように、エミリーの父親が歯に衣着せぬ言葉でニックを責めます。

私は物語半ばに仕掛けられたミスリードにもうまく乗れず、ドラマがまぁまぁ長く感じられました。それにね、なんといっても、現実離れしていてねー。拉致後、6年も生かしておいて、そのあと開放します?

もし次シーズンがあるとすると、ニックには今の妻との間に子どもが生まれ、エミリーには新恋人ができて(あのボストン警察の刑事では少々力不足でしょうか)、FBI捜査官としてバリバリ仕事をしているというのはどうでしょうか。誘拐時のフラッシュバック・シーンはなしで。

 

海外ドラマ 『ザ・テラー 極北の恐怖 / The Terror』

Amazon プライムビデオで見ました。ある日、作品リストにインパクトのあるサムネイル画像が追加されて、気にはなっていたんですが、ジャンルがホラーだったので、見ようかどうしようかとしばらく逡巡するも、結局は見てみることにしました。 そして意外にも強く引き込まれました。見る人によってとらえ方は様々だと思いますが、私はホラーというよりはむしろ遭難した男たちのサバイバル物語として見ました。

 

19世紀に129人全員が行方を絶った英国のフランクリン探検隊のことを知っている人もいると思います。英国艦のテラー号とエレバス号は、北極探検で北西航路を探索するために航海に出発します。しかし、その船は1845年に出発してから再び姿を見せることはありませんでした。2隻の難破船は、2014年と2016年まで発見されず、1世紀半の間、さまざまな憶測を生みました。

19世紀に消えた北極探検船テラー号ついに発見 | ナショナルジオグラフィック

 

このドラマは、このフランクリン遠征にインスパイアされたダン・シモンズの小説をベースにした10話完結のAMCミニシリーズです。実在の人物に基づいているキャラクタは登場しますが、プロットは脚色されています。

#AMCといえば『ウォーキング・デッド』ですよね。最近シーズン8の後半をFOXで放送していましたが、途中から見ていません。面白いですか?見続けることに忍耐を強いられているような気がしてならないのですが。

以下、ネタバレ含みます。

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The Terror Season, Episode and Cast Information - AMC

エレバス号には遠征隊を率いる隊長ジョン・フランクリン(キーラン・ハインズ)と副官のジェームズ・フィッツジェームズ(トビアス・メンジーズ)が乗船しています。一方のテラー号の艦長はアイルランド人のフランシス・クロージャー(ジャレッド・ハリス)です。航海に出てから、すでに1年以上が経過しており、リーダーミーティングのたびに上官たちはボートに乗って片方の船に移動します。

隊長らを招いたテラー号での会食の様子で、陽気で若いフィッツジェームズと暗いクロージャーの間には深い溝があることがわかります。職場ではよくあることです。ジェームズがクロージャの陰口をたたくと、フランクリンはそれを柔らかく窘め、クロージャーの名誉を傷つけないようにします。

クロージャーは酒飲みで、依存しているのは明らかです。そして、何かに傷ついているようでした。けれども、誇り高くあろうと努力しています。また、遭難する可能性を鋭敏に感じ取り、氷点下で孤立することを本気で心配している唯一の人でもあります。

 

会食の日と同じくして、シリーズ最初の犠牲者が出ます。若い船員デビット・ヤングが血を吐いて突発的に倒れます。外科医 "グッドサー"は、患者を治療し慰めますが、彼が亡くなると解剖し死因を究明しようします。彼こそは、このシリーズで最初から最後までぶれない他人のことに心配れる人でした。

紺碧の海に囲まれた船のシーンは美しいですが、海上ではすぐに次の犠牲者が出ます。偶然起きた災難ですが、不穏な空気が漂い、緊張は悪化します。

 

その後、クロージャーが代替ルートを取るように勧めたとき、フランクリンはそれを一蹴します。それは、組織トップの人にありがちな傲慢からくるというよりは、楽観主義に由来したものだったように思います。

ヤングが隊長のことをまるで父親のように慕っているようだったことから、フランクリンはクルーたちから信頼されているのだと想像できます。

また、テラー号で倒れたヤングをエレバスに運ぶように言ったのは、死因が特定したときに自分が先に知る責任があると考えたからかもしれません。その頃、船内では壊血病にナーバスになっていました。

彼は常にリーダーとして、クルー達の士気が下がらないように努めていました。明るく前向きなトップ像を実践しようとしていたのではないでしょうか。

 

しかし、ついに、彼らは立ち往生しています。彼らは寒さ、飢え、病気に晒され、さらにはもっと恐ろしい影に怯えるようになります。どこまでも続く北の空、白く凍った海、そして不気味な静けさの壮大なショットは、ドラマの域を超えて驚異的です。そのような自然の中では何が起きてもおかしくないような気さえしてきます。

けれども、私はエスキモーの神話に出てくるような「トゥンバク」よりも、もっと恐いものがありました。この物語の本当の恐怖は、文明化された男性の内側にあるものではなかったでしょうか。

 

このドラマにキャスティングされているのは、何人かのスターとあまり知られていない英国俳優たちです。実際、薄暗い中で、白肌に赤く焼けた頬、髪も髭も伸び放題の隊員たちは、誰が誰だかわからなくなってしまうことも。ですが、物語に必要な場面ではちゃんとわかるようになっています。

 

海外ドラマ Netflix『運命の7秒 / Seven Seconds』

Huluで配信中の『運命の銃弾』を途中挫折した私は、このドラマを見る気になれませんでした。けれども、アメリカ版『The Killing』のショーランナーが製作したというので、見てみることにしました。

このショーはタイトルは「7秒」ですが、実際には10時間にも及びます。これがとんでもなく長く感じられました。オープニングシーンで事故は瞬く間に起こりますが、それ以降はずっとのろのろとしたペースで動きます。そう、挑発的なスタートを切ったものの、キャラクタ設定はフラット、物語は蛇行し続けます。

以下、ネタバレあります。注意してください。

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Seven Seconds | Netflix Official Site

ルーキー警官ピーター・ヤブロンスキー(ボー・ナップ)は、妊娠中の妻に会うため、車で病院に向かっています。彼女に問題が起きたのではないかと心配し、自ずとスピードも速くなります。そして、自転車で公園を通り抜けようしていた黒人のティーンエイジャー、ブレントン・バトラーを撥ねてしまいます。彼は911には電話せず、麻薬捜査班の仲間を現場に呼び、事故を報告します。最初こそ、ヤブロンスキーは自主するつもりでいました。

しかし、ユニットのリーダー、マイク・ディアンジェロ(デビッド・ライオンズ)は、この事故を隠ぺいすべきだと主張します。そうしなければ、黒人コミュニティとメディアの両方から糾弾されてしまうと言うのです。説得されてヤブロンスキーはしぶしぶディアンジェロに同意することに。

その頃、その場にいた誰もが死んだと疑わなかったブレントンは息をしていたのです。

一人息子が事故に遭い悲しみにくれる母親はラトリス・バトラー(レジーナ・キング)。家族には、勤勉で敬虔な夫イザヤ(ラッセル・ホーンズビー)とイザヤの弟で帰還兵のセスがいます。彼らは、様々な方法で悲しみを抱きしめて戦います。 

地方検事補のKJ ハーパー(クレア=ホープ・アシティ)がこのケースを担当することになります。最初はおざなりに処理するつもりでしたが、途中で何かがおかしいと感じ、ジャージーシティの警官、”フィッシュ” リナルディ(マイケル・モズレー)と事故を深く掘り下げて、真実を明らかにしようとします。

 #私だけかもしれませんが、ラトリスとKJが 似ていて混乱しました。どちらも黒髪、同じくらいの身長、地味な服装で、悲しみに暮れています。

ショーは、子どもを失ったバトラー家、とりわけ母親の悲しみと、ヤブロンスキーの不安やパニックに焦点を当て、時間を費やします。このメリハリのない長いメロドラマにメスを入れるべく登場したのがKJかと思っていたら、彼女も個人的な問題を抱えていました。あぁ、そして彼女はアル中というタグまでついているではありませんか。

暗闇の中でいくつもの傷心スパイラルが長々と続き、演出がこれ見よがしでイライラします。キャストの(たぶん優秀な)パフォーマンスはもはや空回りしているようにかみえず、私の中にあったシンパシーは徐々にしぼんでいきます。

 

とにかく登場人物の一人ひとりが紆余曲折あり過ぎて、時間がとられます。KJはストレスからアルコールやベッドに逃げ出します。そして、それが原因で仕事に支障をきたしても特に反省はないようです。そして、ヤブロンスキーは、あぁ、父親がDV男で悲惨な家庭環境で育ったこと、ブレントンには、あぁ、秘密の生活があったことなどもわかります。

そういえば The Killing の犠牲者も秘密を抱えていたんでしたっけ。そして「7秒」と同じく物語の進行はスローペースでしたね。 唯一の目撃者で薬物中毒の女子高校生ナディーンは、あぁ The Killing のシーズン3に出てきた同じようなキャラの焼き直しでしょうか。

 

事件は早々と解決できたかもしれないですが、主要な人物たちは独りよがりな行動をとり、このショーをなんとか長引かせようと余念がありません。

 

KJの上司にあたる検事は、彼女を愛人にしたことはあったものの、仕事上のサポートはしていないようでした。KJはまたも孤軍奮闘し、ストレスフルに。人種差別の暴動が全国ニュースになり、マスコミの注目を浴びている裁判なんですけれどもね。

また、どうでもいいことかもしれませんが、ヤブロンスキー側に付いた女性弁護士の服装にも違和感があります。偏見が問題視されている裁判で、あの服装はどうなんでしょう。成功している優秀な弁護士なら、もっとTPOに合わせたコンサバの服を着ても良さそうなものですが。

最後の判決については、陪審員の人種が偏っているようにも感じましたが、こんなものだろうと思います。これ以上何を期待しろというのでしょう。大ドンデン返しとか?このショーにそれを求めますか。

 

結局のところ、私にとってこのドラマは目新しいものはなく、どこかで見たことのある手垢がついたスクリプトを繋ぎ合わせたようにしか感じられませんでした。また現代の都心で起きた事件にしては、ずさんな隠ぺい工作と殺人事件で、リアリティに欠けているのではないでしょうか。

 

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海外ドラマ 『シカゴ P.D.』S3EP21に登場『シカゴ・ジャスティス』

先日、AXNで録画した『シカゴP.D.』のシーズン3を見ていたら、ごつい感じのどこかで見たことがある人が検事補として出てきました。それはストライクバックの片方の人(フィリップ・ウィンチェスター)ではありませんか。彼は、過去にボイトが逮捕されたときの担当検事だったと、誰かが発言していたことから、端役ではなさそうな感じがしました。

以下、ネタバレ含みます。

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Chicago P.D. - NBC.com

バージェスとローマンが乗ったパトカーが襲われ、ローマンは負傷し、バージェスは銃撃犯を追いかけます。束の間、犯人を見失ったバージェスでしたが、銀色に光るものを手にした男を見つけると、彼に向かって発砲します。しかし、その男は警官を撃ったのは自分ではないと主張します。彼は17歳の優等生で、犯行に使われた銃が見つからなかったことから、バージェスによる銃撃と逮捕は正当だったかどうか、波紋が広がります。

この回は、PDには珍しく法廷シーンや検察側の捜査シーンに時間が割かれていました。そして、容疑者がアフリカ系アメリカ人だったことから、人種差別問題へと発展し、今にも暴動が起きるのではないかと緊張が高まっていきます。

って、ちょっと待ってください。このシチュエーションはどこかで見たことがあります。そうです。同じようなシーンが『Law & Order』にもありました。それで気づきました。これは『シカゴ・ジャスティス』への序章だったんですね。 

今までもPDやMEDがスタートする前に、先行するドラマ、PDならFIRE、MEDならPDにメイン・キャラクタが登場していました。現在は3つのドラマがAXNでタイムラインに沿って放送されています。クロスオーバーを謳っていなくても、シーケンス・エピソードに別ドラマのキャラが登場することはしょっちゅう。FIREやMEDで事件に巻き込まれたときはPD、FIREやPDで誰かを病院に搬送するときなどはMEDが、というようにごく自然にキャストが行き交います。

 

シカゴシリーズは、L&Oシリーズと同じくディック・ウルフ(Dick Wolf)のドラマなので、JUSTICEは、L&Oの雰囲気が色濃く引き継がれるのだろうと期待しています。

しかも、登場したのはストーン検事補。これまた、きいたことのある名前ではありませんか。それで調べてみると、L&Oの最初の4シーズンで検事として登場したベン・ストーンの息子という設定だったんですね。

ベンとは、このブログを書くきっかけにもなった人(日記の最初に書いています)です。こんな嬉しいサプライズがあったとは知りませんでした。

 

以前の日記にもJUSTICEのことを少しだけ書いた(なのに、忘れていたんですよね)のですが、そのあとに流れたニュースにびっくりしました。はい、知っています。JUSTICEは、シーズン1の全13話で終了してしまったんですよね。

他の3ドラマと絡みづらかったからでしょうか。それとも、シカゴシリーズのフランチャイズを4つも維持するのは難しかったということでしょうか。まだ見ていないので何ともいえませんが、いずれにしても、シーズン1が日本で放送された暁には、必ず見ようと思います。

来週にはFOXで『Law & Order SVU』シーズン19が放送されます。JUSTICE 終了後、ストーンはこの最新シーズンの後半からレギュラー出演するようです。これは見逃せません。

 

P.S.
この回で負傷したローマンは後遺症のせいでパトロール警官には復帰できないと宣言されていました。PDからいなくなってしまうんでしょうか。だとしたら、結構好きなキャラだったのに残念です。